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在職老齢年金(2) 

在職老齢年金制度は、年齢で二つに

①65歳未満—-「減額・停止」対象となる年金は「特別支給の老齢厚生年金」
②65歳以降—-「減額・停止」対象となる年金は「老齢厚生年金」
        ※)老齢基礎年金は在職老齢年金の対象となりません

①65歳未満の在職老齢年金

制度内容は以下の日本年金機構HPで確認されるのが宜しいかと思います
60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法(日本年金機構HP)

65歳未満の対象となる「特別支給の老齢厚生年金」は「高齢者 働き方変わる節目」(6)でも触れています・・日本年金機構のHPはこちらですね

年金月額(1ヶ月の年金額)と総報酬月額相当額【(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12】を合計して28万円を超えると「超えた額の1/2の額が年金月額からマイナスされる」事となります

【高年齢雇用継続給付金との関係】

給与と賞与の他にも減額対象となる収入があります。日本年金機構HPは以下です
雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整
現役時と比べて一定基準の割合以下となった場合、雇用保険が補填してくれる制度(非課税!)ですが、これも収入とみなされる訳ですね・・ただ、この高年齢雇用継続給付金も法改正によって制度縮小から廃止に向かうようです

2020年1月時点では「2025年度に60歳に到達する人から給付率を半減させる」といった方針で、今後は段階的に廃止されていくという方向性のようです。

2022年(令和2年4月)からの法改正

年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました(厚生労働省HP)

年金の減額の基準となる28万円(年金月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円を超えると、減額の対象となる・・)が47万円へと引き上げられます。(因みに65歳以降の在職老齢年金は、今も47万円です)

昨日も書きましたが、年金減額となる基準給与額が引き上げられる事になります
働いて報酬を得ても年金で「損をしない」(好きな表現ではないけど・・)という形になるのですね

再びの私見

高齢者の働き方で年金受給に「損」「得」が発生していて、その「損」の部分が高齢者の労働意欲を低下させている=モチベーション低下につながっている・・
だから、法改正して・・
結果的に「低額な報酬に抑えられる」「低額になった部分は雇用保険から補填する」「給与収入あるんだったら年金は、そんなに必要ないよね」・・

この様な「勝手な前提」と「公的年金制度の悪用」によって高齢者の働き方が歪められたままになって来た訳です。損得でなくて・・・
「働きたいから働く」「働く必要があるから働く」であれば、60歳未満の労働者と同じように処遇すれば良いだけだと思っております。給与に加えて年金が必要な状況であれば、その権利を行使するだけです。「今は公的年金が必要でない」のであれば・・65歳以降の年金受給を「繰下げる」という選択をするだけです(続く)



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