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「答練・演習期のこれをやっとけ!」&「この地雷踏むべからず」

 みなさん、こんにちわ。クラスマネージャーの黒澤です。遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。

 今回は、現在受験指導校を利用している方は、いわゆる答練・演習期の真っ只中かと思われます。ですので、この時期から意識してやっておくとそれがいわば「種まき」になり、本試験でそれが自分の武器になることのご紹介を激励の想いも込めてお送りします。
また、この時期に多くの受験生が心をへし折られる「地雷」撤去をしていきたいと思います。
おつきあいください。

【これやっとけ!その1】無駄のない「エコな」問題の解き方を意識する

まず、この時期は問題を時間を図って解くということが多くなるので、不可避的に「どのように解くか」という解法面に意識を向けられます。

そして、この択一の解法に関しては、「組合せの活用」、「△の上手いつけ方を身に付ける」、「全肢検討をしない」等の色々な表現がありますが、要するに、これらは、答えを出す上で無駄なことはしない「エコな」解き方をしましょうということに尽きます。

 いわゆる全肢検討だろうが、組合せ検討だろうが以下のような時間泥棒をとにかく撲滅することに意識が向いていればいいわけです。

 たとえば、

ⅰ、自分の中で正解が出たときに、他の検討しなかった選択肢を保険として正誤判断する
ⅱ、△を使って、スルー又はさっさと飛ばすべき問題を長考する時間を作ってしまう
ⅲ、登記記録問題等の見るからに時間のかかる問題で、制限時間を決めないでやみくもに突撃

 これらをやっている人は「エコ」ではありません。問題演習をしているとき心当たりありませんか?

 そこで、

ⅰ、自分の中で正解が出たときには、それ以上検討せず迅速に次の問題に移る
ⅱ、一瞬でも分からないと思う肢は、迅速に△を付ける又は飛ばす判断をして長考する時間を作らないで確実な肢を探す
ⅲ、時間のかかる問題は「何分以上かけない」と制限時間を決める。知識だけで切れる肢を探して検討肢を絞る

 という風にするわけです。

 これらは癖になっている方は矯正しないと確実に本番でもそれが出ます。そこで、今のうちから意識して、少しずつ自分の中で矯正することをおススメします。

 司法書士試験の択一というのは、時間制限なし一本勝負のタイマンで、一人の超強敵を倒せばいい「個との戦い」ではないです。

 単体ではそこそこの強さの「群」が襲ってくるのを、制限時間内に可能な限り上手く立ち回って倒せという戦いです。つまり、「群との戦い」です。

 普段自分で学習しているときにはこのようなことはあまり意識しません。なぜなら、インプット等の趣旨で普段過去問学習等をしているときは、制限時間を設けないほうが多いですし、その制限時間内で決められた問題数を考えろという負荷をかけて勉強をしていないことのほうが多いからです。

 ですから、ぜひ、この時期から「解き方」にこだわってみてください。

 司法書士試験は、全ての肢に関する知識を「知っている」ことだけが正解への道ではないです。

【これやっとけ!その2】確実な肢で切るという感覚を身に付ける

 上記の解法面を鍛えるということとも関連しますが、「なんとなく“これ”だ」とか、「相対的に“これ”だ」とか、「リーガルマインドで“これ”だ」という選択肢の切り方は、信義則や権利濫用等の一般条項と同じで最終兵器にしたほうがいいです。最終兵器というのは、頭の中にある知識を総動員したが明確な解答根拠が頭に浮かばない、といったようなとき等のインプット知識が尽きたときです。なぜなら、「なんとなく」「相対的に」「リーガルマインドで」というのは、方向性が正解のほうにきちんと向いた推論になっていればいいですが、知識のように客観的なものではなく、確実性が下がるからです。個人の感覚によっても変わり得る要素ともいえます。よって、そうせざるを得ない場合の最終兵器です。

 そして、この知識に関してですが、よく、「不確実な10の知識よりも確実な1の知識」という言葉があります。司法書士試験受験生であれば一度は言われた言葉かと思われます。

 これが良く効いてくる局面というのが、いわゆる
ⅰ、軸肢選択
ⅱ、最後の二択の選択

です。

 この2つに関しては、特に、「確実に自分が明確に思い出せる知識に照らして肢の選択」をしてください。

 客観式の試験で理由や根拠を明確にして問題を解くことをリーズニングなどと呼びますが、このリーズニングをしている方としていない方だと「確実性」という面で差が出てきます。そして、これを普段の演習からしている方と、似たような問題を見たことがあるという経験だけで反射的に解いている方では、「同じことを違う文章であったり違う切り口等できかれたりときに正解できるか」ということでも差になってしまいます。なぜなら、前者は形を変えても妥当する法知識に照らして判断しているのに対して、後者は「確実性」がそれに対して低い「感覚」に依存して問題を解いてしまっている可能性が高いからです。

【地雷 その1】自分の普段のルーティン学習を崩さない

 演習時期に入ると、普段の勉強に答練等の学習という要素が加わるのでやることが増える方が多いです。

 そこで、演習時期に入ると勉強のペースを崩してしまう方が続出します。答練・演習期における地雷その1です。

 ただ、そうなってしまう前にここで考えていただきたいのが、答練等の問題演習をやる目的です。

 答練等の問題演習をやるのは、

ⅰ、普段の自分のルーティン学習をさらに発展させたり
ⅱ、日々のルーティン学習で気づかなかった盲点等の気づきの機会を得る

という部分にあります。

 ですから、主(目的)であるのは、あくまで自分が「今年メインでやろうと思った教材をこなすこと」で、従(手段)であるのが「演習期での答練等」ということになります。

 イメージ的にいえば、あなたが今まで転がしてきた知識の雪だるまをさらに大きくしたり丈夫にしていくのが答練等の役割です。ですから、その雪だるまを放置して溶かしてしまったりしないようにしてくださいということです。「気付いたら全く違う雪だるまを作っていました。」だとか「今まで作ってたのはそこの人参刺さったデロデロになってるやつです」というのはやめてください。目的と手段が逆になってしまっています。

 今やっていることをさらに伸ばしていくためにやるのが、答練等の問題演習ということです。

 具体的には、答練を解いて分からない肢があったら、普段使っているテキストの該当箇所を熟読するようにするだとか、記述でミスをしたらそのミスを二度としないように、普段の自分の解法手順の中にそのミスをしないようにする手順を組み込むようにするというように、自分の普段の勉強を発展させていくような感じで勉強する意識が大切です。

【地雷 その2】答練は収穫期であると勘違いしない

 最後は、メンタルについてです。

 よく答練等が始まる前の時期をインプット期、答練が始まった時期をアウトプット期ということがあります。

 確かに、各種の講座等でこの時期やることの性質はその通りです。

 しかし、結構な方が、前者をいわば「田植えの時期」、後者を「収穫期」のように考えてしまって、「収穫期」には必ず稲が収穫できないといけない、つまり、演習期には答練等で点数がとらないといけないと考えてしまいます。そして、望むような結果が出ないことでメンタルブレイク状態になります。

 ただ、少し考えてみてください。司法書士試験の本当の意味での「収穫期」って答練でしょうか?

 司法書士試験の本当の意味での「収穫期」は当然ですが本試験です。

 大事なことなのでもう一度いいます、司法書士試験の本当の意味での「収穫期」は本試験です。

 そうだとすると今の時期に収穫ができない、つまり、点数がとれないことなんて当たり前のことです。なぜなら、まだ稲が穂をつけるのは先なんですから。

 この時期に答練でも高得点を叩き出し、かつ、本試験でも同じような高得点をたたき出して二毛作ができなければ受からないというようなものではないです。

 ですから、答練で点数がとれようがとれまいが微塵も司法書士試験合格をあきらめる必要はありません。

 模試や答練などでの間違えや失点は、自分ができないということを突きつけられるので、今まで頑張ってきた人は心にダメージを受ける性質のものであります。
自分も同じ試験を受けてきた人間なのでよーーーくわかります。

 しかし、演習期にする間違えや失点というのは、それをきちんとできるようにしさえすれば、本試験ではそれが点数の元になる可能性を多分に秘めているものです。要は、演習期の間違えや、失点は、自分が植えた稲にきちんと蒔き直せば稲が急成長する肥料のようなものです。

 せっかくそんなもの見つけたのに蒔かないの勿体なくないですか?

 受験生にとって「本試験以外のマイナスというのは本試験との関係では全てプラス」です。


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