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「雑穀で世直し」ってどういうこと? 

こんにちは!
10月とはいえ日中はまだまだ暑い沖縄ですが、少しずつ秋めいてきましたよ。

お芋やカボチャなど、大好きな食べ物が旬を迎える季節なのでワクワクしている、れいです。


雑穀の素晴らしさ、覚えていますか?

前回の記事「2023年は『国際雑穀年』雑穀ってすごい!」
でもお伝えしましたが…

雑穀は、食物繊維や抗酸化物質、タンパク質、鉄分など栄養価がとても高く、

過酷な環境でも比較的栽培しやすいことから、

気候変動に対応しうる作物として注目されている作物なんです!(…と私もnoteを書く中で学びましたよ〜笑)。

そして雑穀には、それぞれの特徴を生かし、お肉やお魚の代わりになるぐらい様々な食べ方があり、美味しく食べられることもお伝えしました。

このnoteを書いている浮島ガーデン&樂園カフェのメンバーです♪

◇私たちについて
沖縄県那覇市で、五穀や島野菜を使ったヴィーガン料理を提供する「浮島ガーデン」 と、系列店の「樂園カフェ」で働く仲間です。「『いただきます』から世界を変えよう!」をテーマに、「食べること」について学んでいます。普段は料理や接客をしているので書くことには不慣れです。どうぞ温かく見守ってください。「スキ」をいただけると励みになります。

神様に捧げる神聖な作物の五穀

そんな素敵な雑穀!
実は日本では古くから栽培されており、神様への捧げものとして神行事には絶対に欠かせないものでした。

波照間島では沖縄戦の最中でさえ、五穀を収穫するために疎開先から故郷の島に戻り、五穀を守り続けたという記録があるそうです。それほど大切にされてきたのですね。

雑穀は神様に捧げる作物であると同時に、食べるものが少ない当時の人々の命を守り繋いできた大切な作物だったわけです。

そんな雑穀が今、危機的状況なんです

私たち浮島ガーデンは、波照間島や小浜島、久高島、渡名喜島で収穫された有機の雑穀を使ってお料理を提供しています。

けれど、雑穀を有機で栽培している農家さんは少なく、収穫量は年々減っています。

この5月、私たち浮島ガーデン・樂園カフェのスタッフは西表島と波照間島に行き、農家さんの作業をお手伝いしたりお話を聞かせていただいたりしました。

西表島で黒紫米アカマヤーマイを無農薬で育てる那良伊孫一さんにお話を伺いました

その中で見えてきたのは…

・農機具が壊れても、なかなか修理に来てもらえない
・修理や農機具の購入には莫大なお金がかかる
・気候変動の影響で天候不良が続くと収穫量が減る
・動物に畑を荒らされる
・人手不足や後継者不足
・農業従事者の高齢化

などなど、たくさんの難しい課題でした。

特に印象に残ったのは、収獲しながら脱穀できるコンバインや畑を耕すトラクターなどは、とても高額だということ。

天候不良などで不作が続くと投資に見合った収入を得られず、結果的に借金を抱えてしまうのだそうです。

「農業を続けたくても続けられない」
「子どもに継がせたくても継がせられない」

そんな葛藤があることも聞かせていただきました。

農家さんの奮闘に感謝しなきゃね!

私は農家さんのお話を聞きながら、農家さんの日々のご苦労や頑張りがあってこそ、美味しい食事ができるのだと、改めて感じました。

そして、私たちがいつも食べている物なのに、その作り手のことを考えない、考える環境が少ない世の中って、何だかおかしいな〜と感じるようになってきました。

少しでも農家さんの毎日のお仕事に思いを馳せ、感謝して食べる気持ちを広げていきたいなと思いました。

西表島で田んぼの見学をした時には、実際に動物の足跡があり、稲穂が食べられた跡もありました。雨が少ないせいで、田んぼなのに水が張られてなくて田んぼだと認識できなかったことにも衝撃を受けました。

波照間島のもちきび畑での収穫体験中にはコンバインが壊れてしまい、作業を中断せざるを得ない現状も体験しました。

炎天下での作業は、とても体力が奪われます。

それを日々続けている農家の方は、とてもすごいと思いました。

波照間島のとんちぇ農園の西里ご夫妻

五穀の力で世の中を良くする!

私は浮島ガーデンに入社して以来、オーナーの中曽根直子さんから五穀の魅力や大切さをたくさん教わってきました。

直子さんは沖縄雑穀生産者組合の組合長も務めていて、沖縄の五穀復活のため、農家さんを応援するため尽力しているとてもパワフルな方です。

直子さんのお話を聞くうちに、先人たちがどれほど雑穀を大切に繋いできたのか、ということが私にもだんだんと分かってきました。

中でも私が特に印象に残っているのは、「ユバナウレ」のお話です。

沖縄生まれ沖縄育ちで、石垣島にも住んだことがある私ですが、この言葉は聞いたことがありませんでした。

「ユバナウレ」という言葉は、八重山諸島の神歌によく出てくる言葉です。
「世が直る」という意味ですが、「豊作の世になれ」と五穀豊穣を願う言葉でもあるそうです。

「五穀が豊作であれば世が直る」

先人たちはそんな想いを歌に託して、後世の私たちに伝えているのですね。

そんな大切な五穀を、私たちが暮らす土地でもっとたくさん作って食べることができれば、人々も健康になり、食糧自給率も上がり、社会も人も良くしていけるのではないかー。直子さんの話を聞きながら私もそんな風に感じ始めています。

直子さんの五穀への想いが詰まった記事を見つけたので、こちらも読んでくださいね。↓
OKシードプロジェクトのサイトより

雑穀のこと、農家さんのこと、もっと知りたい!

大好きなモチキビ

2023年が国際雑穀年に制定されたように、雑穀はこれからの社会を良くしていけるきっかけになる作物ではないかと、私は考えています。

店のお客さまや私の友だちが雑穀料理を「美味しかったよ〜」と伝えてくれたり、直子さんの料理教室で雑穀料理を習う人が増えてきたりと、雑穀の魅力が少しずつ広がっているようにも感じます。

もっともっと沖縄から、雑穀の魅力を広めていけたらいいな〜。

私もまだまだ知らないことが多いのですが、このnoteをきっかけに調べること、伝えることができて、とてもありがたく感じています。

皆さんもどこかで雑穀料理を見かけたら、ぜひ選んで食べてみてくださいね!

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

◆こちらも読んでくださいね
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