「1 9」15首連作
回想を繰り返すたびに虚構へと消えゆく彼女はずっと十七
同窓会できんきらきんの髪をみてぼくのなかで彼女がしんだ
割り箸がとっても綺麗に割れたときあんたのことを思い出すなど
嬉しいも辛いも無邪気に忘れてく君は美しく、あるいは憎く
とびこめず びゅんと特急前を過ぎ 髪の毛揺れる ぼくのため
祈りにも似たこの拙い希死念慮いつかのあかるいみらい夢みて
リビングの造花に名前をつけてみた 次の日少しひらいてみえた
国道のバイクは うるさい うるさい が あいつにも事情があるのでしょうね
髪の毛はすっかり染まった君だけど アイスコーヒーにガムシロ2つ
冷コーと冷めたホット・コーヒーぐらいちがうそれでもふたりは同じ温度で
ボーイ・ミーツ・ガール・アンニュイ・安寧・そんな関係
夜と朝どうやらグラデーションがありまじわるあたりにカラオケを出る
きみの待つ場所へと向かう足の裏重みはるかにブラジルへ続く
おとなりに浴衣姿の君がいて花火はほとんど.mp3で
ロックとは憎しみと言った彼ももう恋の歌しか書かなくなって
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