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“コンサルタント“ って、なんですか 9.

ぼくはプロ経営者と呼ばれる方々に尊敬と共に畏敬の念さえ抱いているので、無論 「作れもしないくせに」「現場も知らないくせに」「自分は、やらないくせに」といった感情が芽生えることがまずない。

仮に、コンサルタントを専門家という意味で「経営のプロ」と定義したとする(ぼくの認識で間違ってはいないと思う)。
スケールは違えど似たようなスタンス、職種であるのに何故、コンサルタントに対しては現場の人たちから作れもしないくせに、といった嫌悪感を抱かれるのか。

プロ経営者とそうでない経営者に分けると恐らく後者が多いに違いない。
中小企業の中にもプロ経営者はおられるけれど、日本の企業は中小零細企業が99%以上を占めるそうだから、これに個人事業まで加えるとプロでない経営者の方が圧倒的に多いのだと思う。

考えてみれば、食べもの屋さんのオーナーシェフにしても経営者兼料理長(料理に限定されるものではないけれど)という兼業経営者であって、プロ経営者に含まれるとも思えない。
ぼくもそうだけれど、そもそも食べもの屋さんの多くは「職人になろう」「将来、店をやりたい」と思うことはあっても「将来、経営者になろう」と、はじめる人は恐らく少数派で、成り行きで結果として経営者になった人が大半かと思う。

実際、昔に比べ減ってはいるだろうけれど職人気質が強くどんぶり勘定でお店をされている人がいまでも多いのが現実だろうし、そういったお店が経営に行き詰まり困っている事例は、きっと枚挙にいとまがない。
そう考えると現場の多くが抱える課題は経営の部分で、そこが一番コンサル需要が大きいところだと個人的には思うし、もしぼくがコンサルタントを目指している人間だったとしたら、そこに一番力を入れて勉強をするに違いない。

特に若そうなコンサルタントの書かれているものの多くは、集客を中心とした文言が多い印象を受けるけれど(SNS活用云々とか、Google口コミ集客云々とか)、率直に・・・いや、もうぶっちゃけると「食べもの屋さんが、それくらい自分の頭で考えなくてどうする」というのが、ぼくの本音だったりする。

「いや、いや、いま現場が一番困っている課題は、人材不足ですよ」という意見もきっとある。こちらは「ごもっとも」と、答えに窮するほどぼく自身実感していた深刻な課題でもある。

コンサルタントの中にも謳い文句の一つに、こういった人材確保を書かれている人もいるけれど、これこそそんな魔法があるとは俄かに信じ難い。というより正直ぼくはその程度をまったく信じていない。
そんな取ってつけたような謳い文句の人に依頼するくらいなら、やはりぼくは「経営のプロ」であるコンサルタントに依頼をする。
その理由は、「人材確保のお手伝いを」と直接的なことを書いている人よりも、一見畑違いに思える経営畑の人の方が課題解決をできる可能性があると思っているから。

つづく

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