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「体調不良であたりまえ」「健康第一は間違っている」「もっと不健康でいこう」ーーこれからわたしがすすむ道

拙著『人生を変える幸せの腰痛学校』の中で「腰痛を治そうと思うな」というメッセージを打ち出したわたしですが、なんというのかな、健康至上主義で、病や死は「悪」だという今の世の中の価値観が気持ち悪くてしょうがないんですよね。

サプリがどうしたとか分子栄養学、デトックスとか腸活だとか。
ちょっとした体調不良ですぐ病院、すぐ検査、すぐ薬。
整体で定期的なメンテナンス? 身体がボロボロと言われて喜ぶ人たち。
健康診断は受けるのが当然、などなど。
やりすぎじゃないですかね? そんなに長生きしたい? 
楽しく健康づくりに取り組んでいますと好きでやっている風を装っているけれど、心の底は病気や死への強い恐怖でいっぱいでそれが透けてみえていて、たぶんそこに気持ち悪さを感じるのです。

病気……。そりゃできればなりたくはないけれど、なる時にはなっちゃいますよ。自分にまったく非がなくても、なる時にはなりますって。 
そして死ぬときは死にますね。なにしろ致死率100%なんだから。

そこそこ健康だったらいいじゃないですか。
腰や膝が痛い、いいじゃないですか、そのくらい。
美味しくご飯がたべられて、夜は眠れて、お出かけできるならそれで十分だと思いますけどね。

というわたしの価値観は、どうやら多くの人には受け入れがたいようで、長い間、疎外感というか、「話合わない感」を抱えて生きてきました。

そんな中でも世の中には少し考え方が近いドクターがいらっしゃるのです。
わたしの心の支えであり、ひそかに追っかけている先生方です。

お一人目は尾藤先生です。
尾藤先生のこの記事を読んで、なんだかとても安心しました。
わたしの記事よりも、尾藤先生のこの記事をぜひぜひお読みください。
「体調不良であたりまえ」
そうですそうです。50も過ぎればどこかに不調があってそれでいいんです。
この価値観をぜひぜひぜひ広げてほしいです。
一ファンとして応援します。

お二人めは名郷直樹先生です。
上の尾藤先生の記事は、名郷先生の新刊の感想になっています。

名郷先生のFB、ツイッター、YouTubeを追っかけながら、わたしも65歳になったら、健康診断はもういいかなと思っています。

三人目は大脇幸志郎さんです。

ツイッターアカウント「大脇幸志郎@もっと不健康でいこう
おっしゃる通り、健康にこだわるのはやめて、もっと不健康でいきましょうよ。

さてわたしは『人生を変える幸せの腰痛学校』の読者さんによるオンラインコミュニティを運営しています。
わたしが運営しているのですからもちろん「腰痛を治すため」のコミュニティではありません。
「腰痛などの体調不良がありつつ、それはもうあるままにしておいて、さて今日1日をどんな風にすごしましょうね? どうせならいい気分がいいですね。どこに行ってなにをして、なにを食べましょうか?」とお互いのいい気分をシェアしあっています。

昨年くらいから「腰痛」「痛み」「慢性痛」に興味がなくなっていき、だんだんどうでもよくなってきました。
あらゆる痛みは、危険な痛みかどうかを鑑別し、危険な痛みは病院へ、危険でない痛みはほっておけばいいのです。
治そうとがんばらなくていいのです。
そもそも痛みは「脳内での神経活動」
そこに意識を向け、解決のためにエネルギーを注げば注ぐほど、脳内で神経活動が活発になり、問題(痛み)は大きく感じます。

イヤなこと、我慢することをやめて、好きなこと、楽しいこと、やりたいことをやっていれば、自然に改善するのはもうわかっていますから。
だからもういいじゃないか、あるままでそのままで。

わたしのこの考え方のベースにあるのは、野口整体の開祖、野口晴哉先生です。
「病とは治療するものにあらず」かっこええ~ですね。

野口先生、生涯病院に行かず64歳でお亡くなりになったようです。
わたしは痛いのも苦しいのも嫌なので、最低限病院には行きますが、野口先生とそのお孫さんの筋が通ったこの生き方には憧れます。

先日、カンピロバクターに感染し、10日間ほど苦しみました。

たしかに死にそうなくらいつらかったし、二度と罹りたくはないです。
でも、悪いことばかりではないですよ。
からだの機能がひとつひとつ回復していく過程に、ほかでは決して味わえない感動と幸福を感じましたから。

今朝は、形・色・大きさ・においともに、まるでお手本になるような便が出ました。なにせ腸壁が一度全部剥がれ落ち、新しく再生したのです。腸が生まれ変わったのですから。
わざわざデトックスなどしなくても、病気は最高のデトックスです。

さて、「治すこと」「治療」に興味がなくなったわたしは、もう「治療家」ではありません。
あえて言うと、生・老・病・死、そして幸福について考え続ける市井の哲学者であり、思想家ということになります。わたしにとって、いろんな人の話を聞いたり、本を読んだり、考え続けることはもっとも楽しい遊びです。

1月2日で55歳になりました。
あと10年くらい生きられたら十分だと思っているので、あと10年「体調不良であたりまえなんだよ」「もっと不健康でいこうね」と伝えながら、遊びを尽くしたいと思っています。これがわたしの生きる道です。

最後まで読んでくださりありがとうございました。


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