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独自の英語力アップのメソッドを確立。3年間1000本配信したメルマガで会員獲得

僕が社長になった理由-竹末研一さん
幼少期に父の仕事の関係で、シンガポール、タイ、エジプトなどで過ごし、インターナショナルスクールの多言語環境に置かれた経歴を持つ竹末さん。圧倒的な知性を感じさせる竹末さんは、一般人には理解しがたいレベルのことを次々とやり遂げ、オリジナルの英語メソッドを完成させてしまったといいます。そのメソッドを引っ提げての独立。一体どんなステップを踏んだのでしょう。

2019年夏、”いわみんプロジェクト”として、社長や起業家、独立して活動している方を対象に100人インタビューを実施しました。彼らがどんな想いで起業し、会社を経営しているのか? その中での葛藤や喜び、そして未来に向けて。熱い想いをたくさんの人に伝えたいと思っています。

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竹末 研一(たけすえ けんいち)さん

株式会社TORAEL 代表取締役社長
大阪大学および同大学院卒。幼少期をインターナショナル・スクールの多言語環境(英語、アラビア語、タイ語、中国語)にて過ごす。大学・大学院で世界最速のスーパー・コンピューターによる科学技術計算(数値流体力学)を専攻。
JAL にて英語を用いた巨大システム統計分析と数十億円規模の海外契約業務(米国、ドイツ、アイルランド、中国)を実施。その経験を生かしてコンピューター言語解析(iPhone Siri の技術)を用いた英語最速理論Rを確立し、日本人ビジネスマンが最短2日でウォール・ストリート・ジャーナルを読めるようになる英語読解術を開発。これまで2000人以上の英語が読めない日本人をビジネス英語が読めるように指導。その事績が認められ、ウォール・ストリート・ジャーナル東京総局長やThe Economist 東京支局長とも対談。現在は、日経Doorsという有料Webサービスでも毎月記事を書いていて11月からは10回シリーズで動画コンテンツの提供も始まる予定です。
2011年創業
2013年法人登記

凡人には理解不能なレベルの統計や分析能力を持って
自ら英語最速理論®を開発!?

 小さい頃は宇宙飛行士になりたいと思っていました。空を自由に飛べるもの、小さいころから慣れ親しんだ海外と関係のある仕事を求めて、就職先はJALへ。大学・大学院で学んだ数値流体力学を使った技術者として働いていました。
 ただ、ご存知のようにJALは2010年に2兆円を超える負債を抱えて倒産しました。じつは、数年前からその予兆は見えていて、このままではヤバイという感覚はありました。2007年に沖縄勤務になったのですが、沖縄という風土のせいか働き方がラクになり、時間的な余裕ができたので、起業塾などのセミナーや研修を受け始めました。

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 そこでの学びから、当時はやり始めていたメールマガジンをスタートさせました。内容は得意とする英語についてです。ビジネスパーソンが読むべき、『ウォールストリートジャーナル』の記事の読み方のコツを自分なりに解析して文章にまとめていたもので、ほぼ毎日配信していました。
 「まぐまぐ」というメルマガサイトに登録していたのですが、3年間で1000通くらい発信しました。職場は30分で着く場所だったので、毎朝4時半におきて、3時間メルマガ配信のために記事をまとめる、規則正しい生活を続けていました。

 僕は会社のコスト削減のため、いろいろな人を子会社や提携企業へ出向させる、いわゆる片道切符を渡す仕事もしていました。当然、つらい仕事です。そのころは給料自体も減額されていたりしました。
 一方、メルマガの会員は気がついたら8000人になっていました。こちらは順調です。また、コンピュータの言語解析アルゴリズムを人間の英語学習に活用できるんじゃないか?と考えるようになりました。海外の文献などを取り寄せて独自で調べて分析した結果、2日でTOEICの得点が100点近く上がったり、海外の英字新聞が読めるようになったりする仕組みを確立したのです。

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 そんなときに、ついに会社から退職希望者の募集が行われ、真っ先に手を挙げました。もちろん、転職も考えました。ただ、僕の仕事はかなり専門的で航空業界以外では難しく、年齢的にも30代後半での転職だと厳しいと判断しました。一方で、英語ビジネスでの独立には根拠なき自信があり、独立へ舵を切ります。

会社員時代に、起業するための準備をコツコツ始めていたということです。しかもお金になるかわからないメルマガを毎日配信し続けて3年間! この努力はその後、独立のための大きな推進力となります。さらに、オリジナルコンテンツの開発まで始めていたのというのは驚きです。
会社を辞めた竹末さんは、最初の数年は個人事業主として1人で、その後ビジネスをスケールさせていくことになります。

メルマガを3年間継続したことで得た
見込み顧客を味方につけての独立!

 最初にやったことは、独自開発した教育の仕組みのテストです。もちろん、メルマガ会員の方に声をかけて、お試ししてもらうのですが、毎日のメルマガで信用が築けていたので、簡単にモニターはつかまりました。そしてテスト結果はバッチリで、試した人たちの英語力が上がっていることが証明できました。そこで、そういった方たちの声を集めたホームページを作り、8000人のメルマガ会員にも告知をするようにしました。すると、初年度からお客さまがそこそこ取れました。

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 翌年には、ウォールストリートジャーナル東京総局長などと対談させていただいたり、話題に上ることも増え、着実にお客さまが増えていくようになりました。3年目となる2013年に法人登記し、事業拡大に向けてスタッフを増やしていきました。
 最初はホームページからの申し込みだけだったものを、体験セミナーや、ウェブ広告、先生になるための養成講座などコンテンツを増やしました。僕の代わりに講座やセミナーを開催できる先生が増えることで、僕はほかの仕事ができるようになります。せっかくウェブ広告をして集客率を高めようとしても、業者に任せっきりではあまり効果は上がりません。広告費分の効果を出すためにも、自分である程度理解して管理できるようにウェブ広告についても勉強しました。
 お客さまからのリクエストに応えるべく、自由な時間に学べる動画コンテンツや、英検やTOEICなどに特化したコンテンツなど、新コンテンツの開発、企業向けの研修、東京以外の都市への出張など、やるべきことは次々に生まれてきます。

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 今はセカンドフェーズといったところです。次のステージに上がるために、いろいろ試行錯誤しているところです。今後は、大学受験が変わり、英語ニーズがより高まります。今はビジネスパーソン向けでしか展開できていませんが、学校市場への導入なども頭の片隅に捉えながら、より多くの人の“英語ニガテ意識”を解消するお手伝いができたらと思っています。

仕事の選択は、やりたいことで選ぶ人、自分が得意とすることで選ぶ人などがいて、どちらが正解でもありません。最終的には、お客さまにバリューを提供できることが大事です。でも、竹末さんのお話を聞いていると、自分の強みを生かしたビジネスのおもしろさを感じました。なぜなら、他の人が持っていないスキルは、みなから求められることが多いからです。英語という、日本人の苦手意識が解消され、グローバルで活躍するのが当たり前な日本人が増えるためにも、これからも頑張ってほしいです!

下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!