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way 「 点 」という意味で、道以外の意味として使われることもあります!

今回のnote記事では、複数の意味をもつ英単語のどの意味が適するのかということを説明します。そして、前置詞がもつイメージをどう役立てて英文を把握するのかということにも触れています。

今回の英文は、文法的に複雑になっています。内容は私が作ったフィクションですが、文法や単語レベルでの用法の使い分けが、慣れていないと難しく感じそうなものに敢えてしています。

way という単語ですが、公立の中学の英語で、「道」という意味で学習します。他にも意味があり、今回の例文では、「点」という意味で使われています。

way 「 点 」という意味で、道以外の意味として使われることもあり


【例文】
This man seem to have built his life around the belief that he is in some way indispensable to the panda.
「この男性は、何らかの点において、自分がそのパンダにとって必要不可欠なものであるという信念を中心に、自分の人生を築いた。」



内容的にも、重たそうです。日本語訳を読んでも複雑になっています。この男性が、パンダの飼育員さんかどうかは、この一文からでは謎です。私のフィクションの設定では架空の人物です。
※ 細かい設定はしていません。
 
まず、基本五文型に照らしてみると、「SVO」という第三文型です。主語は、「This man(この男性)」で、目的語が「his life」です。動詞は「build(~を建設する)」にしようと最初に思ったのですが、敢えて複雑になるように seem to have built と変化をつけました。
 
「主語 seem to V」で、「主語はVするように思われる」という意味になります。この思われるという日本語は、国語で「自発」という用法です。作者(話し手)から見て「思われる」ということです。そのために、思っているのは、文の主語でなくて作者ということになるので、注意です。
 
さらに、Vの部分に完了形を入れました。
 
This man(S) [seem to have built](V) his life(O) という第三文型で、直訳をすると、「この男性は、自分の人生(生活)を建設したように思われる」となります。
 
ここで、英語を日本語にするときに、直訳だと不自然になるときに、適宜、内容に適するように意訳すると意味が通るときがあります。
 
「人生を建設した」→「人生を築いた」というように日本語らしい意訳を考えると意味が理解できます。

細かく説明をすると、長いので、先に「way」のところを見てみます。
 
in some way(何らかの点において)の way の意味は「点」です。日本語で、「この点において重要だ」というときの「点」です。「人生を築く」や、「~にとってなくてはならない」という抽象的、観念的な内容のときに、結構うまく訳が通るときが多いように思います。
 
そこに、some という漠然としたイメージの形容がついているので、「何らかの点」という訳をつけると意味が通じるかと思います。

前置詞aroundのイメージ

前置詞 around のイメージは、「around 名詞」で「名詞を中心として、その周辺に」という感じです。中学の英語だと、物理的・地理的な内容で出てくることが多いと思います。around the station(その駅の周辺で)というと、駅を中心と考え、その周辺というイメージです。
 
今回の英文では、抽象的・観念的な内容です。この手のタイプでも使うことができます。今回の場合は、「パンダを中心に据えて、その周辺に自分の人生がある」というようなイメージを漂わせています。
 
around the belief(信念を中心に)と訳をつけました。この belief(信念)の内容がパンダです。

thatの識別

当初は、ここで英文を終えようかと思ったのですが、ネイティブ風に後から修飾をつけて内容を詳しくしてみようと思い、that節をつけました。
 
この that が、ややこしいです。代名詞の that なのか、指示語の「あれ」なのか、関係詞なのか…といろいろな that があります。
 
今回は、同格の that で、後ろから belief という名詞を修飾しています。

the belief that he is in some way indispensable to the panda

that の後ろを見ると、he(S') is(V') … indispensable(C') と第二文型ができていますから、節を導ける that でなければなりません。関係詞かと思うと、後ろに主格や目的格の欠落が起きていません。ですので、関係詞ではありません。
 
so … that 構文かと思っても、so はありません。実はこの that は、同格の that になります。同格のthat のときは、関係詞とちがって、節中で主格や目的格の欠落が起きないので、自然と意味がとれないときには、文法的に探ってみるのも良いかと思います。
 
さらに、同格の that については、「名詞 that ~」という形で、前の名詞の内容を後ろから詳しく述べるということを押さえておくと役に立つかと思います。「~という名詞」と訳すと、うまく内容が通じるときが多いかと思います。
 
名詞だけだと、漠然としていて、聞き手(読者)に内容がうまく伝わらなそうなときに、詳しく内容を述べることができます。そのため、抽象名詞を後ろから詳しく述べるときに使われることが多いです。
 
belief(信念)といっても、いろいろな信念があります。サッカーのワールドカップで優勝するという選手の信念など、さまざまな信念があります。
 
そこで、同格の that 節を使って、「~という信念」と詳しく述べるわけです。この「~」に当たる内容が、「he is in some way indispensable to the panda」です。
 
重要表現の「S be indispensable to A」(S(主語)は A にとってなくてはならないものである/必要不可欠である)という意味になります。
 
副詞句の in some way(何らかの点において)が、非ネイティブにとって読みにくいであろうと私が思う位置に置いてみました。
 
way には「道や方法」という意味もありますが、「自分がパンダにとって必要不可欠な存在」というような抽象的・観念的な内容につなげるときには、way「点」で訳をつけておくと、うまく意味が通るかと思います。
 
結構、複雑な内容になりました。実際に実用的な英語でも、社会人のネイティブの方は、後ろにどんどんと関係詞や同格や前置詞の固まりなどをつけて詳しく内容を飾ることがあるそうです。
 
そのため、時折、敢えて複雑な英文に触れてみるのも良いかと思う次第です。


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