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時間術再考 - To Doリストなんて要らない
Voicyのはるラジオ(以前は「ワーママはるラジオ」というタイトルでした)で余白時間をブロックするという話が放送されていました。
余白時間をブロックするのは、ついつい予定を次から次へと入れてしまいがちな人にとっては非常に有効な手段だと思います。
Microsoft Office Suiteを導入している企業だと、オプションの一つとして毎朝Vivaというメールが入り、コンタクトした方が良い人やおそらく残っているであろうタスク、そしてじっくり自分一人で考えるための時間をブロックすることを勧めるリマインダーのようなものが送られてきて、その場で余白時間をブロックできるようになっています。
毎朝送られてくるので、仕事の仕方を見直すのに良いヒントがもらえます。おせっかいぽくて鬱陶しいと感じ切ってる人もいるかもしれませんけれど。(笑)
新任マネジャーに対して研修を行うとき、週の中で必ず最低1時間は溜まっているタスクを整理したり中長期的なプランや戦略をとるように教えます。
そうしないと目の前のタスクに追われる担当者と全く同じ視点で仕事をすることになってしまい、それでなくても次から次へとやってくる仕事が回らなくなってきますので。
少し前に時間術について別のnoteに書きました。
そこでは、7つの習慣やGTDと言ったタイムマネジメントの手法についてまとめていました。そして、それらを学ぶ中で私ならではのやり方として、紙のTo Doリスト、タイムブロック、Inbox Zeroの3つの組合せで仕事をするようになり、だいぶ楽になったと書かせていただいていました。
ただWFM(Work From Home = 在宅勤務)が常態となってきてだいぶ時間が経った今、少しやり方を変えています。それによって、精神的にもかなり余裕ができました。
どんなことをしているか、なぜそのようにしたのかについてまとめてみますね。
To Doリストが生み出す不要なストレス
次々とタスクがやってきて何から先に手をつけて良いのかわからなくなった時に、一旦作業の手を止めてTo Doリストを作って頭の中を整理するということをよくしていました。
いわゆるマインド・スイープで頭の中にある未処理事項を書き出してみると、結構な量になってきます。それを見るだけでゲンナリしてしまってエネルギーが低下します。
未処理のタスクや、やり方がパッと浮かんでこないタスクというものは頭の中ではものすごく時間がかかるように感じられるものです。
これは、時間が経てば経つほど風船のように膨らんできて、あれもやらないといけないのではないか、ここを調べるのに時間がかかるのではないか、と頭で考える度に想定される所要時間は伸びてゆき、それと同時に面倒くさく感じて手をつけ難くなってきます。手をつけないから時間だけが経ってゆき…という悪循環が起こり始めるのです。
あれこれ考えるよりもさっさと手を付けてしまった方が絶対に良いのですが、どの順番で片付けるのが効率が良いかとか考えたり、他の急ぐタスクがあってそちらに意識を取られていたりとかでなかなかそうも行かなくなってしまい、その日の終わりに「今日もこれできなかったな」とため息を漏らすようなことになっていないでしょうか。
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予定に入れないとやらない
やらないといけないタスクは考えているだけでは減ってくれませんし、頭の中に残っているとマインドシェアを占めることになってしまいます。
結局のところ、手をつけないことには目の前からも心の中からもいなくなってはくれません。とはいうものの、他にもやるタスクがあるのであれば、すぐにはできないでしょうし、すぐに片付くものではないから考えてしまっているのだと思います。
そのタスクについて考えるのをやめて、ストレスなく仕事に集中するにはどうしたら良いでしょうか。
当たり前のようではありますが、予定に入れてしまうことです。
GTDが説いているように、2分以内にできるようなものであればその場でやったほうが良いのですが、少なくともまとまった時間を使って調べたり考えたりしないと片付かないような仕事については、それに取り組むための時間を予定表の中に組み込んでしまった方が良いです。
言葉を変えると、予定に組み込むことで仕組み化してしまってその時間になったら自動的に取り組むように自分を持ってゆくのです。
具体的に私がやり始めた方法をお伝えしましょう。
まず、メールやチャットで新しいタスクがやってきます。その時点ですぐできるものか調べたり進め方を考えないとできないものかを判断します。ここまではGTDと同じだと思います。すぐできるものはその場で片付けます。
次に、時間がかかるものについては、どのくらい時間がかかるかを考えるより先に、いつまでにそれを片付けないといけないのかの日を定めます。いわゆるDue Date(=締切日)ですね。
それが終わったら、締切日までの間に3回、1時間ずつ、そのタスクに取り組むための時間枠を設定し予定表に入れてしまいます。かかる時間が見積もれるのであればもっと短い時間でも良いでしょうけれど、どれだけかかるのかわからない場合はこの1時間を3回でセットします。
Outlookなどのスケジュールソフトが入っているのであれば、それに入れてしまい他のメンバーからもそれが見えるようにしておきます。
ここで大事なのは、本当に1時間ずつ3回で終わるかどうかと言うのは考えないでとりあえず予定をブロックすると言うところです。
また、1時間と言う長さも実は重要です。と言うのも、一つのタスクに1時間以上も集中力は続きにくく、時間が経つごとに効率も低下するので気分転換が必要になるからです。
私の場合は1時間でブロックしていますが、実際には1時間も集中力は持たず、45分ぐらいなんとか続けられて残りの15分は休むか他のタスク(メールの処理などのすぐ終わるタスク)に移ってしまっています。もっと短い時間、例えば30分単位とかでやったほうが効果的な人もいるかもしれませんね。ポモドーロ・テクニックのように。
つまり、そのタスクに最大限の集中をできる時間を複数用意して、その時間はそれ以外やらないと決める、と言うことです。
メールやチャットでくるような依頼は大抵の場合はこの集中1時間を3回で片付きます。これが企画ものやクリエイティブとなるとそうはいきませんので、タスクを受け取った時点で、納期を交渉し長めの時間を何回かに分けてブロックすることも必要になってくるでしょう。
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プランのための時間をとる
このやり方を始めてみて驚いたのは、To Doリストが要らなくなったことです。
すぐできるものはリストに書かずに終わりますし、すぐできないものは予定表に即座に書き込まれるからです。実際、私は愛用していたリーガル・パッドをリスト作成には使わなくなりました。
これは私にとっては気分的に大きな変化を生みました。To Doリストをみてゲンナリすることも無くなりましたし、頭の中に未処理のタスクが重たく残っていて気になって目の前のタスクに集中できなかったり、仕事を終えて寝る前に気になったまま残っていたり休みの日に思い出してしまったりと言うことがなくなったからです。
「予定表に入っているのだから、その時に考えればいい」となったわけです。まさしくストレスフリーです。
さらに続けてみてわかったのは、予定表を見てどの順番で何をするかを考える時間は必要になってくることでした。
これはそんなに時間がかかるものではなく、1日の中でせいぜい10分とか15分なのですが、毎日やることが重要です。
私の場合は、朝一番と夕方にこの時間の見積りの仕直しをするように時間をブロックしています。当初の見積もりよりも早めに進んでいることがわかるとモチベーションが湧きますし、余計にかかってしまっているとしても早めに見直しをしておけば調整は可能ですし、場合によってはクライアントや仕事の受取手に期限を延ばしてもらうように交渉することも可能です。
クライアントも早めに間に合わないことを言ってもらった方がありがたいはずですので、遠慮することはありません。
また負い目に感じることもありません。なぜならば、自分の集中力が最大になるようなやり方でやっているのでこれ以上のスピードでできるはずがなく、決してサボっているわけではないからです。
結局のところこのやり方は、ワーキングメモリーの中にあるタスクについて書き出して考えるという「無駄な時間」をなくし、代わりに処理する時間をまとめてブロックすることで結果的に時間を節約し、自分自身の時間あたりの生産性を最大に高めているといえると私は思っています。
そして、この確信があるからこそ、気持ちの上でも余裕が出てきます。
大丈夫、考える時間ちゃんととってるから必ず片付けられる、と。
そんな「仕事が片付いて行く感覚」が常にあれば、楽しく仕事もできるのではないでしょうか。
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