怒らなくなった若者たちは本当に賢いのか

最近の人は怒らなくなった。
しかし、怒らないことが実害をこうむっているのではないかというシーンに、最近よく出くわす。



怒らない世代

世の中全体に流行の潮流を作り出すことが難しくなった時代だ。



世代という言葉で一括りにすることの妥当性に疑問がある人も多いだろう。



しかし、生きているとどうも世代差というのが割とあるような気がしていて、


特に今年34歳の代であるが、


飲み会、パワハラ、ジェンダー、その他色々なことに対して、自分が世代感覚の過渡期にいるような感覚を覚えることが多い。


怒る、に対しても、自分より少し上の代、今40歳半ば〜上と、



自分より下の代、今の10代20代では、まるっきり感覚が違うように思う。



40代より上は、割と怒るというか、


さらに上の世代の理不尽な暴力を見てきただろうから、どちらかと言えば義憤や正義のために、


怒る時はしっかり怒る人が多いように感じていて、



僕より下の世代は怒るという選択肢がそもそもない、みたいな感じで、


理性的に対処するか、判断を諦めてしまう人が多い気がする。



僕自身も基本的に穏和なので、あんまりことを荒立てたりはしないが、しかし思っていることがある。



あなたの権利が侵害されても怒らないのか

こんなシチュエーションを考える。


あなたはクライアントと2人きりで、とある仕事に現場に来た。



現場に来ると、お客さんから思わぬことを言われる。


「これが終わったら次はこの仕事もやってください」


見ると、クライアント1人では到底処理できないような作業で、あなたがやらなければクライアントが困ることは目に見えている。


しかしながら、当然契約外の仕事内容であり、かつ本来ならそれ専用の業者なりなんなりを呼ぶ必要があって、



そのようにすればお金がかかるのだが、それをやってあげればそのぶんお金も浮くし、


ということであなたに仕事を頼んでいる可能性が透けて見える。。。



おおよそこういう時、そのクライアントの依頼を突っぱねる人というのは少ないのではないだろうか。



こういう時、怒る必要性がありはしないかと、僕は考えている。



巡り巡って自分の首を絞める

僕は本業が職人なので、自分の仕事に誇りを持って頑張る一方で、


専門外の仕事をついでにやってくれ、とヘラヘラ頼んできたり、最初の契約と違う業務、残業をお願いされたりする時に、


よほどの関係性を築いていないかぎり、怒るようにしている。



それは、職人であるからということが大きい部分もあるかもしれないが、



しかしながら自分の価値を下げる行為、



そしてそういう行為が蔓延して、当たり前になってしまったことが、



今建設業で職人の立場が弱くなってしまった遠因の一つなんじゃないかと思っている。



そのような、自分の価値を、業界で頑張る仲間たちを下げて見ている人に、毅然とした態度でいること、



時にはその傲慢さに怒り、反発することは、



同じ怒るでも、無駄なエネルギーだとは僕は思わない。



そのようなエネルギーの持ち方というのは、どこかで必要になるはずだから、



怒りを単一的な見方で嫌悪するのではなく、



おなかの引き出しの一番下に忘れずにしまっておいてほしいなあなんて思った次第でした。

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