ひらめき天才少女と全力少年の日常③(小説モドキ)
その時にナツは足を止め、ユウトにいる方へ体を向ける。
満面の笑みを浮かべながら…
『そんなことなら、早く言えよ』
とユウトの足にローキックをくらわせる。
『いてぇ!?ナツ、てめぇ何すんだ!』
そんなユウトの声をよそに、ナツはテーブルのイスに腰を下ろすと、店員にこういった。
『パフェをもう1つ』
足を痛がりつつも、テーブルの側にあるイスに腰を下ろしたユウト。
『で、要件は?』
そうナツが聞くと、ユウトは話を始めた。
『実は、俺の友人がとある事件に巻き込まれたんだ』
その瞬間、口の中にパフェの中にあった最後のイチゴを入れようとしたナツの手が止まった。
『その話、詳しく聞かせて』
その一言をきっかけに話が進み始めた。
話は、1ヶ月前までさかのぼる。
ユウトの友人で、1つ下の後輩(高校3年生)であるシンという男性が、自身が参加している野球の部活で、部室内のボールなどの道具を盗んだ犯人にされているとのこと。
詳しく聞くと、毎回、学校が休みの日の翌日に道具が少しずつなくなっているらしい。
なぜ、シンが犯人扱いされているのか?
それは、部室の戸締まり係がそのシンという男性らしいのだ。
『あいつは、ものすごく練習熱心な上に、曲がったことが嫌いなやつなんだ。そんなやつが、こういったことをするとはどうしても思えない』
『なるほど』とナツがつぶやく。
『まずは、そのシンっていう男の子から話を聞く必要がありそうね』
真剣な顔つきになったナツは、この案件について解決するための糸口を考え始めていた。
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