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アムステルダムで詐欺にあった話

久しぶりにノートで記事を書きます。

実はこのnoteを書いている数時間前に詐欺に遭いました。
非常にうなだれた気持ちで、もどかしさ、怒り、悲しみなど色々な感情がごちゃ混ぜですが、この気持ちが冷めないうちに、この経験を文章にしておきます。

経緯

事が起こったのは、10月22日の14時ごろ、僕の通うアムステルダム自由大学の前です。

本当にこの辺り

勉強をしようと、大学へ自転車を漕いでいるところでした。
そこに、一台の車から男性が僕に声をかけてきました。

彼は車を止め、僕は自転車を止めて、彼の車に近づきました。
彼曰く、スキポール空港に車で向かっているところで、インターネットがなく迷子になってしまったので、道を調べてほしいというのです。

さらに、彼はイタリア人で、アルマーニの靴のデザイナーをしており、ショーの為にアムステルダムに来ていると言いました。僕が日本人だというと、彼は僕の妻は日本人だよと言い、フレンドリーな会話が始まりました。

今思うと、完全に、これは僕を信用させるための手段でした。

道をGoogle Mapで示すと彼は、僕のスクリーンの写真を撮りました。冷静に考えて、Google Mapのスクリーンの写真を撮って、その写真で道がわかるとも思えませんが、なぜかこの時は何も思いませんでした。

また、アルマーニのデザイナーをしているような人が、出張で来ているのに、インターネットが使えないのもおかしな話です。

マップを示した僕に、お礼がしたいと、今持ち合わせているアルマーニの新作を僕にくれるといいました。それならもらおうということで、彼は近くの路肩に車を止め、僕もそこに行き、彼の車の助手席で話し始めました。

彼はレザーのジャケットなどを僕に見せ、「これは2023年に発表される新作で、まだ市場に出回ってないから、売ったりしちゃダメだよ」などと言い。それがあたかも本物であるかのような演出をしました。それらは新品の服で袋に入っていました。

ちなみに、僕が受け取ったこの服は「AC made in Italy」という謎の安物であることも後で判明します。「A」から始まるので完全にそうだと錯覚してしまいましたが、よく見るとどこにもArmaniなど書いてないのです。(ほんとバカです)

実際にもらったもの。Armani Exchange風?

彼はこう続けます。
「昨日、NEMO(アムステルダムのサイエンスミュージアム)に車を止めていた時に、強盗にあった。窓が破壊されて、中にあったLuggageも財布も全部盗まれてしまった」

この時、彼は後部の窓の割れた車の写真を僕に見せてきました。車は会社に行って変えてもらったとも言いました。

👆このような写真を見せられました。

さらに、
「明日、息子の誕生日で彼は18歳になる、飛行機に乗る前に空港でMacbookを買って、彼のプレゼントにしたい。でも今カードもキャッシュも何もなくて、買う事ができない。今僕のイタリアの銀行から、君の銀行にお金を送金するから、代わりにお金を下ろしてキャッシュをくれないか」
と言いました。

もう、思い返すと明らかにおかしい話なのです。
ただ、実際にイタリア人の見た目とアクセントだし、銀行口座もイタリアの銀行のものだったし、身の上話などもして、彼を完全に信用してしまいました。

彼の使っていた??銀行Intesa Sanpaolo

僕は彼の銀行のアプリに自分のIBAN(銀行の番号)を打ち込み、彼は銀行送金をしました。この時、僕はちゃんと僕の口座に送金したか、確認するために、そのトランズアクションの詳細のステートメントを開いて見せてもらったのですが、残念ながら確認はできませんでした。

彼は、確かに送金はできてるけど、詳細は表示されないなどと言い、誤魔化しました。また、「信用できないなら、今つけている時計を君に渡してもいい。12月にショーがアムステルダムであって、また来るからその時に返してくれればいい」などと言い、さらに信用させようとしました。なぜこの時おかしいと思えなかったのでしょうか?

しかし、この時僕は銀行のカードを持っていなかったので、カードがなく、家にあることを彼に告げると、家まで来ることになりました。この時の僕の心情としては、お金を送金してもらっているし(されてない)、なんとしても彼を助けたいと思っていました。

車で僕の家に向かう途中は、家族の話や勉強の話、生活の話などをしました。こっちから質問をしても、自然な会話が成り立っていたので、ますます僕は彼のことを信用してしまいました。

「12月にアムステルダムでまたショーがあるから君を招待するよ」
「僕の妻が後で感謝のために電話するよ」
「息子にプレゼントを変えたら写真を送るよ」

など、完全に僕を信用させるための文句をつらつらと並べていました。

僕の家から銀行のカードを取って僕たちはATMに向かいました。

最初に車で会話した際に、Macbookの値段を一緒に調べ、1600ユーロほどで、彼曰く税金がかからないから1500ユーロで十分などという話になったので、1500ユーロをおろして彼に渡しました。

この時に、引き出しの条件などの変更も必要で、面倒くさかったのですが、彼を助けたいという一心でした。

彼は元の場所まで運転し僕を下ろし、最後に感謝を告げ、ハグをして去っていきました。

走り去る前に、僕の電話番号と、メールアドレスを聞き、「12月のショーに招待するよ」と言いました。僕は一応、彼の電話番号を聞きましたが、この番号はなぜかイギリスの番号で、しかも現在使用されていない事が後からわかります。

完全にやられました。
僕の完敗です。

今思うと全ておかしいのです。しかし、僕は完全に彼が詐欺という脚本の上で踊らされていました。その中にいるときは、全ての辻褄が合っているように感じて、何も疑えなくなってしまうのです。

そして、そこから出て、冷静になると何もかもがおかしく感じ、騙されたと気づくんです。

自分が詐欺に遭うはずがないと信じていたと、みんな詐欺にあった人はいいます。僕も詐欺に遭うなんて思っていませんでしたし、詐欺の話を聞いても他人事でした。

疑うことは気持ちのいいものではありません。
でも、疑うことから始めないといけないこともあるんだと、猛省しています。

お人好しで、人を助けたいという気持ちが人より強い自分の悪い部分が出てしまったのかもしれません。今となっては後の祭りです。

本当に学びました。たくさん、学びました。
高い教科書でしたが、価値はあったかもしれません。

先ほど、起きたばかりの出来事で、動揺したまま、走り書きのnoteですが、僕と同じ経験を、他の人にして欲しくないと心から思うので、できるだけ多くの人に読んでいただければと思いますし、この経験を無駄にはしたくありません。

最後に

同じように詐欺にあった経験がある方や、詐欺に合いそうになった方、よろしければ、コメントやTwitterなどで経験されたこと共有してください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!








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