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最近のケーキ屋さん、めっちゃ美味しいな

先日、久しぶりにケーキ屋さんに行った。

昨年の12月にオープンされたばかりの、まだ新しいお店。

CAKE ケーキ TAGUタグさん

店内は白とパステルカラーの水色を基調としたシンプルな内装で、主役であるケーキが並ぶショーケースへと自然に視線がいく。

種類はそれほど多くなかったと思うけれど、今どきな洗練された美味しそうなケーキが並んでいた。ショーケースを覗き、ケーキを選ぶときのあの高揚感はやはりコンビニでは体験できないものがある。
後になって全種類買えばよかったと後悔したけれど、結局7種類のケーキを買って大切に持ち帰りいただいた。

ぼくが子供のころは、あそこの〇〇は不味い、あそこの〇〇屋さんは不味いだの言っていたように昔は不味いと思うお店が実際にあった。
ところが今の時代、何屋さんであっても不味いお店を探す方が難しいほど日本の食はレベルが高く、それが安価なものであっても価格相応かそれ以上に美味しい印象がぼくにはある。

キルフェボンさんから学んだこと

上述したものがもう何年も前のことだから、それからさらに世の中の食べものがレベルアップしていることを考えれば、美味しいことは食べる前から容易に想像がついた。
贅沢な話だけれど今の時代、ケーキに限らず美味しいなぁ、というのは想像の範囲内で、そこを超えるものに巡り合ったときにぼくなんかは「すごいなぁ」という感想になる。
このCAKE TAGUさんは、まさに後者だった。期待を裏切らないどころか期待以上の美味しさで、どれを選んでも間違いなかったのだろうと思う。

丹精込めて作られているのはもちろんのこと、素材のコントラスト、上品な甘み、口溶けの良さ、香り、マリアージュとか、「コクがあるのに、キレがある」というビールのコピーや山岡士郎や海原雄山の言いそうな感想はいくらでも出てきそうだけれど、それはさておきシンプルにめっちゃ美味しかった。

ケーキそのものもシンプルに見えるけれど絶妙な酸味のバランスなど味や食感が飽きないよう工夫がされていて、シェフや職人さんの技術の高さはもちろん、意図を持って作られていることがとてもよくわかる。
ものすごく計算されているのを感じるし、つまりそれは凝っているということなんだけれど、それでいて決して作り手の独りよがりでもない。だから素直に美味しいと感じるし、すごいなぁ、と。
美味しいケーキを食べたというよりも「食べものとして、美味しいものをいただいた」という印象だった。

一昔前から思うとケーキの価格も随分と高くなった。
東京価格だと思っていたものが、今では地方の価格になっている(ということは、東京はさらに高くなっている)。
けれど、現在の人件費や材料費高騰を考えれば仕方がないし、何もこれはケーキ屋さんに限った話でもない。だから値上げは正しいことだと思うし、お客さん側もそう捉えられているだろうけれど今のケーキ屋さんのレベルを鑑みれば、その理由が職人さんの技術料だったとしても個人的にはとても納得ができる。
それぐらい現在の技術は高く、価格以上の価値があると感じる。

ちなみにCAKE TAGUさんは、今どきのケーキ屋さんにしては良心的な価格設定にされている印象だった。京都の西院という場所柄なのかな。

今回はCAKE TAGUさんだったけれど、他のケーキ屋さんも若い方が営んでられるような今どきのお店は、きっとこういったレベルなんだろうなぁ、と想像する。
やはり特筆するべきは昨今の価格のことでなく、その秀逸な技術の進化だと思う。
物価高で価格ばかりが注目されがちだけれど、職人さんによる繊細で専門的なケーキは美味しいのその先まで進んでいますよ、きっと。


CAKE TAGU(ケーキ タグ)
京都市右京区西院巽町13
定休日 水曜日
075-925-6840

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