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ドミニカ移住 #14 : 本の中のアノ人物と初対面 en Baní


本の中の人に会いに行く

_______2018.6.16
私がドミニカについてしばらくしたころ、Kさん(私にドミニカへ行くチャンスをくれた人物)は私にジョニーという男性の連絡先を教えてくれた。ジョニーは、Kさんがドミニカに住んでいた際に調査助手として共に暮らしていた、いわば彼の大親友であり兄弟のような存在だ。私はKさんの著書内で何度もジョニーやその家族の名前を見たことがあり、ドミニカに来たら必ずあってみたいと思っていた。連絡先を教えてもらってから何度かメッセージをやり取りし、16日に彼らの住むバニに行くことになった。


 当日、朝8時前にはペンションの前の停留所からOMSAに乗り込み、バニ行きのグアグア乗り場がある広場まで向かう。パルケ・エンリキージョと呼ばれるこの広場の周辺には多数のグアグア乗り場があり、それぞれ地方の町行きのグアグアの始発地となっている。そのため、首都から遠出をするときは家からOMSAなどで一度ここへ来ることが多い。

 バニ行のグアグアに乗り約1時間半ほどたった10時15分ごろ、バニ市内終点の大型スーパーに到着した。このスーパーが、Kさんの大親友であるジョニーとの待ち合わせ場所だ。ついにジョニーと会える…、待ち合わせ場所に着いたことを知らせるため、緊張しながらもジョニーの携帯へ電話をかけた。

ジョニーが住む地区と近所の人たち

 モトール(バイク)に乗って現れたジョニーは想像よりはるかに体が大きな男性だった。ただ、他のドミニカ人とは違って明らかに日本人慣れしている様子で「オーーラ!!アスカ!」と明るく声をかけてくれた。彼のバイクの後ろに乗り、大型スーパーからしばらく行くとバリオと呼ばれる居住区が見えてきた。背の高い建物は一切ない景色、ほとんどがトタン屋根などでできた家の並びのなかに時折見える豪邸は、プロ野球選手の実家なのだろうか—。道路わきには住人たちが椅子を出して腰掛けながらお喋りをしていたり、子どもたちが歩いたりしている。


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 そんな、首都とはまた一味違う景色や雰囲気を眺めていると、突然ジョニーがある家の前でバイクを止めた。そして家の中に向かって何やら大声で叫ぶと、中からぞろぞろと人が出てきた。彼らはジョニーの家族(親戚)らしく、ジョニーが「彼女はアスカだ。Kの生徒だよ!!」と次々に私のことを紹介してくれた。家族のみんなもジョニー同様、日本人に慣れている様子で、「わー!!Kの生徒なの?ようこそ!!」と、何の躊躇もなく大歓迎してくれた。そしてそれは家族だけに留まらず、近くの道端にいた近所の人たちまでもがその話を聞きつけ、「あなたKの生徒!?よろしく。で、Kは次いつドミニカに来るの??」とキラキラした目で次々に尋ねてきた。

このとき彼らから感じたKさんに対する熱量や親しみのこもった呼び方、そして「あなたはKの生徒なの?Kは私たちの家族なんだよ」という言葉から、この地区でKさんが本当の家族として受け入れられていることを改めて実感した。
 バリオ到着後、一挙に広まった「Kの生徒(本当は生徒じゃないけど)」という認識のおかげで、初めて行った場所にもかかわらず、私は何の違和感もなくバリオの人びとに受け入れてもらうことができた。
(つぎ、修理したてのくるまがガス欠につづく)


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