さて、レーガノミクスの話の続きである。
なので、
経済とか、興味ねぇわ
という人は、ぼくの駄文で貴重な時間を奪うのも心苦しいので、別の方のnoteへ移動していただくことをオススメする。
結果的にレーガノミクスは成功と失敗の両面があったようだけれど、双子の赤字が解消せず大きく増加してしまったのは、明らかな失敗だった。
だからレーガノミクスを真似たアベノミクスはダメだ、という声もあるけれど、これは少し短絡的な気がする。
そもそもアベノミクスは、経済政策の呼称を模しただけで結構中身が違う。日米それぞれの経済状況、背景が違うのだから、これは当然のことだとも思う。
インフレ収束が一つの目的であったレーガン政権に対し、デフレ脱却を目指したのが安倍政権だった。だから「通貨供給量の抑制」を施したレーガノミクスに対し、アベノミクスは市場に大量の通貨を供給するという異次元の金融緩和政策を採った。
政策の中には、「民間の規制緩和をすることで生産性を向上させる」といった似ている部分もあるけれど、金融政策については当然正反対のものになった。
その結果、どうなったのか
レーガノミクスは、インフレ抑制のために金融引き締めをしたドルが急激なドル高になったことで貿易赤字は拡大し、また他にも大幅な減税を施したことで財政赤字も増え、結果的に「双子の赤字」がかえって増加することになった。
述べるまでもなく、レーガノミクスの失敗した負の側面である。
一方、正反対の金融政策を採ったアベノミクスは定説通り円安・株高が進み、これによって輸出業である大企業と一部投資家は潤うことになった。この時点で大企業、富裕層、準富裕層以外の一般的なマス層は恩恵を受けていない。
ニュースでは景気が良いと言っているけれど、実感が湧かない。と、多くの人が言っていたあの状態である。
もちろん、ここで終わらせようと考えるほど政府も鬼じゃないだろうから、政府やそれに助言をされていたスーパー賢い経済学者の方たちは、おそらくこう考えられた。
金融緩和によって通貨供給量を増やす → 円安が進む → 輸出コストが下がるので輸出量が増加する → 貿易黒字になる → 貿易黒字で獲得した外貨を企業が日本に戻す → 外貨が円になるので円高になる → 景気が良くなりマス層まで恩恵を受けることができるようになる
ところが、ここで彼らにとっては誤算が生じたのだと思う。
円安に誘導することで期待された貿易収支は改善されるどころか、悪化することになった。
いやぁ、やはり経済は魔物だわ。
つづく
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