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迂闊だった 「はい」

いや〜、昨日の相場はすごかった。大暴落もそうだけれどスピードがすごくて、さすがに引いた。

相場はパニック状態で、Xのトレンドには「日経平均株価」「ストップ安」「パニック売り」「植田ショック」「個人投資家」「株価下落」「三菱UFJ」などの文字が並ぶ。

そりゃ、そうなるわ

おそらく退場者も続出だったと思うけれど、新NISAの人たちは大丈夫だったかな。
もちろんぼくも喰らったけれど、最近はほとんど放置なのと現物だけなので、このまま放っておけば大丈夫だと思っている。早速、今朝から日経平均株価は10%以上戻しているし、ぼくの個別の中には、すでにプラスに戻しているものもある。
とはいえ、あれだけの暴落だったので、まだまだ下落の可能性もあるから投資をしている人は落ち着いて冷静に対処しましょう。

それにしても、日銀というよりも植田総裁の擁護とか、バブル崩壊について述べたいと思っていたけれど、ちょっと展開が早すぎて追いつかないなぁ。

とにかく昨日は急激な大暴落だったので、特に投資を始めて日の浅い人は、なぜ?と思われた人も多かったんじゃないかな。
どのニュースを見ても「米国の景気後退懸念」「日銀の利上げによる円高の進行」と言っていた。その通りなんだけれど、それにしてもザックリ過ぎる気がするので、ぼくの知る限りの経緯と認識を述べてみる。あくまでも私見ね。

まず、4月26日に開かれた日銀金融政策決定会合の後、植田総裁は定例の記者会見で、記者から「基調的な物価上昇率への影響は無視できる範囲だったという認識でよいか」と問われ、「はい」と答えてしまった。
ぼくはこの定例会見をいつも見ているけれど、この「はい」には、吉本新喜劇のようにコケそうになった。
この時期は一方的に円安が進行し、物価高によって国民の多くから悲痛な声が挙がっている真っ只中である。

記者の質問を要約すると、「円安によって物価高になっているけれど放っておいていいの?」ということなんだけれど、これに対して「はい」と。
当然、ネットやメディアでは、植田総裁のこの発言に対する非難轟々の大合唱が起きた。

そりゃ、みんな怒るわ、と思うけれど、これって誤解だったんじゃないかなぁ、とぼくは思っている。学者さんらしいというか、正直というか、日銀総裁に就任されて間もなく、慣れてられないこともあっただろうし、植田総裁の本意とは違う意味で伝わってしまったんじゃないかな。
「はい」の一言で片付けてしまったのは言葉足らずで迂闊だったし、もう少し上手く丁寧に説明をされれば良かったのに、と思えてならない。

この時、トレーダーや円キャリーをしている投機筋などは、進み過ぎた円安から「そろそろ為替介入があるのではないか」「利上げに触れるのではないか」と警戒をしていたと思う。そこへこの発言だから、いわば日銀が「円安は無視できる」「円安は放置します」と市場に宣言、お墨付きを与えたに等しかった。

安心してください、利上げしませんよ、と(いや、そうは言ってない)。

案の定、この発言を受けキャリートレードも加速し、さらに市場は円安が一気に進行した。そして慌てたであろう財務省が29日、1ドル・160円を超えたところで為替介入を実施をすることになる。

つづく



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