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荒れる会議には他人を。

20221024

月曜日



午後。

 公式から支給されたマークなのに低画質の画像しかない件。


 数ヶ月前、とある県章マークを使う新規が入って来た。
マークの支給があったが、それもネットの画像で印刷に使えたもんじゃなかった。
印刷が小さいならともかく、かなり大きい印刷だったので画質の低さがモロに出ていた。

しかしそれしかないというので配置。お客さんに提出した。


 なんだかこのまま校了しちゃいそうな予感がしたので、わたしは時間を見つけてはネットを漁った。

すると、公式ではないものの、誰かが作ってくれていたパス情報のあるデータを見つけた。しかも無料。

支給画像と形が少しだけ違ったのでちょっと手を加えたけど、
いざという時はこれで対応してもいいかな、とデータを持ったまま返事を待つこと数ヶ月、
今日やっと返信が来たのだ。


「やはり某県様はAIやDXFデータも持ってないとのことです」

本当か?県章やぞ。
公式が自分の所のロゴをネットから拾ってくるって……。


こちらもネットで拾った物を見せると、これで行こうとなった。
拾っといてなんだけど、大丈夫かよ。



16時。

 わたしの仕事は切りが付き、隣の加工部門の応援に行くと、食堂で会議しているのが見えた。

先週の型間違えの件で集まっているらしい。
殿(社長)に関係者全員で話し合え!と言われたからだと。
流石にお粗末過ぎたもんな。


 型間違えの件というのは、プレスをやってる天気娘(ウェザーガール)が製品番号の確認を面倒くさがって新しい型に「旧」、捨てる型に「新」と書き、
書き間違えに気が付かないまま「新」の型で抜いたら寸法が違うとお客さんから不具合報告が来た件のこと。

その翌日に発覚した醤油おじさんの型間違えについてはまた別件で、今回は天気娘の件で集まっていた。


 どうやら加工部門のNやOやボスも関係者認定されて会議に入っているらしく、
パートさん達がまだ出てこないよとざわざわしている。



会議は16時半に終わった。
1時間くらいのつもりが1時間半かかったと言っていた。
醤油おじさん(天気娘の上司)が暴れたのかな。

製品番号の確認を確実にやる癖を付ける方法が見つからなかったのか?




 会議の内容はこうだった。

醤油おじさん「営業が悪い」

旧型も取っておけと言うからこうなったんだと。
営業のペロリは新しい型が来たら処分してと指示したつもりが、
天気娘には「旧型も捨てないで」と聞こえていた。

それすら天気娘の勘違いだと教えても、
もうこの主張でしか責任を押し付ける道はないから、
「天気娘の聞き間違え」という都合の悪いワードだけが聞こえない耳になっている。

「間違いを誘発した営業が悪い」
そう自信満々に主張して長引いたらしい。

 ちなみに、途中からのサイズ変更なんてごまんとある。
残念ながら、うちの作業者は何から何までお世話してあげないとミスした時に「お世話が足りていない!」と暴れる人が何人もいる。

どうしてそんな思考なのかは、元々の生き方や性格もあるが、それを殿が助長させている。

殿も「営業のペロリと業務窓口(営業補佐)のNにも責任がある」と言っているらしい。
醤油おじさんと意味は違うが。

「ペロリかNがちゃんと型を処分したのを確認していないから起こった事だ」と。
だから醤油おじさんと天気娘は「そりゃそうだ」と自信を持って責任転嫁が出来る。
心強い後ろ盾があるから。

ぶっちゃけ殿は、醤油おじさんと天気娘の事を信用していない。
だからこうなる。
殿は誰にしわ寄せするかをすぐに名指しして巻き込む。それは他部署から選出されることもあるし、森の中に木を隠すように大勢を巻き込むこともある。
デザインの善し悪しは優柔不断だが、そういう決断は早い。弊社の経営者である。
経営者はその方が安心するし楽なのだ。


 他責的なタイプにはこれは大変有り難い後ろ盾になり、これが「殿は現場(大型の機械を扱う部門のこと)には甘い」と言われる由縁だ。

今回のも、起こるべくして起こったミス。


 結果的に、対策は型の製品番号を二人体制でチェックし合うということに落ち着いたらしい。
天気娘と部下のチャイナで。
醤油おじさんは常に「俺は関係ない」ので無視。

ちゃんと話し合えてたんだな。
軌道修正的な意味でも他人を入れるのは重要ってことだあね。

そもそも最初の一枚くらい寸法を測れ。

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