(前半)SaaS Designers Meetup vol.1 - レガシー産業で挑戦するスタートアップたち
僕がやってるアルプという会社はサブスクリプションビジネスに関わる決済基盤・契約管理・請求管理のSaaSを開発しています。何かと順調に進んでるとは思いますが、何よりの課題はフルコミットのデザイナーがまだいないこと!(力強いサポーターはおります🤗)
【CM🙏】
そういうわけで、毎日SaaS デザイナーさんを探したり、話したり、あーだこーだ頑張ってるのですが、そこでこんなイベントを見つけました。
話聞きたすぎやろ、、、ということで、なんとかブログ枠で参加させていただきました。以下、早速会の内容。
学び
・総合連携力の大切さ:ソフトウェアだけでできることが少ないという前提に立つこと
・それいる?という観点の重要さ:なぜいるか?を考え判断できる解像度とおドメイン知識をもっておくこと
・現場、ドメイン理解の徹底:究極はやること、聞くこと
開会の挨拶
Ubie 畠山さん。開催の経緯について。
↑確定申告🤔
・SaaSをやってるデザイナーさんが、今まであまり表に出てきてない
・ざっくばらんと何やってるか共通の課題感とか、知りたいよねと
・そういうのを飲み会だけじゃなく、共有したい。その先駆けになれれば。
ありがたい🙏
Goodpatch さそうさん
ご担当されているReDesignerの紹介をされながら、衝撃的な話が。
B2B 8%😱😱😱
それは厳しい。
さてここから、各社のデザイナーからLT&パネルディスカッションです。
[1]BtoB SaaSデザインの面白さ、そして難しさ
~採用領域&スタートアップ~
オオカワラさん @HERP
HERP のオオカワラさん。2017年11月に大学を中退してHERPへ1人目のデザイナーとしてジョイン。
■HERP= HRTech(人材採用領域)の会社
採用業務の課題は何か?
・応募者の手動管理
- 応募者が増えてくると非常にコストが高くなる
・広いステークホルダーとの調整
- 採用担当は、応募者・面談面接担当社員・エージェント・人事労務担当とコミュニケーションを何十回もしないといけなくてつらい
・正確なデータ蓄積が簡単ではない
- 手動管理による打ち間違いや表記揺れ
- 恣意的な入力データ選別
・社内コラボレーションのしにくさ
- いろんな手段でいろんなアプローチが発生
- メール:採用候補者への連絡
- Slack/Chatwork:社内の連絡
- スプレッドシート:採用活動の管理
- 口頭:年収とかセンシティブなものについて
⇨HERPはそういった課題を解決するためのHERP ATSをつくっている
■具体的な業務・デザインフローについて
1.顧客や社内の要望を深掘り
・営業やCSや色んなところから要望は日々やってくる
・要望に対してそれって本当?という徹底した深掘り/精査をやる
- 一度機能を開発すると不可逆性が増してしまうので
2.リサーチと要件定義
・既存サービスで似たものがないかリサーチ
・どこまでやるかスコープ切って要件定義
・実装やDBをどうするかもここで議論(デザイナーがここにも入る)
- 今後の機能追加や機能改善についての可能性を理解しておくため
3.プロトタイピングとユーザーヒアリング
・完成度50-60%のプロトタイピング作成
・ヒアリングによる体験レイヤーでの検証
・一機能をつくるのに7-8個つくる
・プロトタイプの精緻化(検証イテレーションを回す)
4. UIデザイン
・FramerXでHi-Fiプロトをつくることも
5.開発とCSへ共有
・細かい挙動や使用などは実装者と密に連携
・CSへの説明責任
- 最終的なユーザーとの接点はCSになるため!
しかし、プロダクトの体験を作るということはデザイナー一人が背負うにはあまりに重たすぎる・・・
■BtoB SaaSデザインの面白さと難しさ
・自分が実際に業務体験しないとユーザー理解やドメイン理解の解像度は上がらない
- 理解の浅いところ~深いところ、求めるのは様々。
- 浅い:前提知識なしで採用業務を想像 ⇄深い:採用業務を実際に自分でやってみる
- ユーザー理解・ドメイン理解は必須。業務体験しないとあがらない。できたらめっちゃ楽しい
■終わりのない理想と現実的な制約の中でどう最高の機能を生み出すのか
- 制約はすごくある
- 開発期間、実装工数、DB設計、ユーザーの求める最低ライン、プラットフォームの制約、ビジネスマターな制約、そのドメインの慣習・法律、ビジネスインパクトとユーザビリティの天秤、複雑な情報設計
■デザインによるインパクトを適切に生み出せるのか
- ビジネス成果に繋がった時にインパクトを感じる
- ユーザーから直接Goodフィードバックをもらった時
- SlackのShared Channelでユーザーと密にコミュニケーションを取っているのでヒアリングや反応を得やすい⇨user-XXXX-herpがむげんにある!
[2]学校教育におけるサービスデザイン
Yoko Nishida @Quipper
■学校教育が抱える課題と未来
教師の負荷が高い(長時間労働)&2020年教育改革(によってより大変になっていく)
■学校でスタディサプリを利用するときの課題
→とはいえ、今でも。学校の職員室は10年20年変わらず書類の山。PCもワープロみたいな感じ
■サービス利用時の課題
・ITインフラ(ネット環境・リテラシー格差・運用コスト)
- wi-fi??
- 利用する年齢層にも幅がある、、、
・複雑な業務内容(属人化、校務の多様性、生徒指導)
- ステイクホルダー全体を見た設計が必要になってくる
■デザインをするときの心がけ
・ユーザーリサーチ:異文化理解 + リアルとの融合
- 今でも学校に訪問してインタビューしている
- そういう異文化理解やリアルとの融合(なんでもデジタルにかいけつしようとしがちなものだが、営業との連携やアナログなアプローチもつかっていく)をし続けること
・UIデザイン:使いやすさ + 業務改善
- ゴリゴリの綺麗なグラフィックでやっても破綻する
[3]デザイナー通して貿易業界で働く
松川さん @Shippio
■Shippio = テクノロジー x 輸出入オペレーション
・ネットで見積もりできる
・輸送予約できる
・トラッキングできる
社内に貿易チームがいる
・通関士在中
・貿易ライセンス取得済み
・ドアtoドアで貿易ができる
デジタルを駆使した国際物流会社
・ヤマトがめっちゃテクノロジー強くなった感じ
■未経験領域のリサーチについて
・食わず嫌いをなくすために
リサーチ - アイデア - デザインという流れの中で、知らない領域だと、リサーチの解像度がキモとなる
1.本を読む、ググる
・5~10冊くらいざっと読むと何が大事か見えてくる
・基本的な用語理解
2. 現場を見る、体験する
・百聞は一見にしかず
・フォワーディング代行会社に1日常駐、業務風景を動画にとる
・通関書類を作ってみる
3. ユーザーに会うためにとにかく動いてみる
・アンケートもとる
■SaaSデザインの魅力
・レガシー領域って固そうだし楽しくなさそう、、、アプリとか可愛いし、
→だこらこそ、デザインしがいがある
&
ソフトウェアのみで解決できることは少ない(この回の金言)
(Shippio オペレーション(カスタマーサクセス) x セールス(営業ロビイング) x プロダクト(UI テクノロジー)。そして、UXはこの全部の総称だと思って考えている
・この機能を実装してくれないとクライアントに使ってもらえない、と営業がいってきたとき
・それを全体の視点で考えないと事故になる
0-1の学習スキルはずっと生きる
・非デザイナーとの協業スキルが身につく
パネルディスカッション:
Ubie 畠山さん x HERP オオカワラさん x
Quipper 西田さん x Shippio 松川さん
■ソフトウェアだけで解決できることすくないよね、という話はすごくよくわかる。競合って会社じゃなくて紙の運用だったり、スプレッドシート便利だよねとか、そういうレイヤーでの戦いになる。スイッチングコストのことを考えると受注のハードルがあるなと思いますが、そのあたりのエピソードありますか?
Shippio 松川さん
・よくわかんないもの使うよりは、今使っているところ(人もアサインされてる)に丸っと投げておおきたいという気持ちもある。一方で、あと30年ペーパーワークが続くとも思えない。いまからそれを見据えたものを作り、提供していきたい
Quipper 西田さん
・紙とのバトルはある。例えば、算数の問題。計算式を手で書いた方が理解できる。タブレット vs 紙。どっちがハッピーになれるかはよく悩む
HERP オオカワラさん
・リアルな場がすごい大事な中、採用領域での各企業のフローは三者三様。そこに対して包括的なソリューションを提供してくれるキーを担うのはカスタマーサクセス。その点でカスタマーサクセスに頭が上がらない
Ubie 畠山さん
・カスタマーサクセス = 病院(顧客)とプロダクトをいい感じに結びつける。病院も多種多様。そこを全部連れ回して色々と教えてくれる、キーがカスタマーサクセスというのはすごく同意。
■(質問)スケジュールがタイトな中でどのような検証をしているか?Quipper 西田さん
・社内に元先生がいるのでそこに確認してることが強い
■(追加質問)社内・スタッフのリテラシーがあがりすぎても現場のリテラシーと乖離が出てくるけど、どーしてますか?
Shippio 松川さん
・SaaSのプロダクトやってたけど、自分が貿易やった方が早いよねとはなってきた。なのでむしろリテラシー上がる方がいい
HERP オオカワラさん
・採用業務を実際にやってみる。その気付きを反映していく。
■(質問)倉庫向けベンチャーやってます。スタートアップなんであとから新しい人がどんどんはいってくる。その人たちへのオンボーディングってどうやっている?資料作ったりしてますか?
HERP オオカワラさん
・採用業務ってこういうことですよ。という話はまとめている。かつ、ユーザーインタビューの内容をscrapboxに詰め込んでて、そこ読んでくださいと言ってある程度のレベルまではドメイン理解を確保している
Shippio 松川さん
・外国人もいるので、そもそもドキュメンテーションをすごいしっかりしている。決めたら誰かがドキュメンテーションしている輸出入のフローとかも細かく書いていてそこを読んでもらう。
・ドキュメンテーションが甘いところもベンチャーだとあるかもだが最初からしっかりしていると良い。
Quipper 西田さん
・百聞は一見にしかずで学校に行く機会を新しいメンバーには作っている
・アドバイザーがワークショップをやってくれたりもあって、そういう体験によるオンボーディングスムーズ化をやっている
Ubie 畠山さん
・リモートメンバーも増えてきたので決まったことだけ共有してもなんでそうなったのかプロセスがわからんということもある
■(質問、すまん私がしました。)採用について。1人目のデザイナー採用すごく難しくないですか?未経験の領域だろうし、実感も沸いてないことが多い気がする。なぜ入ったのか?
Shippio 松川さん
・最初は興味はなかったけど、ひょんなきっかけ出会い話を聞いてみると、市場規模がでかいのと、社会的影響が大きそうで面白く感じた
HERP オオカワラさん
・最初インターンでやってた。メンバーや環境に惚れ込んで入った!いきなりビジョンだけだと厳しいかもしれない(直感的ではないという点で)けど、ほかの要素も必要だと思う
Ubie 畠山さん
・事業に共感したというよりも、たまたま知り合いが先に入っていて、遊びに行った。その時、プロトタイプを触って、確かにこれは未来を作れるプロダクトだと思って入社を決めた。誰かのために作るというのもあるけど、自分の場合は、自分がおじいちゃんになったときにこういうのあってほしいなと思えたのはある。
Quipper 西田さん
・実の兄が教師だったから話を聞きやすかった、それで共感できた
(最後メモしきれずあっさり書いてしまってすいません🙏)
後半戦はまた改めて!時間切れ〜!
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