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病院にとっての危機管理とは

【危機管理の重要性】

以前、病院や医療施設での広報の重要性を書かせていただきました。では、具体的にはどういったブランディングや、広報が重要かといったところを実際の事象を交え記載させていただきます。
まずは、皆さん軽視されがちな危機管理からご説明をいたします。医療業界における危機管理は施設規模が大きくなればなるほど必要性が増していきます。そんなことは起きないし、時間がない、担当がいない等々謙遜されがちです。ただ、長年広報に携わった側から言わせていただくならば、まず危機管理のマニュアル作りから始められることをおすすめ致します。広報、宣伝をすることで患者が増加し、リスクも増加致します。基盤作りの一つとして是非危機管理マニュアルの作成や、シュミレーション、委員会での討論をしてみてはいかがでしょうか。

では、具体的な事案を例に対応を記載していきます。
医療事故での対応で重要となることは、まずご本人、ご家族への対応、既存患者さまへの対応、職員への対応、マスコミへの対応と、多岐に渡ります。

【マスコミ対応】

ここでは、参考までにマスコミさまへの対応を取り上げてみます。

皆さんマスコミ対応で常に念頭においていただきたいことは、嘘はつかない、情報出しは正確かつ迅速にを心がけてください。仮に間違えてしまったとしても、正確に訂正を行なってください。マスコミの方々も読者や視聴者へ正確な情報を出すことを欲していらっしゃる中、施設側での情報に虚偽や隠匿があるというのはもってのほかであり、更にネガティブな記事や報道へと繋がります。誠意を持って接することが重要となります。医療事故ではどれだけ病院側が迅速に対処し今後の対策を構築していけるかと言うところが肝となると考えます。院長先生を始め各担当者にて緊急対策会議を都度行うことをお勧めいたします。対応を間違えると、施設運営に大きな影響を及ぼします。

【HPへの情報公開】

さて、とは言え綺麗事ばかりは言っていられません。情報公開には細心の注意が必要ですが、HPへ声明を出されることをおすすめします。謝罪はもちろんのこと、今回の事故に対する調査と対策を記載し情報は可能な範囲で公開することが重要と考えます。

現在、幅広い年齢層でスマフォやPCでHPを閲覧する機会が増えています。まずはスタンスをしっかりと表明することで、不安感を侮辱することが必要です。

【記者会見】

次に記者会見ですが、院長、事務長クラスは必ず出席することが重要です。情報は出来る限り収集し、わからない部分は現段階では不明であり、確認でき次第公開する旨を伝えてください。また、必ず記者会見の仕切りは広報担当に担当させ、できることなら記者会見場などは院内もしくは、院外の会議室を用意してください。病院前での記者会見や囲みは周りの住人の方々に迷惑をかけるとともに、患者様へのご迷惑ともなります。

記者会見後の新聞や、雑誌、テレビ番組等は可能な範囲で保管ください。その後の対策の素材として使用致します。クリッピング会社へ発注することも可能です。どういった内容でマスコミが伝えているかと言うことを知る事は今後の対応策へ通じることがあります。

広報は窓口となり記者会見後も対応が発生することが想定されます。踏ん張りどころであり、かなり厳しい状況ではありますが、患者さまのご家族や、関係者への謝罪等の気持ちを忘れず対応することが重要と考えます。

次回は「エリアマーケティングによるブランディング」について。



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