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イワシとわたしの物語

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下園薩男商店が運営するイワシビルの商品。 そんな商品たちとこんなことあったかもしれないお話を集めたオリジナル短編小説です。
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記事一覧

たい焼きを食べる、旅に出る【イワシとわたし 物語vol.17】

何と理由はないけれど、どうも虫の居所が悪い。 せっかくの日曜日。せっかくの休日。 せっかく…

虜になって食べて知って【イワシとわたしの物語 vol.16】

買ってやったぞと言わんばかりに口の端を吊り上げる。 袋の中を覗き込むとお目当ての〈はらぺ…

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私のための朝を過ごす【イワシとわたし 物語vol.15】

閑静な街の中、外では働き者が既に道路を走っている。 彼女は何に起こされたわけでもなく、ゆ…

あの子を想う平日昼間のひとり時間【イワシとわたし 物語vol.14】

この日は天気がいい日だった。 加えて日差しがやわらかいから、散歩に出掛けることにした。 最…

落ち着かない気持ちを抱えて海に行く【イワシとわたし 物語vol.13】

3月というのはどうも気持ちが落ち着かない。 漠然とした焦燥感と不安が頭を撫でるように纏わ…

早朝の港で名脇役に憧れる【イワシとわたし 物語vol.12】

この時期の朝の港は寒い。その寒い港で彼は独りぽつんと立ち、辺りを見回していた。 港に人気…

旅好きの彼女がこの地に留まる理由【イワシとわたし 物語vol.11】

外に出るのも億劫になる季節になった。 もし叶うのならば、温かい家の炬燵の中で温まりながら、冷凍庫から取り出したカップアイスをゆっくりと楽しみたい。そんな平日の昼間の公園には、人気はなくただ一人、彼女だけが歳を忘れて遊具と戯れていた。 幸運なことにこの日は快晴。じんわりとした陽が優しく公園を包んでいる。 子供の笑い声が聞こえない代わりに、鳥のさえずりと木の葉が擦れ合う音と遠くで車が走る音、そして彼女が遊具の上を移動していく素朴な音だけが空に響く。 彼女は旅好きで有名だっ

幸せを届ける甘じょっぱい少女の想い【イワシとわたし 物語vol.10】

彼女は誰もいない屋上にいた。 同じ外であっても、横を通っているはずの車の音は気にならない…

彼女が始める小さくて大きな旅【イワシとわたし 物語vol.9】

地元に戻った彼女は、今日も阿久根の街を歩く。 阿久根駅を出れば港が見える。 その間をいか…

不安も全部取っ払って!いいも悪いも頬張る少女【イワシとわたし 物語vol.8】

最近、何をやってもうまくいかない。 うっかり間違ってしまったもの、自分の納得のいく形にで…

ハンカチに引き寄せられた男【イワシとわたし 物語vol.7】

何かの拍子に落ちるハンカチ。 気づかずに歩いていると、背後から「落としましたよ!」の声。 …

彼女が伝えたかった5文字【イワシとわたし 物語vol.6】

暑い夏であることに変わりはない。 けれど、この日だけは何やらいろいろと考えてしまう。 あ…

青年が気づき始めた”普通”の裏側【イワシとわたし 物語vol.5】

拍子抜けしてしまいそうなこの現実に彼は一種の焦燥感を覚える。 大人への憧れを感じていたあ…

旅する少女が魅せられた場所【イワシとわたし 物語vol.4】

物足りなさを感じ、憧れの世界へと旅立った少女が 地元阿久根へと帰ってくると、 そこは彼女の知らない場所になっていた。 こんな場所あっただろうか。 旅から戻った少女はある一つのことに気づく。 身近にあるけど何も知らない漁師町。 漠然と感じる物足りなさと外への憧れ。 キラキラ光る水平線を眺めながら夢見た海外。 世界へと旅立った彼女は、電車に揺られ、地元阿久根へと帰路に就く。 最後に滞在した南イタリアの余韻にまだ浸っていたい。 そう願う彼女の思いなど知るわけもなく、 電車は阿久