"継続性"を持つアイドルグループが抱える難しさ

モーニング娘。の出現以降、日本のアイドル界に新たな文化が生まれました。それは、メンバーが「加入」と「卒業」を繰り返していく、という新たなグループ制度です。

特定のメンバーの集合体をグループとする従来のグループ制度から、グループという枠組みを残したまま中のメンバーを変えていくというとても斬新なシステムが生まれたのです。

このグループ制度をとっている代表的なグループといえば、先に述べたようなモーニング娘。やAKB48を中心とした48G、また乃木坂46や欅坂46などの坂道グループなどが挙げられます。
逆に、ももいろクローバーZなどは従来のグループ制度をとっています。

この"継続性"を持つグループ制度の長所の一つとして、"物語"という深みを持つという点があると思います。
人間、特にオタクは物語に弱い。グループが継続していくことによって多くの物語が生まれ、そこにエモさを感じるのです。たくさんの物語が積み重なりグループの歴史となっていく。
やはりこれが、この継続的なグループ制度を持つアイドルグループの面白い点だと思います。

が、しかし、これを維持していくのは簡単じゃありません。
特に芸能界は入れ替わりの激しい世界。次から次へと新しいコンテンツが生み出されていく。

私は今モーニング娘。のオタクをやっているのですが、周りにモーニング娘。が好きだと言うと「モーニング娘。ってまだやってるんだ」と返されることが多々あります。
なんとかグループを維持できていたとしても、常に第一線で活躍していくというのは難しい。
AKBも今はまだ耐えていますが、ここから更に厳しい状況にはなっていくでしょう。

このようなグループシステムを持つアイドルグループには定期的な「コンセプトの変化」が必要ではないかと勝手に思ってます。
従来のようなシステムを持つグループでは方向性の一貫性は重要なポイントのひとつであり、そこでグループとしての個性を出していくことが大切です。ももクロやBABYMETALがウケたのもこのコンセプティングが重要な役割を果たしていると思うんです。
しかし先にも言ったように新しいコンテンツはたくさん出てくる。
これから先、グループを何十年と続けていくのならばずっと同じコンセプトで芸能界に残っていくのは厳しい。流行は常に変化していくので。更にコンセプトはある程度メンバーによって決められている部分はあると思うので、メンバーが変わっていくのならばコンセプトも変化していく方が自然な気がするんです。

モーニング娘。は今必死にこの壁を乗り越えようとしています。
モーニング娘。'14あたりから、新メンバーの加入によってメンバーがかなり若返ったのもあってグループの雰囲気がガラリと変わりました。
またそれと同時に新たなEDM路線の楽曲やフォーメーションダンス、スキルの高さなどが再評価されて、若い女性ファンも増え、じわじわと盛り上がりを見せています。
やはりこれを考えると、定期的にグループのコンセプトを変えていくのは有効な手段だと思います。

しかし、だからといって何でもかんでもコロコロ変えちゃうのは良くないんですよね…。
やはり既存のファンを失ってしまうリスクがあるので。そういうファンは実際お金もたくさん落としてくれるし大切にしたいですもんね。
でも人気商売なんだから母数増やした方が良いとも思うんです。既存のオタクの要望に応えるより新規ファンの獲得を優先すべきなんじゃないかなあ。難しいなあ。そう、加減が難しい。

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