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景色は見えるのに、言葉だけが追いつかない。

頭の中に浮かぶ景色は鮮明なのに、言葉を添えられない時がある。

「なんて伝えたら?」
「どこを切り取れば?」

何度となく、言葉に詰まる。

脳内をスキャンしてプリンターにでも写せたらいいのにと、いつの間にか言葉にできないことで頭がいっぱいになる。

そんな時は、煮詰まった体を連れて少しだけ外に出る。
日の出前の暗闇でも、真夜中でも足を一歩外に向けるだけで、
小さな脳みその中で悩んでいる時間が勿体無いくらいの空に、吸い込まれそうになる。

「大丈夫」って言ってもらえる気がして。

雨が残していった湿度に、じめっとしながら少しだけ心地よさも感じる時間。

イラストで夜空を描く機会が多いのは、このためなんだろうか?と思った。

真っ暗な空の絵を無性に描きたくなる、課題でもなんでもなく。

きっと、多分、わたしは夜の空が好きなんだと思う。

頭の中で詰まった言葉たちを、解放してくれる気がするから。

コミュニケーションに悩むことが多かった、昔のわたし。今でも上達したわけではないし、悩むことも多いけれど、誰かとうまく付き合っていくことは、自分を自分でいかに解放できるかなんだろうなと最近ようやくわかった気がする。

言葉に詰まるって追いつかないのは、相手の中に自分を見つけようとしてる時。

夜の空は、大切なことを教えてくれる気がする。
世界を包みこむって、どんな気分なんだろう。



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