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IT&マーケティング界隈の動向まとめ(2021年4月分)

Twitterに投稿していたニュースをもとに、2021/4/9~2021/5/8の1ヶ月程度の期間で起こったIT&マーケティング界隈の動向を振り返ります。


①AI insideの衝撃

先月分では『AI insideの衝撃』という記事を紹介しており、通常のSaaSセオリーとは異なる代理店売上メインだからこその指数関数的な成長には注目していたが、その裏の代理店解約リスクが顕在化して恐怖のどん底へ。GW前後で株が大暴落しており、SaaSを見るうえでのエポックメイキングな出来事になりそう。なお、公式文書はこちら。


②露出増えるNotion

引き続き、エンドユーザーからの露出が多いNotion。いい感じにテンプレができたことをTwitterで報告するケースや、テンプレ自体を公開してくれるケースが多く、またビジネスだけでなく学業での活用との相性も良いようで意外な領域での活用例も発信されている。GoogleドキュメントやYoutube動画の埋め込み方や音声入力の仕方など、様々なハックが記事発信されるなど、ブーム目前の様相を見せている。この手のCGM的なバイラルがプロダクト設計にありそう。


③SaaSベンダーの労働集約サービス

2月分で紹介していたTechCrunchの記事ではSaaSの次なるトレンドとして

ベストプラクティスを提供すること、ソフトウェアソリューションに専門家サービスを内包すること、月額固定ではなく従量課金にすること

を言及していたが、やはり続々と動きが顕在化している模様。3月分で紹介したクラスメソッドの事例もそうだが、覇者Amazonによるコンサルティング、Web接客ツールのReproの運用代行など。ツールだけを提供するのは資本集約的で効率はよいが、やはり人がいないと活用が進まず売上が伸びないだけでなく解約率が上がってしまう問題に対して、カスタマーサクセスを重視するとコンサルティングや運用代行をオールインワンで提供する体制をベンダー自身が整えていく動きは今後も強くなると思われる。


④領域の被るSaaS

SaaSが伸びているのはもちろんだが、機能拡張が進み、オールインワン系のツールが増える中で『領域が被る』というのは確かに顕著。また、近接するツールのAPI連携が強固に進む中で、API連携が進みすぎるとワンツールとして統合した方が規模の経済を出せるようになるとして、合併や買収も活発になると思われる。IDaaSの指摘も興味深い。

なお、ユーザー目線では、領域が被ってツールの違いを見抜くのが難しくなっているとも言える。この背景には、ベンダー目線で高単価な導入を促すうえで、現場ではなく経営層のアピールを重視する傾向もある。プロダクトとしてどういうUIかという手段感より、プロダクトを活用することでどういうUXを実現できるのかという目的感が重視されがちで、究極的には「売上を●%アップ」,「業務稼働を●%削減」,「DXを推進」,「埋もれるデータを価値に転換」などの無味乾燥な表現が乱用される印象もある。要注意。


⑤スプシ活用のリード獲得

コロナ禍の手軽なリード獲得手法として、スプレッドシートの活用が徐々に登場してきている。ナレッジをスプレッドシートでまとめたものを限定公開し、閲覧希望者をフォームで募集して、連絡が来たら限定公開のURLを共有するという形である。

Google Workspaceの無料枠で完結する仕組みである点、ナレッジ自体がスプレッドシートという非エンジニアでも更新しやすい媒体である点、そして社内知見の共有と外部発信を兼ねる点が、手軽さの背景にあると考える。


⑥GNUデータベースの展望は?

世の中的にはSnowflakeを中心としたクラウドデータベースがどこまで浸透するかがマーケットの注目するところだが、Snowflakeのような先進的なデータベースをも『従来の』サービスに括ってしまうのが、CPUデータベース vs GPUデータベースという括り。筆頭に上がるのがKinetica。もはやハード面で圧倒的なスペック差があるわけで、いくらCPU陣営がソフト面で頑張ったところで処理速度では勝てるはずがないわけだが…

一般的なビッグデータではSnowflakeでも十分なパフォーマンスを出せるわけで、GNUデータベースが本領を発揮できるマーケットは今はかなり狭いと思われる。5Gでデータ爆発が起こる近未来での勝負が本命か。


⑦SaaS Playbookという神コンテンツ

All Star SaaS Fundが発信してきた数々のコンテンツが、フェーズ別に綺麗にまとまってナレッジとして公開された。

今までALL STAR SAAS FUNDで発信してきた記事や情報の中から、フェーズ毎に着目して欲しいポイントをまとめました。SaaSスタートアップの立ち上げ期から拡大フェーズ、そしてARR 0からARR 100億円まで。SaaSスタートアップのフェーズに分けてコンテンツを並べています。

圧巻の知見量。必見。


⑧気になる資金調達ニュース

今月も気になる資金調達ニュースが多くあった。特に、オンライン会議領域で異色のウェブサイト埋め込みを可能にするIntrovoke、時系列を念頭に置いたクラウドデータベースであるTimescaleが興味深い。


⑨他SaaSナレッジ

SaaS Playbook以外に、今月も学びある記事を多数見つけたので紹介。


⑩その他気になるニュース


以上、今月の振り返りでした。

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