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短期合格の方向性~学習の序盤で気を付けるポイント~

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。

学習の序盤の時期に「講義をどのように聴くか」「どのように復習するか」などの学習の方向性を定めることは非常に重要です。また、ここで定めた学習の方向性こそが短期合格できるか否かを左右するといっても過言ではありません。

今回は「短期合格の方向性」と題して、そこで今回は、司法書士試験の学習を開始してから序盤で気を付けるべきポイントについてQ&A形式でお話します。

Q:テキストに書かれていることはすべて覚えるべきなのでしょうか?

A:テキストの内容をいきなりすべて覚えることは困難ですし、覚えようとする範囲を広げると、その分、基本知識の取りこぼしが多くなってしまいます。もちろん、テキストに書かれている知識であれば、試験対策上必要な知識ということにはなりますが、それを一気に覚えようとするのではなく、優先順位を付けて押さえていくことが重要です。

同様に、講義内容の理解もあえて100%を目指す必要はありません。すべての内容を理解しようとすると、細部の説明に気を取られてしまい、かえって基本的な箇所が十分に理解できないことがあるからです。

具体的には、①講義で講師が強調した箇所、②付属教材や過去問等の問題で出題があった箇所にはマーカー等の印を付けて、そこで優先して記憶・理解するようにしましょう。印を付けた箇所は優先順位の高い知識なので重点を置く必要がありますが、それ以外の部分は理解・記憶できなかったとしても気にせず先に進みましょう(後々復習で繰り返し触れる際に、そういったところにも目を向けていきます)。シンプルな工夫ではありますが、このように記憶・理解を優先すべき箇所を可視化することで学習効率はグッと高まります。

1回講義を聴いただけで、講義の内容をすべて理解すべき、あるいはテキストの記載をすべて記憶すべきというように思いがちですが、そんなことはありません。むしろこれができる人は一部の天才だというのが私の印象です。このような、いわば天才の学習モデルを追い求めることに無理が生じてしまい、基本的な箇所を落としてしまうケースがあるので注意が必要です。

講義において一生懸命理解・記憶しようとして受講する姿勢はもちろん大事ですが、その中でも優先順位を付けてメリハリをつけて取り組むのが短期合格のポイントといえるでしょう。

Q:問題演習の際は,間違えたところだけテキストに戻ればよいのでしょうか?

A:問題を解く際は、テキストの抽象的な記載を具体的な記載である問題(事例問題など,条文や判例の文言とは異なる表現の出題)に当てはめる、いわば知識の変換力が必要となります。この知識の変換力を身に付けるためには、やはりテキストに逐一戻る姿勢が大事です。

加えて、正解した問題でも「実は勘違いしていた」ということもあったりするため、正解・不正解を問わず、軽くでいいのでテキストに戻る癖をつけておきましょう。

Q:一度正解できた問題は今後解かなくてよいでしょうか?

A:直前期では知識の穴をなくすことに重点を置く必要があるため、自信をもって正解できた問題は今後飛ばして解かないという勉強法も有効ですが、学習の序盤の時期ではあまりお勧めしません。

というのも、今の段階で覚えられた知識の記憶がそのまま本試験まで持続するとも限りませんし、繰り返し問題に触れることでその知識に関する理解も深まり、それに伴い他の分野や科目の理解もしやすくなるからです。正解できなかった問題を重点的に復習をするのも有効ですが、時間を置いてから正解できたものも含め全体の問題に再度触れるなどをして、今の時期に自分の得意不得意によって学習範囲を絞りすぎないように注意しましょう。

2点目の質問に関しても共通して言えることですが、「”当たり前”の”基礎”ほど大事にし、繰り返す」という姿勢も短期合格のポイントといえるでしょう。

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