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学生時代のセクマイ事情②



何故女の子は高校生になるといきなりかわいくなっていくんだろう。
僕にとっては永遠の謎。

中学まではせいぜいみんな、色付きリップだったり眉毛いじったりストパーかけたり、それくらいなのに、高校生になるとみんないきなり髪染めてピアスして服も急にオシャレになる。
そして化粧!
何故みんな突然出来るようになるのか。あれだけたくさんのアイテムがあって、使い方や用途もそれぞれ違って、なのにみんなちゃんと自分好みの顔を作ってくる。しかも毎朝。
誰に習うわけでもないだろうに、いったいみんなどうやってあんな複雑な作業を習得するのだろう。しかも毎朝それをやる。すごい時間とエネルギー。毎朝20分顔作りにかけていたとしたら、ひと月で620時間、年間で7440時間も化粧に費やしていることになる。すごい。可愛くなりたい、という気持ちだけではとても出来るような簡単な作業とはとても僕には思えない。
(決して化粧をする人をバカにしている訳ではないです)

七五三の女装を拒否し、赤いランドセルが届いた時点で僕は「女の子」として扱われること、「女の子なんだから」しなければならないこと、「女の子として」割り当てられること、を受け入れ、極力「女の子なのに」と言われるものを避けることに慣れていたつもりだった。
だからと言って積極的に「女の子らしく」振る舞う努力はあまりしなかったけど、「女の子としてやらなければならないこと」は最低限やってきたつもりだ。だから学校の制服も嫌がった記憶はないし、振袖も気合い入れて着たし、ハロウィンでは率先してナース服とかミニスカポリスで頑張った。(ミニスカポリスとか、時代を感じますね笑)
普段の衣類や振る舞いが決して「女の子らしく」なかったので、そういうイベント的なところで「女子」を出しておかないと
「お前女じゃねーよな」
って言われるのが嫌だった。もう自分が「女の子」であることは認めていたし、受け入れていたし、自分は女性性が嫌いなレズビアン(いわゆるボイタチ)だと思っていたのだが、「女の子らしい」と言われるのはとてつもなく嫌だったけど、それと同じくらい「女じゃねーな」と言われるのも嫌だった。
いわゆるトランス的な「女の子じゃないことがバレたくない」という訳では決してなく、僕は社会生活こそ男性として送っていて、そしてそれは女性として生きるよりはるかに快適でトランスしたことには1mmたりとも後悔していないが、未だに自分が男性という気はしない。性自認は?と聞かれたら「どちらかというと女性です」と言ってしまうかもしれない。なのでよく「いつ頃から性別に違和感を感じてたんですか?」と聞かれるけど、性別に違和感、という感覚がよくわからないので、「今も昔も違和感わかりません」とか言っちゃう。
こんな男女二元論な考え方を自分が持っているのが昭和だな、と思うのだけど、男/女って、染色体とか、ついてるかついてないか、という根拠だと個人的には思っているので(もちろん心の性については誰ひとりとして同じ性別の人はいないと思っています)
自分が男性です、と言える根拠を持ち合わせていないと感じている。しかし女性である根拠は死ぬほどある。だからと言って女性として生活させれたり認識されたりするのがある時から耐えがたくなっていたのでトランスしたのだけれど、しょせんどれだけ身体や書類をいじったりしても、性別は「転換」することはなく、あくまで男性っぽく見えたり、男性っぽく社会生活が送れるようになるだけ。もしかしたら性自認は「無性」というやつなのかもしれない。
(あくまで僕個人の感性なので他のトランス男性がみんなそう思っているとは思わないでください)

中学の制服はジャンパースカートだったから、高校に入る時の制服の採寸で初めてスカートというものを履いた。
びっくりした。スカートって、どこに合わせて履くのかわからなかった。
なんとなくジーパンとかのノリで、腰骨辺りで採寸してもらったら届いたスカートのウエストが80cmとかで届いて、実際に入学して履いてみたら全然腰で止まらなくて話にならない。コントみたいに歩いてるうちにストンと落ちるんじゃないかと思った。もちろんすぐ仕立て屋さんに持っていってウエストを直してもらい、ついでにスカート丈も大幅に短くしてもらった。
別にスカート丈なんて長くても短くても不快なことには変わらないんだし「JKスカート長いとイモい」みたいな風潮があったから世間に合わせて短くした。結局化粧は無理すぎて学生時代は最後まですっぴんでショートカットで過ごしたけど、それだって髪の短い女子、の範囲を超えない程度で、いつも「自分が我慢できる範囲ギリギリまで女の子らしい選択」を探していた。家庭の事情で性教育等を受けずに15歳を迎えたため、その頃下着を上下セットで買ってサイズはアンダーとカップがあるとか、生理用品に夜用とか多い日用があるとか、高校生になって付き合っていた彼女にいろいろ教わって覚えた。
ちなみに恋愛については、初恋は幼稚園の先生なくらい女性に向いていたので、かなり小さい頃から自分って女の子が好きなんだなーと思っていたし(それについては実はもっと複雑なのだけど、長くなるのでまたの機会に)それに対して社会的後ろめたさは全く感じなかったので、高校時代は誰もがわかる形で彼女と付き合っていて平気で特別な感じに校内とかでイチャイチャしてたけどあまりにも堂々としすぎていたせいか、ひやかされたりバカにされたり嫌な思いは殆どしていない。
中学時代、とてつもなく仲良くなりたい女の子がいたのだけれど、セクシュアリティも自覚出来ていないし、レズ、とか言われていたので、なんだか好きな子にお砂場で砂かけちゃう男の子、みたいな感じでいじわるして気を引こうとしていた。
でも別に恋愛までいかなくても、普通に仲良くなりたい、って伝えてたら、少なくとも友達にはなれたかもしれないな…

中学までは一人称は「俺」を使っていたけれど、さすがに高校生になってそれはな…と思って最初は頑張って「私」を使うようにしてたけど、半年くらいで挫折した気がする。
トランスして年齢を重ねた今では公的な場では男性も「私」を使うけど、当時の自分は受け入れられなかった。

学生時代、というテーマでしたが、なんだか熱くなりすぎて長くなってしまったし、今のトランス話とかも入ってしまったけど、ここまで読んでくださってありがとうございました。(YOo!)

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