JFL第6節 F.C.大阪戦【いわきFC監督・田村雄三ここだけの話~BEHIND THE SCENES⑥】
田村雄三監督が自ら試合を振り返る連載コラム。今回は、4月24日にアウェーで行われたJFL第6節の裏側を語ります。
▼プロフィール
たむら・ゆうぞう
1982年生まれ。帝京高→中央大→湘南ベルマーレ
2010年に引退。湘南ベルマーレ強化部スタッフを経て2015年、いわきFC強化部へ。2017年よりいわきFC監督
選手達から「判断」を奪わない。
6回目のnoteです。F.C.大阪戦の振り返りになります。
今節のポイントは「セカンドボールの奪取」でした。そのためには「準備と予測」。そして前節の課題で出た「チームとして合わせていくこと」。ビルドアップをするのか背後のポイントにボールを置くのか。出し手と受け手、ビルドアップの入り口と出口。
結果的に、今節も前半はバタついてしまいました。
「合わせていくこと」はいまだ課題です。これは継続して取り組んでいくしかないと思っています。
選手は緊張感の中、見えていたものが見えなくなることも多々あります。勝たなければいけないプレッシャーの中にいるからこそ、です。大変ですが、相手がいる中で前進する判断、技術、勇気を求めていきます。
そのためにプレーを明確に提示し、そのプレーを求めることも指導です。
しかし…
例えばヘディングの強い選手に「ヘディングだけ絶対負けるな」「ビルドアップはいいから前に蹴ろう」といった「判断を奪う」コーチングをしてはいけないと思っています。
できないことにチャレンジしていくしか、成長はない。そう思っているので、トレーニングしていくしかありません。
いわきFCの平均23歳の若者達にそれをすると、先がなくなってしまいます。言うのは簡単ですが、経験していない選手に判断を奪うコーチングをすると、違う絵を見ることはできなくなります。
だから、選手にはトライしてほしい。それと同時に、いかに試合をしながら成功体験を積ませていくか、そして勝利するかを考えています。
難しい作業であり、欲張りでもあります。
2試合通じてトライできなかったことの方が悔しいですが、もっとトレーニングでチームに落とし込まなくてはいけない。反省しかありません。
(※この試合のダイジェストは、以下をご覧下さい)
4人のFWをセットで考えた。「悪いから交代」ではない。
今節は最初から「FW2枚は45分ずつ」と決めていました。F.C.大阪さんを分析した結果のプランです。細かいことは書きませんが、どっちがいい、悪いという話ではなく、組み合わせ含めて4人の FWをセットで考えました。
つまり「悪いから交代」ではありません。
選手には事前に説明してあるので、理解はしてくれていると思います。でも、納得はしていないでしょう。
それは当然です。試合に出たいでしょうし、もっとプレーしたいと思う気持ちは当たり前。そうあるべきだし、それをプレーにぶつけてくれたらいいと思っています。
我慢したこと。
今節は「我慢」のゲームでした。上記の通り、選手にトライしてもらいたい気持ちがありました。ゲームプランもそうでしたが、もっと我慢したことがあります。それは
日高の起用
でした。
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