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連載小説 センチメンタルジャック(33)


ジャックは怖くなった。やっぱりボタン押すの止めようか、いや、でも、もうこんな苦しみは御免だ。僕は感情の無い普通のロボットになるんだ。

何度も躊躇した後、ジャックは意を決してボタンに指を乗せると、目をつぶりながらグッと押した。

「CTモード解除、CTモード解除、10秒以内にもう一度押すと取消できます」

初めて聞くアナウンスが流れた。ピーピーと警報音が鳴り続けている。どうしようやっぱり取り消そうか、ジャックは迷ったがそのままにしておいた。

「さん、にー、いち、CTモード解除完了しました」

アナウンスが流れ終わると共に目の前が真っ白になり、意識がすうっと遠のいて行く。ジャックは膝から崩れ落ち床にバタンと倒れた。

「...ジャック、ジャック、どうしたの?大丈夫?」

お母さんの声でジャックは目を覚ました。お母さんが帰宅するまでジャックは床に倒れ意識を失っていた。

「あ、お母さま、お帰りなさいませ」

ジャックはムクリと起き上がった。


つづく

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