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留学と海外進出のための英語理論

今回は留学準備〜留学後まで、自分にとって役に立ったリソースをがーっと網羅しておく。様々な英語勉強法がブログで語られているが、純ドメの私は理論で突破してきたことが多かったので、本記事は以下の2点に注力する。

1つは、IELTSのOverall(以下OA) 7.0を独学最短で突破するための方法論を書く。アメリカの大学院ではIELTS7.0またはTOEFL100というスコアを求められることが多く、今度から日本のセンター試験でも使われるというではないか。IELTSとTOEFLどちらを対策するかというのがまず問題になるが、両方受けた体感としては、求められる英語運用能力はほぼ同等なので、試験のとっつきやすさもポイントになる。典型的な日本式英語教育を受けてきた自分には、全てパソコンで回答するTOEFLよりも、全て紙&対面スピーキングで回答するIELTSの方が形式として合っていたので、IELTSでスコアメイクすることを選択した。そのためIELTSの攻略理論を手厚く書く。

2点目は、留学後のキャリアメイクに役立つリソースも書く(適宜更新)。海外生活初の自分にとっては未だ英語はまだまだだが、、英語は留学準備に始まり、留学後も授業のほか、現在学校のプログラミングチューターのバイトをしていたり、企業でインターンをしていたりするので、面接での受け答えや、人に専門知識を教える/コミュニケーションするための英語運用が引き続き必要となる。そこで留学後にも役立ったリソースを載せておく。でも言語はやっぱり失敗してもいいから使うしかないというのが結論。

独学最短で突破するためのIELTS対策

ということでまずIELTSについて語る。読者は留学を検討している大学生、社会人、将来センター試験でIELTSを使う高校生を想定している。

基本戦略1: まず無勉強でいいから1回受ける
他の英語試験も同様だが、IELTSは試験形式が独特(鉛筆しか持ち込めないとか!)なのでまずスコアは気にせず1度受けてみた方が良い。勉強して準備ができてから〜なんて言ってるとあっという間に1-2年経過するので、まず受けて己と敵を知った方が良い。休憩時間の使い方や疲労度は受けてみないとわからない。
ちなみに留学準備全体のマスタスケジュールは以下で書いているので、こちらも参考に。

基本戦略2: OA7.0の最小スコアは27点
留学のスコアで求められるのは多くの場合、OAスコアだけである。よって各部門9.0満点のIELTSにおいて、総合28点取るとOA7.0がつく。しかし実はIELTSでは .75のスコアは切り上げされるので、6.75(総合27点)もOA7.0として算出されるのである。正直IELTSでの1点というのは実はかなり大きく、最短突破というからには、セコいと言われようがこれを利用しない手はない。OA7.0には総合27点を目指すことになる。

基本戦略3: 日本人ならRとLで引っ張れ
では4部門均等に、Reading 7 Listening 7 Speaking 7 Writing 7なら文句なしOA7となるが、S7, W7は私(日本人?)はSpeaking/Writingが苦手ということもあり、結構到達が難しい。特にIELTSのWritingはネイティブに近い人でも7.5が出るか出ないかくらいで、かなり採点が辛いと言われており、Wは6.0でも我慢できるスコアメイクをした方が良い。Speakingも個人的にはかなり苦戦し、実践で自然な英語で喋り慣れていないと6.0より上はなかなか出ない。よってIELTSはOA6とか6.5までは比較的すぐ到達するのだが、6.5と7.0の間に実に大きな壁があるように思う。
ちなみにS7.0はこのレベル。結構試験場の場で瞬発力良く質問を打ち返すのは慣れてないと難しい。

そこで自分は日本人的英語脳で比較的得意なReading / Listeningで得点を引っ張る作戦にし、実戦ではR8.0 L8.0 S5.5 W5.5で総合27!でのOA7.0を留学の出願スコアとした。ギリギリでも、SとWボロボロでもOA証明できてれば大学院は受かるんです。それが最短突破たる所以。

RとLは速読力、多聴力は求められるが、文章の難易度はそんなに高くないので、TOEIC860点以上取れるような人なら十分8.0も狙えると思う。RとLを安定してハイスコア出せるようにするのがIELTS最短攻略への鍵である。つまり日本人の場合、RとLのスコアを軸に、
R8.0 L8.0 S5.5 W5.5
R7.5 L7.5 S6.0 W6.0
R7.5 L7.0 S6.5 W6.0
このあたりが目安となってくる。いずれにしろRとLは最低7.0以上取れないとOA7.0はなかなか厳しいということがお分かりだろう。IELTSはOA6くらいはすぐ出るので、7.0まであと1点、一見するとTOEFLより楽に思うが、6.0から7.0の1点上げるのがなかなか手強い。このような戦略のもと、打ち手として利用したリソースを紹介する。

必須:単語集。6.5頻出単語までは必須。7.0以降は自分はざっと眺める程度だった。

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必須:公式問題集。Readingを時間内に終われるよう、タイムマネジメントできるまで最新バージョンを何回か周回して練習した。

任意:OA7に絞った教材。必須ではないが、各セクションの戦略として使えるテクニックもあったような。

任意:Speakingに特化した教材。Speakingは本も使ったが誰か外国人の友達とかに打ち返してもらえるのが一番ベスト。

推奨:英語系Youtuber、Atsuさんのチャンネル。IELTS対策をちゃんと語ってくれているチャンネルは少なく、参考になった。

必須:IELTSの元採点官、Simon先生のblog。Writingで使える表現や採点のポイントなんかが書いてあるので必ず見た方が良い。英語の地頭も重要だが、採点官が見るポイントを知るのも重要。メモしながら全セクション記事を読むと良い。

必須:6.5から伸び悩んでる時期にSimon先生のビデオレッスンもSpeakingの項とか購入して見た。彼のeBookもまるっとWritingで使えるテンプレートとか載ってるので買った。テンプレートとebookの表現を、試験の中で即座に引っ張り出せるまで頭に叩きこめばW6.5も視界に入ってくるだろう。

http://subscriptions.viddler.com/SimonCorcoran

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推奨:Simon先生の言ってることをまとめてくれてる日本人のblogも見た。この人がSimon先生のebookの和訳版を出してくれており、これも購入してWriting, Speakingの暗記・ネタ帳として使った。

素材としてはこのあたりをめちゃくちゃやり込めば独学でIELTSは攻略可能だと思う。あとは時間の捻出とやり切る意志。昔作ったQuizletのフラッシュカードも発掘したのでよかったらどうぞ。

https://quizlet.com/_3977qd

https://quizlet.com/masaki_iwabuchi/folders/study-abroad

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独学でのTOEFL/GRE対策全般

さて、一方TOEFLしか出せない大学院、GREを求めてくる大学院も出願したのでこれらも受けた。体感としては全部PC越しなのでIELTSよりテンプレート勉強法が有効だが、時間が相当シビアなので安定して好スコアを4部門揃えるのは難しい印象。何より自分はI live in Tokyo..に集中力を削がれるタイプなのできつかった。Readingを1問20分でちゃんと終われるようにする、Speakingの準備時間の短さに慣れるなど、よりタイムマネジメントが重要になる。勉強法としては、PCで同じフォーマットでやるのが有効なので、単語集+Magooshという組み合わせでひたすら練習するのがベースになる。頻出単語はIELTSとTOEFLではそこまで共通していないので、両方に合わせ2冊やる必要がある。

特にGREは他のブログでも言われていることだが、単語が大学院レベルの専門用語のオンパレードで死ぬほど難しい。pusillanimousとかいつ使うんだよって感じ。単語力さえあれば得点できるテストである一方、超上級レベルの単語を800覚えるのは苦痛でしかないので、1日数語を長期的に数ヶ月かけて覚えるつもりで早めの対策をオススメしたい。こちらも昔QuizletでBarronsのGRE頻出単語をフラッシュカード化したのでよければどうぞ。当時は絶望しかなかったが、確かに今見ると大学院の授業で出てくる単語もちらほら。jaxtaposeとか。

https://quizlet.com/_397955

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TOEFLは先ほども述べた通り、テンプレート学習が有効だ。Speaking、Writingの各設問への回答をテンプレ化してベースラインを作ることが重要なので、ド定番だが以下の書籍で練習した。MBA合格者のブログなんかでは、TOEFL塾通うのも通例のようだ。こちらもコストに余裕があればもちろん通うのもよいだろう。

英語で働くための対策

ここからは留学、海外進出後、英語で働くための対策を書く。現在筆者はアメリカで給料の出るワークをしているが、海外生活初めての私にとってはそこまで達するのに楽な道のりではなかった。その四苦八苦する中で有用だったリソースを上げる。読者は留学後の学生を想定しているが、これらはもちろん日本にいる間の留学準備のフェーズでも役立つものばかりだ。

ネクストレベルでの話す・働く
個人的な課題として、リスニングのはっきりした英語は聞き取れるが、ネイティブの日常会話や、ごにょごにょっとした早い会話が全然聞き取れずにいた。何度も最初の頃はSorry?なんつって聞き返していた。原因を辿ると、日本の英語教育ではあまり教えられてこなかった、シラブルという概念を体系的に学ぶことが重要だとわかった。

要するに会話の中では単語の終わりと次の単語の出だしが接続するなどして、単語内のtが発音されなくなり、ウォーター(water)がワラー(waer)になる、といったことが起こる。これは今までの英語教育の中でちゃんと教わったことが無かったので、ああ、発音は単語の文字通りじゃないんだ、という事実がまず驚きで、どのような時に変化が起きるのか、パターンを論理的に理解することでごにょごにょした会話を頭で処理できるようになった。そこで役立ったのがモゴモゴバスターというサイト。この有料サービスではどういう場合に音が消えたり変化するかが数10パターンに体系化されており、これを一通り通してシャドーイング練習することでスピーキング、リスニング力が格段に上がった。
理論としてwaterはワラーと発音されることがある、と知っておくと、
ワラー?ああwaterか、と頭で逆変換できるようになり、
それを繰り返すと不思議なもので自然に聞き流せるようになる。

internationalが何故イナナショナルという発音になるのか、みたいなことが論理的に語られているので、腹落ちして理解することができた。あまり有名じゃないけど、書籍でもここまで網羅されている本はあまりないのでおすすめ。

書籍だとこれなんかも同様のシラブル理論が語られている。

あとこれ最近の本でよかった。結構英語は(日本語もそうだけど)言い方次第で印象が変わる。プログラミングのチューターなんかをしてると、「実際書いたことないコードだけど、これとこれを組み合わせればできそう」みたいなニュアンスを伝えたい時、「I don't know this function.. but..」なんて言っちゃうと否定形の印象が強く、この人経験無いのかなという印象を与えてしまう。そんな時の繋ぎ言葉や、否定形を使わずにポジティブな言い回しで表現する方法など、まさに今欲していた情報が載っていてよかった。自分を低く見せずに、ポジティブに会話を進められるテクニック。

面接・インタビュー対策

面接本当嫌いだけどやるしかない。だいたい日本での面接と戦い方は似ているが、決まり文句はまず知っておきたい。GAFAとかのインタビュー体験はMediumで挙げてくれてる人とかいたりする。あとglassdoorで調べると会社の評価やインタビューで聞かれた質問が見れたりする。こういうのは日本と同じような文化。アメリカの面接も情報戦。とコネ。


あとは以前の記事でも触れたが、自分が興味のあるデザイン理論や論文を読んだり、デザイナーが発信してる英語の動画を見ると、ビジネスや会話の中で使われるデザイン用語や言い回しがわかって良い。

これとか最近見つけたやつ。西海岸の大企業のデザイナーがデザイン論を語ってくれてて良い。特にjunior - seniorレベルではなく、Managerレベルの組織論やプロジェクトマネジメント論についてのトークが聞けるのはあまりないので良い。

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邦訳されていないデザイン理論も世界には数多く、自分の好奇心の赴くままこういうの読んでくのも勉強になる。そういうデザイナーとしての教養の深さというか、懐の広さみたいなものが最後ラスト1マイル、他の候補者と間を分かつ要素になると信じている。

https://www.dukeupress.edu/designs-for-the-pluriverse

そんな感じで英語はまだまだ頑張ってます。何か良い本とかリソースあったら教えてください。キャリア構築全体像や関連マガジンもまとめています。


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