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【結婚を考えている人へ】結婚の価値とは自分で決めること

「先輩、今付き合っている人との結婚を考えてるんですけど……実は迷ってまして。結婚っていいと思いますか?」

ある日、後輩にこう聞かれとしたら、あなたならどう答えるだろうか?

「知るかよ、そんな。お前の人生だろ?」

「独身のオレにそんなこと聞くか?」

こう反応する人もいるだろう。もしくは、

「結婚?そんなに悪いもんじゃないよ」

だったり、

「まず結婚を考えられるような人に出会えたことは素晴らしいよ。おめでとう。でも結婚してもいいか悪いかなんて、してみないことにはわからなかったりしない? 君がその人と本気で結婚したいならすればいいんじゃないかな?」

と答える人もあるだろう。

結婚観というのは人それぞれなのだし、それでいいのだと私なんかは思う。

結婚3年のヒヨッ子である私が偉そうに結婚を語るのはおこがましい限りだろうが、したければすればいいし、したくなければ別に無理しなくていいというのが持論だ。

だが、このケースでいう後輩くんにそういうと、彼(彼女)はこう言ってくることがあったりする。

「ぶっちゃけ結婚ってそんなにいいもんですかね? どうですか?」

「う〜ん……」とこっちはなる。

この人は結婚に対して一体何を求めているのだろう?と思う。

よくよく後輩に聞いてみると、彼(彼女)は結婚することで「縛られる」と思っている節があることに気づいた。

この気持ちには私も心当たりがある。

というのも私自身、結婚する35歳までは結婚に対して正直「する気がない」という側にいたのだった。

人生とはわからないものだ。

親には「この子(私のことだ)は結婚しないかもしれませんよ」と親戚に言われていた。

その頃は実家にいたのだが、30を過ぎて引きこもりに近い生活を送っていた私は、ただですら息がしづらい日々を送っていたりしたのだから、結婚なんて考えられるはずもなかったのだ。

それに独身でいることにあるに一種の安らぎすら感じていた。

結論から言うと、独身でいるのと、結婚するのとどちらが気楽か?と言えば、ぶっちゃけ独身でいる方が気楽だ。間違いなく。

では、結婚って何なのだろう? 結婚することに意味なんてあるの?ということについて今回は考えていきたい。

私としては結局、結婚という選択をしたが、本人たちが納得しているのであれば他の選択肢があってもいいというスタンスであることを初めに明かしておく。

結婚ってそんなにいいものなの?(って思う独身の方へ)

冒頭の後輩の発言に戻ろう。

「結婚ってそんなにいいもんなんですかね?」

これは、「私としては、今のところ後悔はない」と答える他ない。

なぜなら、私はこの後輩と結婚相手ではないのだし、彼(彼女)にとって結婚してよかった!のかどうかの判断は私にはできないのだから。

「結婚してみればわかるよ?」というのが本音であるし、また事実なのだ。

よく、「これでいいんですかね?」と質問してくる方がいるが、逆に「これでいいと心から思えないのはなんでだと思われますか?」と聞き返す。

するとこう言われる。

「うまくいく自信がないんです……」

「最初から自信なんてないんですよ、みんな」と私は答えている。

これは結婚生活に限ったことではない。よほどの自信家でない限り、何か新しいことに挑戦したことのある人なら誰しもが心に芽生える感情なのだ。

「大丈夫ですよ。結婚した後もうまくいくかなんてわからないながらに生きているんですから」

「そういうもんなんですかね〜」

「そういうもんなんじゃないですかね〜」

と会話は進んでいくことが多い。

結婚されている方はいかがでしょうか? きっと私などよりもっと巧みな回答をされるかもしれない。

人は得てして、結果が「わからない」ことに対して不安を抱きがちである。

自分も今やっていることがこの先どうなるかという不安がないこともない(実際、不安に思えば頭の中は不安だらけになる)。

だが、不安になってこれまでその不安が的中したのはどれくらいの率だろう?

9割くらいは外れているのではないか?とすら思われるのだが、いかがだろうか?

なーんだ!あんなに不安になって、バカみたいじゃないか!と振り返えってみてこう思われた方は私だけではないだろう。

将来を先回りして不安になったり心配してしまうのは、リスクヘッジのためにも仕方ないことなのかもしれないが、

現実はいい意味でもそうでない意味でも期待を裏切ることからも、思うようには運ばないものだ。

人生とはそういうものなのだ(偉そうにすみません)。

でも事実、そのように最初から期待せずに思っていると、随分と気が楽なものだ。

だとしたら、いっそ先回り不安はほどほどに、結婚にしたって、飛び込んでみればいいんじゃない?というのが私の意見だ。

他人事だと思って簡単に言うなよ〜って声が聞こえてきそうだが、

結婚すること自体はそんなもんなのだ、と思えれば、もう恐いもんなんてないだろう。

後ほど触れるが、

「結婚はゴールではない。始まりに過ぎないのだ(誰かが言った台詞)」

事実婚という考え方について(個人的な見解)

結婚という形式にこだわらなくてもいい選択をするカップルが増えてくるだろう。

事実婚もその考えに即している。

私も今の妻と同棲を始めて以降、個人的には事実婚でもいいのではないか?と思っていた(妻はそうは思っていなかったかもしれない)。

正直、結婚することは表面的には簡単だ。役所に婚姻届を出せばそれで済むのだから。あくまで法的には。

だが、実際はそれだけでは済まない。

結婚に付随した行事など、やることはいくらでも増やせてしまう。

挙式するとなると、それなりの準備が必要になるだろうし、なんだかんだでゴタゴタするのだろう。

私は、結婚とかいう形式に縛られることに興味がないというのか、そうしたことにこだわりのない人間だから、妻に自分の苗字を名乗らせることに対しても悪い気がどこかでしていた(結局、妻は私の苗字を名乗ってくれている)。

私たちの場合は授かり婚だったこともあり、息子の将来(めんどくさい思いをさせたくはないという気持ちもあり)を考えた上で出した答えだった。

だが、夫が妻の苗字に変えてもよかったわけだし、妻が夫の苗字を名乗らなければならない理由は本来ないはずだ。

私の妻は私の苗字を名乗ることに同意してくれたが、その後の苗字変更の手続きは面倒だったようで、そばで見ていた夫としてもなんだか申し訳ない気持ちになったのを憶えている。

会社の書類、各種公的書類、運転免許の書き換え……

役所にも書類の発行に妻の代わりに出向いたことがあったっけ(あまりにやることが多かったので、今では記憶が錯綜している)

正直、別姓でもいいと思っている(役所的には面倒なのだろうか?)。

いつだったか、選択的夫婦別姓の議論(継続中)が話題になったが、「選択的」であることに何の問題があるのか、個人的にはわからない。

私の息子の時代には、夫婦は手続き面にも実面でも対等であって欲しいと私は切に願っている。

結婚はともかく、離婚はさらに面倒らしい(離婚経験のある方いわく)。

別れることを最初から考えて一緒になるカップルなど少数だろうが、結婚することで面倒が増えることは確かである。

ライフイベントに損得なんてあってないようなもの

ここまでダラダラと結婚について述べてきたが、きっと「結婚ってめんどくさいんだな〜」と思われたに違いない。

そう、めんどくさいのだ。先ほどの後輩にもこう言った。

すると、

彼(彼女)は当然のごとくこう聞き返してきた。

「じゃあ、結婚することにメリットなんてあるんですか?」と。

私はこう答えた。

「君の考えで言ったらメリットなんてないよ。デメリットしかないかもしれない」

後輩が「じゃあ、なんで結婚したんですか?」と聞くのはわかっていたから、私は続ける。

結婚に限らずライフイベントに損得なんてないんだよね。『この人と結婚したらメリットありそう』だなんて考えてしまう相手とはやめておいたほうがいいかもね。

きっと誰と結婚してもそれなりに後悔をするし、失敗だと思うことすらあるかもしれない。

でも、そこから始まるんじゃない?結婚生活って。

結婚は初めから用意されているものではなくて、「築き上げるもの」だって言うじゃない?

ざっくりこんなことを偉そうに語った記憶がある。

しばらく経って、後輩の彼(このケースの場合)からこんな連絡が来た。

「結婚することに決めました。プロポーズしたいんですが、なんかアドバイスくれません?」

最後に

その後、私の後輩は結婚した。外野にとっても誠におめでたい話ではあるが、実際に幸せな結婚をしたかどうかは本人たちにしかわからない。

それも5年後、10年後の当人たちにわかることなのかもしれない。

とにかく、結婚の価値なんて、結婚した当人にしかわからないのだ。

要するに、当人同士が納得できるかどうか?が大事なのではないだろうか。

結婚したい気持ちがあるならば、一度してみればいい。

しなければ目にできない景色もあるのだから。

別にしたくなければしなければいい。

しない人にしか見えない景色もあるだろうから。

ただし、「結婚しなければ」的な見えない重圧が社会に広がることには個人的には嫌悪感を覚える。

結婚したい人はすればいいし、しないと選択した人にとっても生きやすい社会こそが求められていることに変わりはないのだから。

結婚を羨む必要がない社会がこの先にあればいいなとすら私は思っている。

(終)

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