ストーリーを語るための『センス』とは?【 リーダー論:NEKKEI STYLE 】
※※ 本日はNIKKEI STYLEの記事より ※※
デジタル化、グローバル化が急速に進み、世界は今、予測不能な「VUCA(=変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)」時代を迎えている。企業を取り巻く環境が大きく変化するなか、経営者には何が求められるのか。次代を担うリーダーを輩出するビジネススクールで教壇に立つ研究者や第一線の経営者に聞いた。第1回は一橋大学大学院経営管理研究科(一橋ビジネススクール)国際企業戦略専攻(ICS)の楠木建教授。(記事より引用)
非常に分かりやすく、モチベーションが高まる記事でしたので、紹介します。
■ 記事の概要
⑴ 求められるリーダー像の本質は変わらない
楠木教授「例えば、戦前に自らのリーダーシップのスタイルを確立していた経営者、松下幸之助さんが現代に生きていたとして、リーダーとして通用しないかというと、全くそんなことはなく、やはり優れたリーダーであったと思います。反対に現代の優れたリーダーが戦前にいっても、やはり優れたリーダーだろうと思います」(記事より)
⑵ リーダーに求められるもの = 「ストーリー」を作る能力
楠木教授「要するにビジネスでいえば、どうやって稼ぐかを考え、人を動かしていく、という人ですね。・・・略・・・戦略のストーリーをつくる人がリーダーだと考えます。それに対して、リーダーのつくった戦略ストーリーをフォローしているのが担当者、フォロワーです」(記事より)
⇒ リーダーは「導く人」ですから能動的に。肩書がリーダー的ポジションでも、受け身の姿勢ではリーダーとは言えない、ということでしょう。
⑶ ストーリーを作る能力 =「スキル」ではなく「センス」の領域
ストーリーを作るには、業務スキルを超えたセンスが必要だと述べています。そして、センスの育て方には教科書はなく、自分から育つための「場」が必要だと述べています。
楠木教授「スキルは優劣ですが、センスは千差万別、さまざまな方向があるということです。ですから『自分にセンスがあるのかどうか』というのは、問いとしてずれてしまっています。誰でもセンスはあるけれど、それがどのようなベクトルを持ってるのかが分からない。」
● ジョン・レノンとポール・マッカートニーのように
楠木教授「互いに競い合ったり、何かを取り合ったりする関係ではなく、自分と違ったものをよく見て、やりとりすることで自分を知る、という関係ですよね。そういう機会はなかなかありませんし、自分で強制しないと身を置くことはできません。仕事を離れて、仕事とは別に何かを学ぶ。自問自答する時間と場を持つ。そいういうことは本当に意味があると思いますね」
⇒ 『センス』に答えがあるのではなく、自身のセンスに気づき、磨く行動こそ重要という事ですね。
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■ 私見
この記事を読んでパッと浮かんだことが「カッツの理論(カッツモデル)」です。
⑴ R・カッツの理論
リーダー論として、よくお客様に紹介しています。図示してみます。
① テクニカル・スキル = 仕事が扱う能力(専門分野での知識や経験)
② ヒューマン・スキル = 組織の中で協力、支援しあえる能力
③ コンセプチャル・スキル = 方向性、問題形成・解決、組織統合する能力
端的に言えば、立場に応じて高めるべき能力が変わってくるということです。上記図を見ると、ヒューマンスキルは平行四辺形の形ですので、どの段階でも常に向上すべきスキルです。一方、意識を変えるべき点として、一般社員は「現場」の能力(テクニカル)、リーダーになればなるほど「統率」するための能力(コンセプチャル)が必要になるという理論です。
私は、楠木教授のインタビューで「センス」と表現されていたもの。これはカッツ理論でいう「コンセプチャル・スキル」をより分かりやすく伝える用語ではないか、と解釈しました。
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⑵ センスを磨くには「意識改革こそ重要」
私のお客様である中小零細企業のリーダーの多くは、「現場のプレイヤー」としての能力=テクニカルスキルが高いです。ヒューマンスキルも高いです。しかし、会社の方向性、道筋を定める能力(コンセプチャルスキル)は、「高める余裕が無い」という人が多い。そのため、もともと築いてきた人間力で戦っています。既に豊富な経験をし、カリスマ性や理念がしっかりしていればよいですが、そうでない場合には、記事にあるように「センス」を磨く活動が必要にある。そんな話をする際に、この理論を紹介しています。
と言うのも、実は私も同じだからです。日常業務に追われる中、とにかくテクニカル・スキルの向上を「必要に迫られる形」で行ってきました。「センス磨きをする余裕はない」とか「肩書はリーダーでもまだテクニカルな部分も未熟で、その域に達していない(特に後継ぎ経営者の声)」という気持ちに共感しています。ですので、まずは自分自身から改革せねばと、最近は本を今まで以上に読んだり、経営塾や交流会に参加しています。
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# 仕事でSNS発信
⑴ センス磨きの場
オンラインでも、例えば、このnoteという場も多様な価値観を知ることができますし、私自身も発信する以上、自分の考えと向き合う時間ができています。今、COMEMOで「SNSの発信を仕事でどう活かしているか?」というお題企画がありますが、私はまさしく楠木教授の言う「自問自答する時間と場」の1つとして活かしています。自問自答、そして周りへの問いかけ。より深く学び、交流するためにNサロンにも所属しました。日々吸収ばかりです。
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⑵ 私自身を知ってもらう場
また、集客目的で始めたわけではないですが、副次的に自分自身の考えや人となりを知ってもらう場になっていると思います。実際、ありがたいことに、読んでいただいているお客様も結構おりまして、私の考え方を知る事ができるので読んでいますみたいな声も頂きます。たまに、打ち合わせで「僕はでもこう思うな~」とか「お嬢さん、体調どう?」いう話もでたりして、会うだけでないコミュケーションが生まれている事も実感します。
仕事はAI相手にしているのではなく「ヒトとヒト」で行っているもの。SNSは遊びとかビジネスという縛りではなく、「私はこんなヒト」というものを発信できたらいいのかな、なんて思います。
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■ おわりに・・
少し脱線しましたので、表題に戻ります。
今回、この記事が目に留まったのは、すごくワタクシゴト。来週末、私が参加している経営塾の最終回があります。テーマは
「自社の未来を考える戦略と計画の立案(経営計画の策定と発表)」
すなわち、「実際にストーリーを語ってくる」ということです。すごくタイムリーな記事でした。私自身も、予測不能な世の中で、自信をもって語りたいと思います。
・・そういえば来週末か。・・まだ宿題が終わっていないなぁ(オチ)。
お読みいただき、ありがとうございました。 FB:https://www.facebook.com/takayoshi.iwashita ㏋:https://ibc-tax.com/