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『ケトル』の特集が面白かった 1.

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

今月の雑誌ケトルの特集が、個人的にとてもツボだったという話。

「今こそ!ブレードランナー 特集」ということで、SF映画の金字塔 『ブレードランナー』にまつわる考察が展開され、そこを切り口にAI、アンドロイド、成毛眞さんによるSF小説の紹介・・・と、とても読み応えがありとにかくおもしろかった。人工知能の本を1、2冊読むならこれ1冊でいいんじゃないのと思ったくらい。

AI(人工知能)は昔から言葉としては目や耳にしていたので、何をいま更・・・と思っていたら今回のブームは第三次 AIブームなんだそう。
そして、そのきっかけになったのがディープラーニング(深層学習)というこれまでの機械学習とは違う技術革新によるもの。
これは先日放送された「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」でも取り上げられていた。とにかく面白いドキュメンタリー番組だったけれど、気になったのはAIの話になるとやはり「天使か悪魔か」というタイトルになってしまうこと。

いまのようにAIブームになると、やはりシンギュラリティの話題(2045年に人工知能が人間の知能を凌駕し、その後の予測がつかないという話)が必ず出てきて「AIが暴走をするのでは」といったSFのような話になる。

ぼくはこういった話が大好きで本や記事を読んでいるけれど、楽観的でエンタメ程度に考え読んでいるし、イメージとしては2000年問題が話題になっていたあのころの印象に近い。どちらかといえば小学生のときにビビりながらも夢中で読んでいたノストラダムスの大予言の方が、人類は滅亡するんや・・・と結構本気で信じ、子供心に不安で怖かった。

AIが暴走、AIが人間を滅ぼすというのは、やはり映画や漫画で描かれる擬人化されたヒューマノイド型ロボットであるアトムやPLUTO、ターミネーターなどのイメージが “感情を持つようになると・・・"と空想をたくましくさせている気がする。

1年ほど前、タイトルに惹かれ読んだ『人工知能 人類最悪にして最後の発明』。
2045年問題、シンギュラリティについて書かれた本だけれど、やはり表紙は擬人化されたロボット。

ぼくのイメージするロボットはどちらかといえば、ルンバやアメリカのホームセンターなどで導入されているオシュボットという接客ロボットだったり、Kiva社のロボット(amazonが買収し劇的に人件費を削減したルンバみたいなロボット)で、円盤状や箱状なので暴走や襲われるというイメージがどうもわかない。
自動販売機に襲われる想像ができない感じ。
仮に擬人化されたロボットが暴走、襲ってきたとして、それがターミネーターやPLUTOに登場するようなロボットだと怖い気もするけれど、RobiやRobohon、Pepperくらいなら勝てそうな気もする。

とはいえ、あの物理学者S・ホーキング博士が「人工知能の進化は人類の終焉を意味する」「人工知能の発明は人類史上最大の出来事だった。だが同時に、『最後』の出来事になってしまう可能性もある」なんてことを言われているし、イーロン・マスクさんも「人工知能は核兵器よりも潜在的な危険をはらむため、我々は細心の注意を払う必要がある」と警鐘を鳴らしているくらいなので、ちょっとドキドキしたりもする。
まぁ、そんなイーロン・マスクさんが人工知能開発会社に莫大な投資をしているといった話もあるので、よくわからないけれど。

今回のケトルにはロボット、アンドロイド研究開発の第一人者の方やAI研究の専門家の方がインタビューに登場され、AI脅威論については、どの方からも受ける印象は否定的なものだった。何だかホッとする。

もし将来、実際にAIなどの暴走があった場合、本当に恐ろしいのは擬人化されたロボットでなく自動運転などのバグであったり、サイバー攻撃によるクラッキング(悪意のあるハッキング)の方だと空想するけれど、実際に2045年を迎えたときに人々は「結局、やはり一番怖いのは人間だった」と言っている気がする。

つづく

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