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医師でありながら、コーチングや心理学などを継続的に学習。生涯かけて人間を学ぶ

私が独立した理由-佐々木ちひろさん
「医師だけど、おもしろい人だよ」と紹介されて、プロフィールをいただいて驚いたのが、佐々木さんの経歴と持っている資格。病院勤務を経て独立し、Plenty of Fruits株式会社を立ち上げ、産業医の仕事を中心にいろいろと活動していると言います。医師であれば、最低限の収入や仕事のやりがいなども得られると思いきや、それだけでは満足できないという佐々木さんの生き方を紐解いていきます。

2019年夏、”いわみんプロジェクト”として、社長や起業家、独立して活動している方を対象に100人インタビューを実施しました。彼らがどんな想いで起業し、会社を経営しているのか? その中での葛藤や喜び、そして未来に向けて。熱い想いをたくさんの人に伝えたいと思っています。

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佐々木 ちひろ(ささき ちひろ)さん

◆略歴
【学歴】
お茶の水女子大学 文教育学部 人間社会科学科 心理学コース 卒業
札幌医科大学 医学部 医学科 卒業
ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 グローバル経営学科 卒業 最優秀成績賞受賞
【資格】
ー医療ー
医師免許
日本内科学会認定内科医
日本医師会認定産業医
日本産業衛生学会専攻医
産業医科大学 産業医学ディプロマ
生活習慣病予防アドバイザー
健康食アドバイザー
ーコーチングー
米国NLP&コーチング研究所/日本NLP協会認定 NLPプロフェッショナルコーチ
米国Gallup社認定 ストレングスコーチ
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Points of You® トレーナー

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ー心理学ー
全米NLP協会/日本NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー
カナダSuccess Strategies シェリー・ローズ・シャーベイ認定 LABプロファイル®コンサルタント・トレーナー
Japan Positive Psychology Institute認定 ポジティブ心理学ワークショップ公式ファシリテーター
ポジティブサイコロジースクール認定 レジリエンス・トレーニング講師
メンタルヘルス・産業保健法務主任者
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種・Ⅱ種
マインドフル健康指導士
まなびやアカデミー認定マインドフルトレーナー
ー睡眠ー
睡眠健康指導士 上級
不眠の認知行動療法セミナー ベーシックコース修了
アクティブスリープ指導士 ベーシック
スリープケアカウンセラー
ーその他ー
日本アロマ環境協会 アロマテラピー検定1級

人間の心とカラダは密接につながっている!
心理学から医学の道への転身

 私、ストレングスファインダ―でも出ているんですが、イチバン強いのが学習欲なんです。次が収集心。なので学び始めたら、あれもこれもってなっちゃうんですよ(笑)。でも子どものころから学ぶことは好きだったんです。勉強するのは楽しいし、学んでいるうちに、そこと関連しているものが気になって、「よし次はこっちだ!」って学びが連鎖していっちゃうタイプだったんです。
 大学では心理学を専攻していたんですが、あるとき、心と体はつながってるって思うようになって、「じゃあ体についても知りたい!」と、医学部に入り直して医師の道に進むことになったんです。
 医師になってから結婚を機に、旦那さんの実家のクリニックを一緒にやっていくことになりました。私は医師になる勉強はしましたが、経営については学んでいません。さっそく、経営について学ばなくちゃいけないと思って、オンラインで学べるビジネスブレイクスルー大学を選び、ビジネスについて勉強することにしました。医院経営でスタッフをマネジメントすることは、非常に大変でした。結局は彼とは離婚することになってしまい、医院経営からは離れることになりました。

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 その後、訪問診療をしながらヘルスケアのコンサルタントをする仕事に就き、その会社で産業医という仕事を知り興味をもちました。さっそく産業医の資格を取り、産業医としての仕事を始めました。最初は外来診療をしながら2事業所での産業医業務でしたが、ストレスチェックの義務化などの影響で産業医の需要が多くなりました。産業医としての仕事が多くなり、またとてもやりがいを感じていたので、外来診療のほうは辞めて産業医1本にしぼりました。それが独立しようと決心したキッカケです。

結婚、出産、離婚を経という大きなライフイベントを経験し、同時に経営のマネジメントを学ぶことで、さらに視野が広がった佐々木さんが、これから深めていきたいのは産業医という道。たくさんの学びをしていく中で見つけた自分らしい仕事なのだそう。

産業医に求められるものは会社員の健康。
組織の在り方や1人1人のケアまでが守備範囲

 産業医のスタンスは、相手の企業によってまちまちです。月に1度の訪問で最低限の業務で終わるところもあれば、それこそ会社をよくするために、社員の健康や幸せを考えることを私と一緒にやりたいとおっしゃってくださるところもあります。自分としては、そういうトータルで携われるような企業とのお付き合いが好きです。
 そういう企業では、やることが多岐にわたります。メンタルヘルスや健診結果に基づく面談や保健指導といった、一般的な産業医業務に留まらず、健康を維持するための研修などまで。

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 最初に学んだのは、睡眠でした。じつは私自身がコンサルタント時代、訪問診療先からの夜間の電話対応などで、よく眠れていなかったんです。日中に度々居眠りして“眠りの佐々木”とマネージャーに言われたりしていました。産業医になってこんなにも睡眠が問題になるのだと痛感しました。
 その後、コーチング、レジリエンス、メンタルヘルスなど、おもしろそうだなと思ったものを片っ端から学びに行きました。今もまだいくつか通っています。私は『人間』に興味があるんです。学んでいるうちに、気づいたのは、相手をサポートするためには、自分のコンディションを確保できていることが基本だということです。そのため、常に自分の体調とメンタル両方のコンディションを整えておくことも心がけています。

 最近では、女性活躍が言われている時代背景もあり、女性社員のケアを重視したい企業さんから、女性の産業医を求められることも多くなりました。そこで聞くのは、女性ならではの子育てしながら働くことの悩みや、キャリアの悩み、心の葛藤など。自分も結婚、子育て、離婚、そしてキャリアについて、同じように経験してきたからこそわかることも多く、それらを生かしてサポートに役立てたいと思っています。
 今後は、自分らしい産業医としてのスタイルを確保しつつ、一方で女性のための何かをやっていけたらいいな、と思うようになりました。

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資格は目的ではなく、自分が学ぶための手段でしかないことを理解し、自分の好奇心を満たすために学び楽しんでいるそう。医師であり、母であり、経営視点もある佐々木さんは、さまざまなアプローチで企業に向き合うことができる稀有な存在です。今後の活躍に期待しています。

下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!