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勉強方法もパラダイムシフト!?テキストの読み込み方について

皆さん、こんにちは!
クラスマネージャーの三村です。

つい先日基準点も発表され、それぞれに様々な感情が湧きあがっている頃かと思います。
私もとても長い受験生活を送ってきたので、当然ながらその時々で色々な感情が溢れ出しましたし、その時の気持ちは今でも思い出したります。
極端な例では、本試験終了後、あまりにも自分の不甲斐なさに試験問題を食べちゃえ!と思ったこともありました(笑)
もちろん食べてませんよ!

司法書士試験の受験は、急流の中を遡って泳いでる感じでしょうか!?
急流を逆向きに必死に泳いでいますから、当然スピードは上がらずゆっくり進むだけ。
しかも、その急流も他人には見えませんから、その辛さも分かってもらえない...
そんな激流にあらがって、精一杯頑張ってるあなたの背中をそっと後押ししたい!
そんな風に思いながら、この記事を書いています。

さて、今回はテキストの読み込み方についてお話したいと思います。
前々回の記事「全ての過去問を解くという呪い」の中で、テキスト中心の勉強方法を提案しておきながら、記事を書かないというのでは無責任ですからね。
高橋先生もnoteの記事でテキストの読み込み方について触れられていますから、そちらも是非参考にしてみて下さい。

私は過去問・答練中心の勉強を長年続けたものの、全く結果が出なかったため、テキストの読み込み中心の勉強を合格までのラスト2年間で行いました。
結果を見ても明らかなように私にはテキストの読み込み中心の勉強方法の方が肌に合っていました。
過去問中心の勉強方法以外にも他の勉強方法があると知っていれば、成績が伸び悩んだ時に勉強方法を変える事が出来ますし、もし過去問中心からテキスト中心にガラッと変更するのが不安であれば、過去問演習の比重を減らし、テキストの読み込みと過去問のバランスを半々にするといったような柔軟な選択も可能ですから、是非最後までお付き合い頂ければと思います(私自身はもっと早くに他の勉強方法があることを知りたかった!!)。
それでは、私の経験をもとに具体的にお話していきますね。


【1】繰り返す回数

私の場合、本試験まで8回テキストを繰り返しました。
年内はゆっくり2回(今からだと9月と10月で1回、11月と12月でもう1回)、インプット講義を受講しているなら講義と並行して1回、加えて年内にもう1回読み込めれば十分と思います。
プラスして年内に厳選過去問集を1回解きます。
この時期の注意点としては、まだテキストを読み始めたばかりで慣れてもないし、つながり(同じ科目の前後のつながり・異なる教科間でのつながり)が出来ていないですから、焦らずに全範囲を通読します(『全範囲』というのにも理由があるのですが、その点については後述します)。
年明けの1~3月は1ヶ月半ごとに1回。直前期の4、5月は1ヶ月に1回ずつ。最後の6月は2週間で1回ずつ。
これで計8回になります。
出来れば年明けから本試験までに厳選過去問集をもう1回解きます。

例えばですが、あなたが誰かと友達になりたいとします。
初めは何かしらのきっかけを作って、ちょっと会話を交わす程度で、顔見知りくらいですよね。
そのうちによく話すようになり、相手の内面も知り、友人からいずれ親友へと変化していくと思います。

テキストの読み込みもこれと似ています。
読み込み当初はまだ知り合ったばかりですから、当然内容を深く理解出来ません。回数を重ねるうちに内容面の理解が伴ってくるわけですから、この友達理論(!?←勝手に命名しました(笑))をテキストの読み込みにも応用しましょう。
最初のうちはつっかかる箇所があっても気にせず読み進め、全体把握に努めます。
3回目辺りから内容面の把握に努めていくわけですが、その際もキーワード重視で内容の輪郭を掴んでから、徐々に細部まで読み込む意識を持つのがオススメです。
ぜひテキストをあなたの大親友にしてあげて下さい。

【2】読み込むテキストの選択

基本的にあなたが受講している講座のテキストで良いと思います。
私はテキストの読み込み当初は表を多用している他社さんのテキストを使っていたのですが、文章の記載が少なく、読み込みづらく時間がかかっていました。
自分の中ではお気に入りのテキストだったのですが、アドバンス講座の受講を機にテキストを変更。
アドバンステキストは文章の記載量と表のバランスが良く、全部で4冊とコンパクトだったので量的にも繰り返し易く、私には合っていました。
また、入門講座講義テキストは文章主体のテキストですが、網羅性に関してはピカイチですし、飛躍なく論理を追うためには、やはり文章が一番。
量的には負担があるかと思いますが、その分アウトプットの量を減らしたり、【4】覚え方のコツでも述べますが、テキストの加工の仕方を工夫すればよいので、入門講座講義テキストだからと言って不安になる必要はないですからね。

ところで、あなたはずっと同じテキストを使い続けていますか?

私は使い込んだテキストに愛着が湧き、なかなか変え難く、インプット講座を新たに受講しても、小さな改正程度なら改正情報を使い込んだ古いテキストに書き写していた時期がありました。
けど、せっかく改正情報が書かれている新しいテキストにしたのに、改正箇所をわざわざ調べ、古いテキストに書き写す時間がもったいない...
ですから、インプット講座受講のたびにテキストは新しくして下さいね!(早い人は1年ごとになるかな!?)
逆に1年でテキストを変えないとどうしようもないと言えるくらい使い込んで欲しいですし、思いっきり汚して使うと良いと思います。

これもまた具体例になってしまうのですが、本を読みながらコーヒーを飲んでいたら思いっきりこぼしてしまった...。後で見返した時、「そういえば、あの時コーヒーこぼしたよなぁ~」と鮮烈に記憶に残ってたりします。
テキストを汚して読み込んでいくと、それだけ記憶のひっかかりが増えるので覚えやすくなるわけです。

【3】『全範囲』を繰り返す理由

どこの予備校でもそうだと思いますが、本試験分析会に出席すると、「Aランクは絶対に落としたらダメです!」と言われるかと思います。
この発言、私は結構プレッシャーに感じていたのですが、あなたはどうでしょう?
人間のすることだからミスは起こりうるし、だとすれば、1、2問の失点はあるんじゃないだろうかとは思いませんか??

人生には3つの坂があるという話が結婚式のスピーチに使われることがあります。
調子のいい「上り坂」もあれば、悪い「下り坂」、そして、え!?どうしてこんなこと、予期せぬ事が起こるまさかの「まさか」。
Aランクの問題を落とすというこの「まさか」に出くわす事も想定し、対応策を考えておく必要があります。
Aランクの問題は最善の注意をはらって失点を減らすが、Aランクの問題を落とす「まさか」も想定し、戦略としてB+、Bランクの問題を可能な限り得点したい。
そう考えると細かい箇所も可能な範囲で拾っていく必要があります。

もちろん各講師が重要部分のランク付けをしてますから、Bランク部分を読むことでAランク部分が読めなくなれば本末転倒です。
そのような時はまずはAランクから、繰り返すうちにB+ランクを、さらに余裕が出てきたらBランクまで手を広げましょう。
幹から枝へ、徐々に細部までというのは、【1】繰り返す回数と同じです。くれぐれも無理はしないで下さいね!

【4】覚え方のコツ

あなたは自分がどのような覚え方が一番記憶に鮮明に残るか考えたことがあるでしょうか?
表形式で覚えるのが得意ですか?
それとも蛍光ペンの色の違いで覚えていますか?

当然ですが、表形式であれば「形」を利用した覚え方があなたには適しているといえますし、蛍光ペンであれば「色」を利用した覚え方を得意としていることになります。
だいたいの方が視覚を利用して覚えていると思いますが、なかには聴覚を利用した方が覚えやすい方もいらっしゃるかと思います。
難しい箇所は自分の声で録音して聞いて理解するという勉強方法もあります。今はスマートフォンで簡単に録音できますから、試してみるのも手でしょう。
最近はやりのオーディオブックも、忙しくて本を読む暇がないという理由もあるかと思いますが、目で読むよりも耳で読むことのほうが得意な人がいるのでしょうね。

私自身はテキストを色・形も含めた写真のように捉えていました。
繰り返す回数を重ねるごとに写真としての解像度を上げていく。そのために【2】のコーヒー理論(←また勝手に命名(笑))でも述べたように演習を通して、テキストを汚していくわけです。
「あっ!ここはまた間違えたからグリグリマークをつけよう。」でもいいですし、3回間違えた箇所には「3回も間違えてるゾ!要注意!」などのコメントや感想を書いたってオッケーです。
特に私が工夫したのは、アドバンステキストは書き込むための余白が多かったため、記述の間違えノートの機能もテキストに持たせる事でした。
もともと記述の間違えノートは作っていたのですが、おおざっぱな性格なのかめんどくさいめんどくさい病が発病します。
別途読む時間を作るのも手間ですし、読む間隔が空き過ぎるのか自分が書いたはずなのに何を言ってるのかわからない事がままありました。
そこで、記述の間違えもテキストに記載すればテキストを読む度に強制的に触れられますし、記憶のひっかかりとしてテキストも覚えやすくなります。

【5】読み込む順序

さて、ここまでお話してテキストは各科目ごとに順番に読んでいったのか、それとも全科目を並行して読み進めたのかが気になった方もいらっしゃるかと思います。
私は基本的に年内は厳選過去問集もあるため、各科目ごとに丁寧に読み進めました。
ただ、そうは言っても同じ科目ばかり勉強しているとどうしても飽きが来ますから、その時は科目を変えます。
アドバンステキストは民法1冊、不動産登記法1冊、会社法・商業登記法1冊、マイナー科目1冊で構成されているので、メインで1冊読み進め、疲れた時の気分転換としてもう1冊は補助的に読み進めました。

年明け以降は繰り返すスピードが速くなるので、どの順序で読み込むかは特に意識する必要はありませんが、私は民法や苦手科目はできるだけ毎日触れ、少しずつ読み進めていました。
民法は最重要科目なので、常に意識しておきたかったから、また苦手科目は苦手なぶん当然読むのに時間がかかるため、少しずつでも負担を軽くしておきたかったからです。

読書一般に言える事ですが、半分以上読み進め、終わりが見えてくると一気に読むスピードが加速します。
この性質を利用して年明け以降は複数科目を読み進め、半分以上読み込んだものから一気に終わらせると回転数を上げられるでしょう。

また、科目を変えるのと同じように、テキストの読み込みをしていると目ばかり酷使することになりますから、時にはテキストを音読したり(口を使う)、先ほどお話したように自分の声でテキストの内容を録音して聞く(耳を使う)、さらにはテキストの表を覚えているか書いて試してみる(手を使う)など、体の使う部位を変える事も勉強を継続させる手段となります。
自宅で勉強しているとマンネリ化するので、図書館やカフェで勉強するといった場所を変えるのと同じ原理ですよ。

さらに、年明けからは択一実戦力養成答練が始まります。
やらなければいけない事が増えてきて、勉強に遅れも生じてくるでしょう。
その時には優先順位の組み換えを行う必要がありますが、直前期の勉強方法ついては機会を見てまた書ければいいなと思っています。
ただ、今回は注意点を一つだけ。
答練や過去問の演習はあくまでもテキストを覚えるためのツールとして使う事。
この肢はテキストのどのページのどの表を使えば正解を導けるのか?
どの要件にひっかかるから不正解なのか?
問題を解くための根幹となるテキストの知識を押さえておけば、角度を変えて出題されても正解できるため、その分問題演習の量を減らすことができます。

【6】最後に

かなり長々とお話してきましたが、テキストを8回も読み込むなんて無理!と挫けそうになっていませんか?

そんなあなたに...

私は信じています。

あなたが合格を手放さない執念を持っていることを。
挑戦し続ける闘志だって。
弱気になっていい。
負け続けてもいい。

司法書士になるという夢に自分の理想を託して、走り抜けよう。

あなたはきっと素敵な司法書士になるから。


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