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沖縄の食生活を支えてきた! 偉大なる芋たちの偉大なる物語

皆さん、こんにちは。浮島ガーデンスタッフの歩です。
南国・沖縄もめっきり寒くなってきましたが、皆さんどうお過ごしでしょうか?

私は寒くなると無性に食べたくなるものがあります。
それは・・・ずばり焼き芋!

ほくほくとした食感と優しい甘さ、そして焼いた時のあの香り! 最高に食欲をそそりますよね♩

焼き芋だけでなく、タルトにしても、蒸しても、天ぷらにしても美味しいお芋。実は沖縄の食の歴史と深く関わってきた大事な食材なのです。

今回はそんなお芋、サツマイモの歴史について学んでみました!


伝来の歴史~日本初上陸の場所は沖縄だった!

今では全国各地で当たり前のように目にするサツマイモですが、元々は日本に存在しない作物でした。

1600年頃、沖縄が琉球と呼ばれていた時代、人々の生活は貧しく、夏の干ばつや台風等の影響で畑の作物が育ちにくい環境だったため、常に食料不足に悩まされていました。

そんな状況を憂いた野國總管(のぐにそうかん)という人物が、中国に渡り甘藷(かんしょ=サツマイモ)を持ち帰り、栽培を始めたのです。

(※總管とは・・・中国と交易などを行なうための琉球王国の官船である進貢船の乗組員の役職名です。)

サツマイモは稲作よりも気候不順に強く、年間通して収穫ができることから栽培が広まり、噂を聞きつけた那覇の士族・儀間真常(ぎま・しんじょう)によって沖縄全土に広まっていきました。

こうして琉球の人々は飢饉から救われ、人口も増加していったそうです。

その後、薩摩によって九州地方に持ち込まれた後、18世紀に日本全土に広まったとされています。

※参考資料:嘉手納町・野國總管と甘藷

※参考資料:伝統サツマイモ品種「紅赤」発見120年記念 「紅赤いも歴史物語」

サツマイモの栄養価について

サツマイモの栄養成分の大きな特徴は、豊富な食物繊維でヤラピンという樹脂成分が排泄を助け、便秘を防いでくれます。

また、ビタミンCも豊富で、加熱しても壊れにくいという特性があります。その他、カルシウム、リン、鉄、カロテン、ビタミンB1、B2なども多く含まれています。

沖縄の伝統”色”!?  紅芋とサツマイモの違い

沖縄から本土へと伝わっていったサツマイモですが、もう一種、沖縄を代表する芋として「紅芋」と呼ばれる品種があります。

沖縄県民の皆さんには馴染みのある芋ですよね。

特徴は何といっても、断面の鮮やかな赤紫色! どことなく沖縄をイメージさせるカラーですね♩

この紅芋とサツマイモですが、どうやら違いは色だけではないようで、調べてみたところ、

サツマイモ・・・ナス目ヒルガオ科サツマイモ属
紅芋・・・ヤマノイモ目ヤマノイモ科ヤマノイモ属

とのことでした。びっくり!
同じ芋でも学術的には違う作物なんですね♩

よく紫芋と紅芋が混同されがちですが、紫芋はサツマイモの一種。紅芋は沖縄で品種改良されてきた沖縄特有の芋なんです。

沖縄で品種改良された芋は「宮農◯号」と名付けられていました。1970年代後半に読谷村で宮農36号を使った村おこしが始まったことがきっかけで、”紅芋”というブランドとして定着していったそうです。

※参考資料:おもいもコラム・紫芋と紅芋の違い。紅芋は、沖縄から持ち出せない?その謎に迫る

※参考資料:紅イモ品種の戦後からの軌跡

戦後を救った”沖縄100号(ヒャクゴー)”

さて、沖縄で芋の紹介をする上で欠かせない芋があります。

”沖縄100号(ヒャクゴー)”というサツマイモの品種です。

この芋はかつて、戦後・沖縄の食糧難を支えた貴重な食料でした。

このヒャクゴーは1934年、沖縄農業試験場で松永高元という人が作り出した品種で、自然交配ではなく人工的に品種改良した結果、誕生したそうです。

沖縄から誕生したヒャクゴーは育ちが早く、一度に多くの収穫ができ、栽培も容易な芋として、沖縄だけでなく深刻な食糧難に陥った敗戦後の日本を支えました

さらに日本だけでなく、戦争中に中国大陸に渡ったヒャクゴーは非常食として多くの人々の命を救い、戦後は「勝利100号」と名前を変え、広く栽培されていったとのことです。

沖縄で育てた作物が日本中の人々の支えになっていたなんて・・・!

私も今まで知りませんでした。もっと多くの人々に知ってもらえると嬉しいです。

※参考資料:「沖縄100号」の味

※参考資料:忘れられた食糧難時代の恩人、サツマイモ「沖縄100号」の松永高元

宮古島の人々の命を繋いだ”宮農7号”

次に紹介したい芋が”宮農7号(ミヤナナゴ)”です。

こちらは1947年にアメリカ軍占領下の宮古民政府産業試験場で開発されたサツマイモで、戦後の宮古島の食生活を支えてきました。

島民の命を繋いだ貴重な芋ですが、いつしか加工用品種の栽培がメインになってしまい栽培する人がいなくなり、その品種は途絶えてしまいました。

しかし、70年経過した2017年、なんと竹富町の黒島で自生しているミヤナナゴが発見されたのです!それは地元の方が数年前まで育てていた畑から野生化していた1株でした。

※参考資料:「宮農7号」か、黒島で発見 戦後宮古に普及したサツマイモ

一度は途絶えたと思われていたミヤナナゴですが、地元の方によって受け継がれていたのですね。

人々に忘れられても苗が残っていたことに感動しました。

この発見を機に、ミヤナナゴ復活に向けて活動されている方が絵本と歌を製作されてるプロジェクトのInstagramがありました! 良かったらぜひチェックしてみてください! 
  ↓
みやななごproject instagram

豊作に感謝を込めて…八重山プーリィ

八重山の豊年祭の「五穀」には芋が入っています。浮島ガーデン店主の中曽根直子さんが、八重山で撮影した写真を見せてくれました。

芋の恩恵を受けてきた沖縄県民!
特に昔からの伝統行事・祭りごとを大事にする八重山の人々は、五穀豊穣に願いと感謝の気持ちを込めて、毎年夏に豊年祭(プーリィ)を行います。

プーリィとは、八重山の方言で豊年祭の事を指します。プール、プーリンと表現することもあるそうです。

「五穀」という何となく穀物のイメージがありますが、八重山の五穀には稲、粟、麦、フームン(もろこし=高キビ)、そして芋(サツマイモ)が含まれています。

それだけ芋の恩恵は大きいんですね…!

フームンは高キビのことで、樂園カフェでは雑穀バーガーのパティとしても使われています。

沖縄の人気サイト「DEE OKINAWA」さんのサイトに、豊年祭に参加した方の細かな体験記があったので紹介しますね。

🔸石垣島四ケ字のプール(豊年祭)では何が行われているのか

こちらの体験記(↓)も面白くて、私も実際に見てみたくなりました〜!
🔸石垣島の四カ字豊年祭(ムラプール)  【サイト「南の島旅」】

沖縄で馴染みのある芋!
ということで軽く調べてみたら膨大な情報が出てきて、沖縄の食の原点に触れるとても良い機会になりました。

この記事を読んでくれた方々が、少しでも沖縄の食文化に興味・関心を持ってくれたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました♩

(歩)

◇私たちについて
沖縄県那覇市で、五穀や島野菜を使ったヴィーガン料理を提供する「浮島ガーデン」 と、系列店の「樂園カフェ」で働く仲間です。「『いただきます』から世界を変えよう!」をテーマに、「食べること」について学んでいます。普段は料理や接客をしているので書くことには不慣れです。どうぞ温かく見守ってください。「スキ」をいただけると励みになります。

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