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HADOにおける優位性

以前のnoteで何回か話している通り僕は基本的にサッカーの戦術や概念をHADOに落とし込んで理解の助けにしている。サッカーでは現在ポジショナルプレーと呼ばれる配置論が一種のブームとなっており、既に僕もこんなnoteを書いたりしている。

そもそもポジショナルプレーはチェスからサッカーに流用された理論である。チェスは戦争を盤上に再現したゲームであり、こちらの方が理解しやすいと思うのでこれを例にする。皆さんは歴史の授業でB29を竹槍で落とす的な旧日本軍のトンデモ論を聞いたことがあるだろうか?(まあ多分あると思うんでさらーっと流します。)
ポジショナルプレーという概念には優位性を測る3つの指標がある。その優位性を測る指標とは質的優位、量的優位、位置的優位の3つであり、この場合では質でも位置でも航空機に利がある以上、いくら人数を増やしても敵う訳がないという事である。感覚的にB29が圧倒的有利なのはすぐ分かってもらえると思うが、指標を用いる事でどこで有利不利が生まれているのか理解しやすくなる。

これをHADOにおいての質的優位、量的優位、位置的優位とは?と考える事で、何故有利不利が生まれたのか試合を振り返る時の助けになれば、というのがこのnoteの本題です。僕の考察だけが正解ではないので皆さんも一緒に考えながら読んでいただけると幸いです。

まず質的優位について。
これは勿論プレイヤーのスキル(エイム、回避、チャージ、判断力など)もそうだし、ステータスの振り分けについても言える。例えば3331と1135の振り分けを例にすれば3331の弾の方が当たりやすく、1135の壁の方が長持ちする。
大会に出るレベルのプレイヤーであれば1135のプレイヤーは壁を破り、3331のプレイヤーが相手を狙うと言ったプレーを特に意識するまでもなくしていると思うが、これは攻撃面においてより質の高い弾を送り込む為の術である。

次に量的優位について。
HADOのルールではプレイヤーは3vs3だが、K.O.後3秒間の硬直時間があるため、一時的に3vs2だったり3vs1になる事もある。プレイヤー数が多い状態が続けば優位になるだろう。(逆に言えば簡単にK.O.されると他のプレイヤーは数的不利で戦う事になるので回避スキルは大事!) 弾についても他の条件が同じなのであれば弾数が多い方が優位である事は明らかである。チャージロスを無くして常にチャージが出来る事が数的優位に繋がる。壁については1人3枚、1チームで合計9枚と両チーム同数だがこれも質が同じなのであれば9枚使った場合と一切使わなかった時では差が出るだろう。(シールドにはステータスを振らず、あえて貼らないという作戦もあるだろうが)

最後に位置的優位について。
HADOにおけるプレイヤー配置の基本として距離分スピード感が変わってくるので前にいれば相手に弾を当てやすく、当てられやすい。後ろにいれば弾を当てにくく、当てられにくい。 と言われている。つまりヒットアンドアウェイがちゃんと出来るというのは常に位置的優位を保てている状態と言える。また、壁においてもただなんとなく貼った場合よりもより多くの弾を防げる場所だったり壁の裏から攻撃がしやすい場所に貼る事でアドバンテージを得ることができる。

簡単に言うとこの様な形で3つの優位性が存在している訳だがそれぞれが独立している訳ではないことは分かっていただけると思う。 プレイヤーの量を常に多い状態で試合を進めようと思えば回避の質も必要だし、相手をK.O.して減らす為の攻撃の質も必要になる。位置的優位を取らせようと思っても回避の質がなければ危険なポジションは相手にケアされる。

そして HADOにおいて大事なのがステータスによってどこに優位性を持っていくか自ら選ぶ事ができる所である。スピードやスケールに振れば弾の質が上がるしチャージに振れば弾の量が増える。シールドに振れば壁の質が上がる。しかし、ステータスで何処かに優位性を持たせるという事はその分何処かを削らなくてはならない。これをチーム内でバランスを取ったりあえて尖らせたりする事がHADOにおける作戦と言える。

ex.)オーソドックスな作戦
プレイヤーA. 3331
質、量共にバランスが取れている
プレイヤーB. 4321
弾の質に振っている分量が少ない
プレイヤーC. 1135
弾の質が悪いが量は出る、壁の質全振り

この振り分けで目指すのは弾の質が高いプレイヤーAとBによる攻撃である。プレイヤーCに弾の質がない分他の2人がK.O.されるとチームの攻撃力が落ちるため、プレイヤーCは2人をシールドで守る。また、プレイヤーBは弾の質に重きを置いており量が少ないためシールド相手に弱い。プレイヤーCは弾の質はないものの、量は多いためシールドを壊し、プレイヤーBの攻撃を助ける。

また、キモになるのがプレイヤーの位置である。攻撃役2人を活かすためにはより前で攻撃に参加してもらった方が良い。プレイヤーCは彼らが位置的優位を取れるようなポジションにシールドを貼るとともに後ろに下がる事で弾に当たりにくいという位置的優位を得る事が出来る。後ろは弾をプレイヤーに当てにくいというデメリットはあるがCの弾は攻撃の為でなくシールドを壊すために使うからデメリットたり得ない。

プレイヤーの質こそスキル依存のため練習した人が優位であるに違いないが、攻撃が苦手なら攻撃にはステータスを振らずシールドに徹したり回避が苦手なら他のプレイヤーのシールドを貰ったりとチーム内での作戦やステータスの振りで弱点を隠し、優位性を得ることが出来る。

チーム内のプレイヤースキルにおける得意、不得意に合わせてどの優位性を取りにくいのか、どこを諦めるのか。ステータスをどこに割り振るのか。この戦略性がテクノスポーツであるHADOの面白さではないかと思います。
皆さんもこれを機に戦術などについて自分のプレイや観戦に活かしてもらえたら幸いです。

貴方にとってこのnoteが有意義であれば幸いです。 普段は「HADO」というスポーツのプレイヤーをしています🍌  スキ、フォローで応援頂けると嬉しいです