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感動を共有したい四十路映画記録 #0011「ちょっと思い出しただけ」

ネタバレが苦手(私も同じです)な方は閲覧を控えていただき、作品を楽しみにされている方は、是非、その作品をご覧になってから、私の感想にコメントを寄せてくだされば嬉しいです。もちろん、記事を途中まで読んだうえで、作品に臨んでいただいてもいいです。
(使用可能なものを検索して写真を使わせていただいております。)

私の中で気にはなってたシリーズ。もともと、出演されている池松壮亮さんが醸す雰囲気も人柄も好きなんだが、伊藤沙莉さんをはじめ、出演されている脇役も好きな方が多い。


大ネタバレです。

「ナイトオンザプラネット」のコーキー(ウィノナ・ライダー)ばりの日常を送るタクシー運転手のよう(伊藤沙莉)と、舞台照明スタッフのバイトをしている照生てるお。どこかですれ違っているかもしれないような、ふたりのそれぞれの人生。

いつも同じ時間に起き、ラジオ体操をしたら家を出て、同じ階段を降り、同じお地蔵様にお辞儀をし、横切る公園では同じ人に挨拶をして、仕事に向かう。彼は自分の人生に満足しているだろうか。いっぽうも自分の仕事をそれなりに満足しているように見える。乗り込んでくる客の質問にあけすけなく応え、気持ちよく帰ってもらおうと心掛ける。ふたりのそれぞれの人生がどのように絡むのか、交錯するのか。正直、今後交わるように見えない。

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人生はおそらく辿り着くべくして辿り着いた現在なのだろうと思う。どんな人間でもそう思わされるような脚本と演技と演出。私はただのファンで、演技なんて出来ませんが、この作品こそ自然、出演されている俳優陣の演技こそが自然なものであり、日常を描き切られた作品だと感じました。世に溢れる「等身大」を謳う作品って本当の意味で等身大なのかと思えるほど。

また、幸せも絶望も、例えば同じ出来事は人によって価値が違う。けれど、幸せである、絶望的である、そう受け取ることのできる、共感覚を誰しも持ち合わせているなら、瞬間的な幸せも絶望も、出会いも全て純粋にそう思えるはず。その「思い出」を大事にしていいし、その「相手の幸せ」を素直に願う感情の大事さ、普通さを思い起こされました。


あらすじ紹介の文章、ネタバレが過ぎるのでひと文字も読まないで欲しいです。

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