手放せば、大切なものは見つかる
猛暑の或る日、麻布十番の行きつけのサロンへ向かった。
プロフィール写真のヘアメイクを担当もしてもらったら美容師・ケイタさんがいる。
休日の美容院は人が多かった。髪の毛が鬱陶しくなる夏の暑い日。
私は前髪を切ってもらった。
「スタッフの人増えましたね」と私は言った。
3ヶ月前までは1人で切り盛りしてるイメージだったけど、スタッフが3名になっている。
「おかげさまでそうなんですよ。最近またもう一人増えるから4人になります」オーナーでスタイリストのケイタさんは嬉しそうだった。
5ヶ月前アシスタントの女の子が急にお店を辞めケイタさんはとても悲しそうだった。ケイタさんは続けた。
「あの時は大変でしたけど、『人が離れていくのはどうしようもない。その時そばにいる人を大切にしなさい』ということだったんだと思います。今いるスタッフはその時ぼくのそばにいて支えてくれたんです」
大事なスタッフを手放すのは辛いけど、これから自分を支えてくれる大切なことが見つかったのだ。私は自分に最近起こったことを思い出していた。
「最近、長く付き合った方とお別れしたんです。
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