ふるさと納税の矛盾 【 NIKKEI記事より 】
ふるさと納税の矛盾。
そもそも論で申し訳ないのですが、「ふるさと納税は、寄附なのか?」という問題が、記事にある「二重取り」問題の源泉ではないかと思います。
税法上、寄附とは、その名義のいかんを問わず、金銭の贈与等をいい、「反対給付を伴わないもの」とされています。すなわち、見返りを求めないもの。
では、返礼品はなんなのか?
ふるさと納税に係る返礼品の送付等についての総務大臣通知(平成29年4月1日)には以下の説明があります。
返礼品は寄附に直接対応する対価ではない。
すなわち、ふるさと納税は寄附行為なので、返礼品は本来不要。返礼品があるとすれば、それは寄附とは「別途の行為」ですよ。よって、国税庁も、返礼品=収入なので、返礼品の年間合計によっては、確定申告して下さい、と応答しています。
まず、ここに違和感を感じないでしょうか・・。
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私は、地方交付税交付金とふるさと納税の関係自体は、現行のままでもよいのでは、と思います。ただし、記事にあるように「二重取り構造」という矛盾も是正しなければいけません。そのためには、「ふるさと納税」が本来あるべき寄附の性格を有する必要があると思います。
返礼品を無くすべきではないか、という結論です。
(せめて、何割までではなく、定額でいくらまでにするとか。)
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もともとの制度趣旨は、ポータルサイトで以下のように示しています。
「税に対する意識」が「返礼品のため」「節税のため」で高まることは制度趣旨なのでしょうか?
やはり趣旨にある「その使われ方を考えるきっかけ」という文章こそ、大切だと思います。
私は、返礼品を何割に留めるではなく、返礼品をそもそも無くし、「使われ方」を地方自治体各々が主張し、寄附を募る。誰もがそれが理想だけど、そんなうまくいかない・・と言われるかもしれませんが、そうでなくてはいけないと思います。
今までのように爆発的な寄附は生まれないでしょうが、ふるさと納税制度も周知されたわけですし、もともとも制度趣旨に合った方法へシフトしてもよいのでは、と。
「取り組み」への賛同で寄附が多く集まり、その「取り組み」を実行できた。そして、その「取り組み」以外への資金として地方交付税交付金も受け取った。これなら、私は、特に不公平感を感じません。
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お客様によく言われること。
「ふるさと納税している・・って、先生くらいにしか話せないよね。」
ふるさと納税という「寄附」をしている人が、後ろめたいという「矛盾」
この根本的な矛盾が是正されたら・・と思います。
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