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3つの保険と「在職老齢年金」

さて・・「在職老齢年金」です

簡単に言いますと厚生年金保険に加入して働いた場合、公的年金(厚生年金)を受給すると「報酬額・賞与額に応じて年金の一部、もしくは全部が支給停止になる事があります」ということです

1月4日の「「高齢者 働き方変わる節目」令和3年1月1日の日経新聞 から思うこと(1)」にも書いてますが、厚生年金保険の保険料納付の上限年齢は70歳となっていますが、保険料を納めない70歳以上の方で適用事業所に勤務している方も対象となります。

「保険料を払っているのに、年金を貰えないなんて・・なぜ??」

このように質問される事も多くあります

でも、答えは案外・・納得できるものなんです

厚生年金保険・・そう「保険」なんです

国民年金は「保険」という名称ではありません。これは障害基礎年金の中にある「20歳前傷病による障害基礎年金」制度において「国民年金の保険料を納めなければならない20歳前に障害認定日があり、20歳になった時に障害状態にあれば障害基礎年金が支給される」という制度に起因するものと聞いております。保険料を払い合って、必要な方に給付をするから保険の意味がある訳です。この「20歳前の・・」は素晴らしい制度で、保険料を納めていない方にも給付されるから国民年金「保険」ではない・・という事です。

「保険」は、生命保険・医療保険・傷害保険・火災保険・自動車保険といった民間保険が想像しやすいと思います。何らかの事象(リスク)によって、お金が必要になる際に備える仕組みです。その際に支払われるお金が「保険金」となります。その保険金の原資は「保険料」ですが・・これは必ずしも自分で支払った保険料と同額ではありません。仮に保険契約をして、その効力が発生した翌日に保険金を受け取れるような事情に陥った際に保険金を受け取れる事を想像しますと、仕組みは容易に分かります。

 そうです。同じようなリスクに対して保険に加入した「自分以外の多くの保険契約者」の保険料によって保険金が支給される仕組みです。

公的年金制度も同じです。「保険」という名前が付いていない国民年金も同じ仕組みです。公的年金の種類は三種類。「老齢」「障害」「遺族」です。この三つに共通しているのは「収入を得る事が難しい状況に陥る」というリスクです。この辺りは公的年金を理解する上で重要な論点です。違う場面で詳しく語りたいと思います。

さて、話題を「在職老齢年金」に戻しましょう。公的年金の受給条件とは別に・・そもそもの意義は「収入を得る事が難しい状況に陥った時」への備えです。であれば「加齢に伴い労働収入を得ることが難しい状況」というのが、老齢年金の支給意義である事は容易に想像がつきます。

その中で幸運にも?収入を得る事ができる訳ですから・・そこは主旨と少し違いますから、考えましょうね・・というのが「在職老齢年金」という事です。

しかし「それは損でしょ?」「長年、保険料を納めてきて受給条件も満たしているのに・・・」という意見があります。政府はこれを「高齢者の働く意欲を削ぐ大きな要因である」と捉えて「在職老齢年金制度の見直し」に着手した訳です。ここも別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

さて、在職老齢年金を詳しく説明すべきか?

それとも「損か?」について私見を展開するか?

(続く)とします・・・


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