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HADO WORLD CUP2019振り返り

 こんにちは。
わちゃわちゃ☆ピーポーというチームに所属しているぶちょう。と申します。

 今回のnoteでは先日行われたHADOの世界大会、HADO WORLD CUP2019について振り返っていきます。

今回の結果から話してしまうと残念ながら我々わちゃわちゃ☆ピーポーは世界一を逃してしまったのですが、大会自体は素晴らしいものでしたので皆さんと共有できればと思います。

 HADOのルールが分からないという方もいるとは思いますが普段イベント等でインストラクターを勤めるHADO CREWがW杯当日分かりやすい前説をして下さったのでまずはこちらをどうぞ↓

1.強いものが勝つのではなく、勝ったものが強い 

今回のW杯を一言で表すのであれば"波乱"であったり"混乱"が似合う様なセンセーショナルなものであったと思います。

以前のnoteにも少し出てきたHADO Singapore運営のジャスパーさんやHADO Malaysia運営のオットさんも今回のW杯の結果には"surprised"や"shocking"と言ったワードで感想を伝えてくれました。

 しかし、小見出しの通り"強いものが勝つのではなく、勝ったものが強い"。これは勝負毎の真理だと僕は思っています。

 今回優勝した和心はレベルの高いと言われる日本勢の中において下馬評は低かったという事に異論はほぼないと思います。
と言うのも2019年シーズンはグランドスラムと呼ばれる主要大会への出場を尽く逃す苦しい戦いを強いられた中、W杯への切符に関しても何とか掴んだ感すらありました。

 そんな和心の躍進を見た僕がまさに!と思い、感じた文章が東大卒プロゲーマーのときどさんの著書『世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0』より新R25にて抜粋されていたので紹介します。

「負けや失敗に慣れろ。努力とは“負け”を積み重ねることだ」 
実際、「勝ち筋」よりも「負け筋」の方が、圧倒的に分析・検証がしやすい。 
失敗することで、自分がやろうとしていることが正しいのか、間違っているのかが明確にわかります。
「負けや失敗に慣れる」ことによるいい影響もあります。ここぞという本番に強くなれるのです。

 大会が終わった後、和心ろぜ選手と少し話したのですが彼は「iXA/ANATSUCHわちゃわちゃ☆ピーポーの練習に混ぜて貰ってボコボコにされたのも意味があったのかなと思うと感慨深い。」といった旨の話をしてくれました。

 今シーズン負け続けた和心がここぞという本番、世界大会で最後に王者に輝いたのはろぜ選手が負けを負けのまま終わらせず、実力に昇華させたようにチームとしてまさに『"負け"を積み重ねる努力』をする事が出来た成果と言えるのではないでしょうか。

2.和心の強さとは何か

 

僕が見ていて感じた和心の強さとしてあげられるのは万能性、アジャスト能力の高さです。

他のチームの選手は普段から使用するステータスは1つか2つ程度でほぼ決まっており、その練度を高める事に練習時間を費やしているイメージなのですが和心のプレイヤーは今回の大会で各々が2つから3つ以上のステータスを使い分ける事で戦術に大きな幅を持たせる事に成功しました。

また、これはHADOがスポーツとして途上である故ではあるのですが今回のWORLD CUPで使用されたような公式コートサイズより小さな練習場しか現存していない為、グランドスラム大会では各チーム普段より大きなコートでの闘いを強いられます。

しかし、和心は他のチームより多い複数のステータスを慣れないコートサイズで上手く使いこなす事で勝ち上がる事に成功しました。

 複数のステータスを使い分けるという事は一つのステータスの練度を上げる為の時間は限られますし、チームメンバー4人が複数のステータスを使い分けた場合に1チームとしての組み合わせ数を考えれば尚の事です。

それでも慣れないコートで慣れない組み合わせを微塵も感じさせない和心の面々の動きこそ上手くアジャストさせる能力が高い証左なのではないでしょうか。

3.ターニングポイント

予選ではヒュブリスに敗北を喫し、グループD2位での決勝トーナメント進出、グループB首位通過のiXA/ANATSUCHとの準々決勝へ臨む事になります。

今大会での和心躍進のターニングポイントは間違いなくこの日本ランキング2位のiXA/ANATSUCHとの試合ではないでしょうか。

本来iXA/ANATSUCHが得意とするのは4321のステータスプレイヤーを複数用いた攻撃的な闘いですが和心のシールドを使った戦術を警戒し、SHUTO選手SHINTARO選手の2人が3331、DAICHI選手が4321と攻撃力を少しシールド対策に割り振って1本目に臨みました。
 対する和心ろぜ選手が3331、D.U選手が1135、津軽三味線健太郎選手が4321とシールドを用いた戦術で勝負を賭けます。

 ステータスの相性ではシールドを読んだiXA/ANATSUCHがやや有利で和心側のシールドを早い段階で全て割る事に成功、一時はリードも奪うものの普段より攻撃力が劣る分突き放す事が出来ず逆転を許す。
終盤には前衛プレイヤーがリスクを取ったパワープレイで4-4に追い付くもブザービートを決めた和心が4-5と1点差の勝負を制する。

 一本先取されたiXA/ANATSUCHは和心が同じ作戦で2本目も取りに来ると判断し同じステータスで2本目に挑むも仕掛けたのは和心ろぜ選手とぅるん選手が1135、津軽三味線健太郎選手が4321と攻撃手が1人に対してシールドプレイヤーを2人にする大胆な作戦。

序盤は硬いシールドで攻撃をシャットアウトし、2-0と優位に試合を進めた和心だったがシールドを失った後は攻撃力の差から苦しい展開に。残り10秒まで4-4の同点と粘りを見せるも最終的には突き放され6-4でiXA/ANATSUCHの勝利。セット数1-1で勝負は3本目へもつれ込むことに。

1本目、2本目とシールドを見せられたiXA/ANATSUCHとしてはシールドを警戒する他なく、慣れないながらもステータスは同じものをチョイスせざるを得ない。ここでまたも仕掛けたのが和心。梯子を外すかの様にろぜ選手3331、とぅるん選手4321、津軽三味線健太郎選手4321という攻撃的ステータスに変更。
 
これに関しては控え室でも「仮に和心が攻撃的にくるかも知れないと分かっていてもシールドが怖くて攻撃的なステータスは振れない」と盛り上がっていました。

 攻撃力の差から和心優位と思われるもiXA/ANATSUCHも粘り残り25秒辺りまで0-1のビハインドとほぼ互角。残り20秒近くに和心が連続得点を奪うと一気に流れは和心へ。パワープレイも冷静に対処し更に得点を重ねると最後はシールドで逃げ切りタイムアップ。2-5で3本目を制した和心が準決勝進出。

その後は準決勝、BuG Bro.得意のシールド戦術を2本ともD.U選手が2341のステータスを用いてストレートで勝ち切る。

決勝戦でのヒュブリスとの試合はseimei選手の3241に生半可なシールドで付き合うのは危険と判断。
1本目はろぜ選手3331、とぅるん選手4321、津軽三味線健太郎選手4321という攻撃的なステータスで勝利。

2本目はろぜ選手1135、とぅるん選手1135、津軽三味線健太郎選手4321という超守備的なステータスで勝利。ストレートでの優勝を勝ち取った。

4.まとめ

和心のステータスはともすればピーキー過ぎる部分もあり、対策されれば危ういものでもあったが彼らの万能性故に各チーム後手を踏んだのではないかと思われる。 そして何より戦術を実行する万能性だけでなくどの戦術を使うのか意思を統一しお互いを信頼して役目を全うするチームワークに拍手を送りたい。

特に今回のW杯で1の矢に絶対の自信を持つヒュブリスBuG Bro.の両チームへの対策は素晴らしく、両チームをストレートで破った事は和心にとっても大きな自信になるはず。

 表彰式でD.U選手は「実力ではまだ2連覇を目指すと言えるレベルにはない。」と前置きしつつも「いままでダークホースと呼ばれてきたが、もうダークホースではなくなります。和心らしく楽しんで頂点を目指せれば。」と述べていました。

来シーズンのHADOではアップデートが行われることが予定されています。現行ver.に比べてステータスでの優位差が顕著になるため、よりチームワークが重要視されると言われています。
 

和心の強みはチームワークであり、戦術の幅広さです。 
来シーズン、ダークホースではなく本命候補に名乗りを上げた和心がどんな闘いを見せてくれるのか是非追ってもらえればと思います。
和心、W杯優勝おめでとう!

P.S 和心のろぜ選手が他チームを紹介するnoteを書いていたりするので紹介しつつ、更新の催促とさせていただきます。

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筆者のpolca


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