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使ってみた。 『連結ドーナツ抜き型』 中編

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

パン屋さん時代に考えたこと、やってみたこと、使ったもの 29.

お店を独立開業するとき、稀に自分で改装工事までされる方もおられるけれど、基本的にはプロの方に依頼することになる。
改装工事期間は規模などにもよるけれど大抵1〜2ヶ月間ほどで、依頼した人はこの間、他の開業準備や視察をしたり余裕のある人は旅行へ行かれる人もいれば、工事中の現場へ通う人もいる。

ぼくは完全に後者のタイプで、職人さんたちへ差し入れをする以外に特にすることもないけれど、店づくりそのものが大好きなのと異業種の職人さん、プロの仕事を見るのが好きなので改装工事期間もほぼ毎日通っていた(残念ながら商業施設の場合は、これができない)。

工事は現場監督を筆頭に左官屋さん、設備屋さん、電気屋さん、ペンキ屋さん、ガラス屋さん、大工さん、家具屋さん、ステンレス屋さん・・・と、それぞれのプロである職人さんたちが集まり店をつくってもらうことになる。
職人さんたちが使用される材料は既製品のものも多いけれど、特に装飾部分などは一から材料を曲げたり溶接したりと加工して作るものも多い。
ずっと彼らの仕事を見ていて、その後も折に触れて思うことがあった。

この人たちなら、何でも作ってもらえそうやな

抜き型を何個も溶接でつなげれば、きっと一度にドーナツが抜けるに違いない。
それなら店をつくったときの職人さんにお願いをしてみよう。
そう思ったぼくは抜き型18個を買い、「試しに3連結のものと15連結(3×5)のものを作って欲しい」と職人さんにお願いをした。

完成した試作の抜き型が届き、試してみることに。
ドーナツ生地の上に連結型をのせ上から力一杯押さえてみたけれど、結果は「残念」の一言だった。
人の力で押さえたところでほとんど生地は切れず、切れている部分とそうでない部分も出てくる。

これなら、これまで通り1個ずつ抜いた方がまだ早い。

つづく


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