生きられるのか

バイトが決まった。

まずは好きなことをするために、そしてこれから生きていくために、がっつり働くと決めた。

イベントバイトで4時起きで遠いところで数連勤だってできていた。ちょっとがんばればできると思っていた。


朝の通勤ラッシュの電車を乗り継いだ。

息苦しかった。身体が重くて立っているのがやっとだった。

この電車を降りればきっと座れる。この電車を降りればすぐに楽になる。

そう繰り返し自分に言い聞かせても、そんな都合の良いことはなかった。

「○○駅で倒れたら秒で助けてもらえる」

知り合いから聞いた言葉を思い出しつつ、しゃがみこんでお茶を飲んだり、上体を前に倒したりしながらなんとかバイト先へ向かった。


電車を降りてバイト先へ向かえばしばらくは落ち着いていた。2時間半は普通に指示を受けながら働くことができていた。お腹が痛かったけど、朝ごはんが少なかったせいかな。

2時間半が経った頃、平衡感覚が乱れてきた。身体のほてりと吐き気。こんなにダメなの何年ぶりだろう。焦りで心拍数も上がっていた。上司に一声かけて、手袋を外して整備されていない休憩室に逃げ込んだ。空っぽの胃からは空気だけが逆流した。


上司は優しくて、休憩を早めにとって1時間経ってもダメなら帰るよう言ってくれた。

原因を調べ、考え、少し栄養を摂って、薬も飲んで1時間過ごした。


マスクを外して深呼吸を繰り返す。その程度じゃ心拍数は治まらない。心拍数が少しくらいおかしくても、立っていられれば。

立ち上がると、膝下が少し震えて、あまりに心細かった。

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【募金箱】病人ですが演劇も被写体もこれからやっていきたいです。サポートしてくれたらもっと色々できちゃうかもしれないので、興味があれば是非。