接続器官
人がどんな気持ちだったかなんて分からないもので
もう自分があの時どういう気持ちだったのかも定かではない
定かでしかない。 反語。
過去の気持ちは過去の物
今の気持ちは今の物
常に新しさを要求される世の中で
日々の慌ただしさにバグが集積するもので
新しい機能に追いつけなくてアップデートを先延ばしにした結果、老廃物の自分だけが残る。残る。
毒は甘美さを含んでいなければ美しくなく。
甘美でない毒など醜いだけで、
美しかった毒だけが身体に周り、
そういったウィルスがアップデートされなかった日々に侵食したが
未来の気持ちをブラックボックスだけに詰めて鍵をかけておく。
人がどんな気持ちだったか分かるまでは、
閉まっておく。
何気ない言葉に今の気持ちだけを忍ばせて。
誰にも明かさない感情をその言葉の端っこにだけ詰めて送り出そう。
届く頃にはアップデートは終わっているだろうか。
人に当たり前にある死や美しさを、 詩や文で紡いでいます。 サポートをしていただければ製作の糧になります。 是非よろしくお願いいたしますm(__)m