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テキストが完成するまでの“裏話”

こんにちは、教材校正スタッフのAです。

今回の記事では、講義中にはほとんど表に出てこない、私も実際スタッフになるまで知らなかった教材の面で少しお話しができればと思います
基準点に届かないことがわかってすでに次へ向けて勉強を進めている方、先日の筆記試験合格発表を受けて今後の身の振り方を考えている方、これから司法書士試験にチャレンジしようと考えている方、様々かと思いますが、受験生の皆様に少しでも参考になれば幸いです。

当たり前ですが皆様のお手元に届く教材は完成品です。私ももちろん受講生時代はこの完成品しか見たことがありませんでした。
伊藤塾のHPで教材制作スタッフを募集しているのは知っていたので、一般的な本の制作と同じように、製作する人と校正する人がいるのだな、くらいはわかりましたが、勉強中にそれを特別気にしたことはありません。
実際にスタッフとして勤務を始めて驚いたのは、校正スタッフは思っていたよりも少ないということです。伊藤塾のパンフレットやHPをご覧いただくとわかるように、通年講座の他にも直前講座や短期講座がたくさんありますが、これらの講座で使用するテキストの校正を私たちの部署で担当しています。また、講座のテキストだけでなく、『うかる!司法書士必出3300』など市販している本についても、スタッフが校正を担当しています。市販本に関しては出版社の方が校正をしているのかと思っていたので、これにも驚きました。

校正としてはこのように少数で業務をしていますが、もちろん教材を作るには他にも多くの人がかかわります。
ひとつの講座のテキストにしても、コンセプトがあって教材制作をし、実際に講義を担当する講師の意見等も反映しながら、私たちが校正をし、様々なチェックを経て、最終的に完成したものが皆様のお手元に届きます。
教材制作の他にも、そもそもどういった講座がいいのか検討する企画担当や、講座を皆様にご紹介する営業担当、皆様の受講相談を受ける担当、テキストや講義の内容について皆様の質問受けをするクラスマネージャーなど、ひとつのテキストに多くのスタッフの想いが込められていますもちろんスタッフ全員の想いは受講生の皆様に合格していただくことです。
講座を受講していると、皆様が意識するのはおそらく講師だけだと思います。もちろん私も受講生時代は講師以外を意識したことなどありませんでしたし、受験生の皆様が私たちのようないわゆる裏方・中の人のような存在を意識する必要はありません。ただ、せっかくこうしてnote記事を書く機会があったので、ご紹介をいたしました。

ところで、私自身は伊藤塾の講座を受講して合格をしましたが、受講した講座は入門講座(模試含む)、択一登記法集中演習講座、演習コースのみです。つまり受験生時代はこれらのテキストしか見たことがなく、中上級講座や他の単科講座のテキストには触れたことがありませんでした。
その経験から、自分が初学者として勉強している際にテキストのこの表現は少しわかりづらかったな、これは紛らわしかったな、という内容は入門生目線で校正をしています。逆に中上級講座は受講していませんでしたので、原稿を手にする段階で初めて見るものばかりです。とはいえ入門講座は一通り受講をしているわけなので、こちらは自分が2年目の受験生という目線で校正しています。

受験生のレベルに合わせて、初学者向けで作成されている入門テキストは詳細な説明がされており学習経験者向けの講座は表も多用しながらコンパクトに重要論点をまとめています。同じ学習経験者向けであっても、『スタンダードコース』で使われているテキストはインプットテキストでありながらアウトプットのQ&Aが一体化したオールインワンの内容ですし、『アドバンスコース』で使われているテキストは、膨大な知識量が必要な司法書士試験の学習内容をコンパクトにまとめてあります。また、どうしても法律の勉強はカタい話になってしまいがちですが、『これでわかる!基礎完成講座』はイラストが多めで難解な法律をやわらかく、イメージを掴みやすい作りになっています

入門テキストはどうしても量が多くなり、私も受講していたときは科目ごとに次々に届く分厚いテキストに辟易していましたが、それとは反対に、スタンダードテキストやアドバンステキストの原稿を見たときには、あまりにコンパクトすぎて、正直なところ本当にこんな分量で大丈夫なのだろうか、と思いました。しかし、校正をするためによくよく内容を見てみると、表を活用して中身をスッキリまとめることで内容としては入門テキストよりも一歩先を網羅しています。やはり学習経験者に向けた内容になっているのです。
では入門テキストでは内容が足りないのかと言ったらもちろんそうではありません。私は入門講座を受講して一発合格しましたので、入門テキストでも十分に合格できる内容が網羅されていることは実証しています。もしこれから入門講座を検討している方がいましたら、そこは安心してください。

このように、司法書士受験生のための合格テキスト、という土台は同じものでありながら、各講座で使用しているテキストは受講生の知識量や経験等に合わせて、コンセプトや方向性はまったく異なるものです。ご自分のレベルや状況に合わない講座を受講しても、講座のもたらす恩恵を十分に受けられない可能性があります。
こしこれから伊藤塾で受講を検討をしている方、いろいろあってどれを選んだらいいかわからない……という方は、講師のカウンセリングやスタッフの受講相談を活用して、スタート地点を間違えて遠回りしてしまうことのないように、ぜひともご自身に合った講座を選択してください。
ここから、合格への道は始まっています。


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