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ひっかかりやすい“似て非なるもの”~質問制度やカウンセリングから寄せられた声~

クラスマネジャーの大家です。
いや、、、、、第1回目の公開模試も終わりましたね。
模試を受けられた方、お疲れ様でした。

前回の「うっかり」に続いて今回は「似て非なるもの」(似たような文章ですが、結果が違うもの)について質問が多かったものをご紹介しますね。

1.その日付で登記ができるものとできないもの

(1)地上権設定登記がされる前に、AからCへ甲土地が譲渡され、所有権移転登記がされた。この場合、CがAB間の地上権設定契約の日を登記原因の日付とする地上権設定の登記を申請することができる。
⇒X (平成15年23問ア)

A所有の甲土地について、Bのために「地上権設定契約」がされ、地上権設定の登記がされない間に、甲土地の所有権がAからCに移転し、新所有者CがBの地上権を承認した場合であっても、地上権者Bと新所有者Cとが共同申請で、「当初の設定契約の日付」を登記原因日付とする設定登記は、申請することが「できない」(登記研究533号)。

★ポイント★
地上権者Bと新所有者Cとの間で地上権設定契約がされたわけではないので、AB間の地上権設定契約の日付を登記原因日付とすることは認められないということです。
この場合には、BC間で新たに地上権設定契約を締結する必要があります。

(2)Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、公正証書によりBを借地権者とする事業用定期借地権の設定がされないままAからCへ所有権の移転の登記がされている場合において、Cが当該契約を承認したことにより賃借権の設定の登記を申請するときは、AとBの当該契約の締結日の日を登記原因の日付とすることができる。
⇒○(平成30年22問ア)

Aを「公正証書」によって「事業用定期借地権」の設定契約がされたが、その旨の登記がされないまま土地の所有権移転の登記がされている場合においては、「前所有者との間における契約の日」を登記原因の日付とする賃借権の設定の登記は、申請することが「できる」(平17.7.28民二1689号)。

★ポイント★
「事業用定期借地権」の設定契約は「公正証書」によってしなければならないところ、新たに設定契約の締結を要求すると、再度公正証書を作成しなくてはならないため、時間的・経済的負担を当事者に課すことになるからです。

(1)と(2)は、用益権の登記をする前に、土地の所有者が変わり、その契約を新所有者が承認したというところまでは全く同じです。
しかし、その契約を日付を原因日付として、新所有者と用益権者が共同で登記申請をすることが出来るかという問題です。
結論は、上記のように(1)と(2)では異なります。

2.「混同」により消滅するかどうか

B所有の甲土地にAがBに対する債権を担保するために「1番抵当権」の設定を受け、CがBに対する債権を担保するために「2番抵当権」の設定を受けている場合:
(平成20年10問)
(1) AがBから甲土地を贈与された場合には、Aの抵当権は消滅しない⇒○ 
(2) CがBから甲土地を贈与された場合には、Cの抵当権は消滅しない⇒X 

設定者から抵当権者に所有権が移転した場合には、その抵当権の順位により「混同」により消滅するかどうかが異なります。

★ポイント★
AがBから所有権を取得しても、1番抵当権を消滅させると、2番抵当権が実行された場合、Aが優先して弁済をうけることができなくなるため、1番抵当権を存続させる実益があり、1番抵当権は消滅しませんが(大判昭8.3.18)、CがBから所有権を取得した場合には、もともと1番抵当権者に優先して弁済を受ける立場になかったため、2番抵当権を存続させる実益がないといえるので、2番抵当権は「混同」により消滅することになります(民179条1項、大判昭4.1.30)。

この「混同」の他にも、「法定地上権」においての「似て非なるもの」については、北谷講師の「質問知恵袋」もご参照ください。

3.第1回目の模試の成績

これこそ本試験の成績と「似て非なるもの」です!
先日の高田クラスマネジャーのNOTEをぜひご参照ください。

もうすぐ第2回目の公開模試ですね。
先日の高田クラスマネジャーが上記の「公開模試を終えて」のnoteを挙げていらっしゃったので、私は、これからの「模試」のちょっとした提案をさせて頂きますね。

服装は、本試験と同じ服装(アクセサリー含む)で受けられるのもよいですよ。
「模試」は「本試験」のようにとよく言われています。
本試験当日と同じ「朝食」「昼食」もよいです。
当日、どんな服装及び食事がリラックスできるかを考え、当日と同じ行動をしてしておくのがよいです。
私は、今まで一緒に暮らした猫ちゃんたちの写真を飾ってあるのですが、模試の日に家を出る前に、これらの写真に挨拶をして出かけました。
もちろん本試験の日もです。
このように、模試も本試験当時のシュミレーションとしてしっかりと本試験で慌てないような準備をしておくことが大切です。

自宅で模試を受けられる方もしっかりと当日の食事・服装で臨んでみてください。
私も自宅で模試を受けたことがあるのですが、全く服装まで本試験と同じようにして受けました。

第1回目の模試と同様に、北谷講師と髙橋講師の解説もしっかりと視聴してくださいね。
カウンセリングで両講師の解説がとても分かりやすく、勇気をもらったという方々の声をよく聴きます。

本試験まであと1か月、でもこの1か月でまだまだ点数の底上げはできます!
皆様のあと「ひと踏ん張り」を心から応援しています!

2024年目標の方は、本試験前と言うのはこんな感じなんだなと来年の参考にしてくださいね。

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