宝本 いつみ|Takaramoto Itsumi

宝本 いつみ|Takaramoto Itsumi

最近の記事

私を引きとめるモノ

グイッと引き戻された。 電車に乗ろうと立ち上がった時だった。 リュックの紐がイスの隙間に落ちて引っかかり、私の身体を引き止めたかたちになっていた。 ドキッとした。 びっくりしたというより、雲がかかるような、嫌な予感みたいなもの。 「何か大事なことを見落としている」と直感した。 電車に乗りながらイメージでワークしてみる。 引き止めた側に立って、自分を引き止めてみる。 吸い込まれるように一気に変わる体感。 それは自分だった。自分を引き止める自分。何もない振りをしないで、ここ

    • 息をのむ。

      そんな自然に出会ってしまって、しばらく心を奪われている気がする。 和歌山の那智勝浦の方へ行って、大阪に帰る時に奈良の十津川村を車で縦断した(ただ通ったってだけだけど)。うまれて初めて十津川村に足を踏み入れて、その自然の深さに驚いた。 (那智勝浦の自然も良かったし、熊野那智大社の杉もすごかった。だけど、十津川の自然がどうも気になる) 秘境とも呼ばれているらしい、その土地には、渓谷がずーっと続いていて、なんとも言えない緑色で青色の河は巨大な生き物のように曲がりくねっていた。飲

      • こみあげるものの理由

        つかめそうで、つかめなかった。 私の身体を通して、こみあげてきたものの正体と、理由。 朝の光。ツンとした空気。昨日の雨の足跡。世界がキラキラしている。 通勤に時間をかける生活。 最後の道のりは、駅から職場までの河川敷を歩く。 「悪くないな」と思う。そして、最後の道のりは好きだ。 通勤する人たち、通学する人たち、風にゆれる草花、鳥たち。 「今日もあの人は下がり眉毛だな」 「今日はあの人とここですれ違った」 「やっぱりあの人はいつも笑顔だな」 「あ、花が変わってる、おはよ

        • 【期間限定】セッション&ファシリテートさせてください!【個人的修行企画】

          >>現在は「テーマ」別、1on1セッションに限って募集しています。   (2024.2.19) 【もくじ】 ① 企画への想い ② お願いされたいセッション・ファシリテート内容 ・個人セッション ・関係性セッション(ペア) ・対話を通したチーム&コミュニティの関係性を深める場づくり ① 企画への想い 感情と関係性を扱えるファシリテーターになる! 「どうすれば世界は良くなるのか」という問いとともに生きてきた結果、ここに導かれました。 大きく言えば世界平和を実現したいからなん

          一枚の落ち葉が教えようとしてくれていること

          何かものを書く時に感じる、「意味のあること」や「価値のあること」を書かなければいけないのではないか、という切迫感のようなもの。ずいぶんと(というよりは当たり前に)、現代の生産性第一!みたいなヤツに自分も絡みとられているなと思う。表現したいと思った衝動に意味を持たせず、ただ書いてみることに身を委ねても誰も何もいいやしないのに。 自分の「書いてみたい」の奥には何があるんだろうか。なんとなく、今あるのは「感じる」ということにスペースと奥行きを与えたいような感じがある。なんとなく。

          一枚の落ち葉が教えようとしてくれていること

          屋久島と。

          2023年10月、屋久島を訪れた。10年ぶりだった。 前に来た時は、大学時代の友人たちとの旅だった。その中に『もののけ姫』が大好きな友達がいて、白谷雲水峡(別名、もののけの森。映画『もののけ姫』の舞台になった場所)で映画の音楽を流したりしたっけ。それほど、もののけ姫が好きだった。そして、苔や森も。その昔、何度も映画を観すぎて、セリフをだいたい覚えてしまうくらいに。 何かに惹かれる、ということの理由は分からないことが多い。ただ、惹かれるのだ。それは、きっと人生の羅針盤なんだと