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天照大神からの贈り物

日本という国、なんだか伊勢神宮の天照大神が作ったみたいになっていますが、私は違うと思っています。

記紀(古事記・日本書紀)にもありますが、もともと国を治めていたのは、出雲の大国主大神です。そこに天照大神から遣わされた神が、大国主大神に「国を譲れ」と脅迫してきました。

脅された大国主大神は、争うことなく天照大神に国を譲りました。これが出雲の国譲り神話です。

最近も、世の中的に皇統の話が出たりします。しかし私は、こういうストーリがあるから、見方によっては、今の皇室などというものは、出雲・大国主大神から国を強奪した天照大神の子孫なのではないか?と思ってみたりしています。

記紀についても、今の日本人は、最古の歴史書などといって、ありがたがっていますが、こんなものは持統天皇(天照大神)と藤原氏(武甕槌命・経津主命)の正統化に使われているものであり、それ以前の「天皇」の歴史闇に葬っているのではないかと疑っています。

そんなわけで、私自身、元々、天照大神を祀る伊勢神宮には、あまり良い印象を持っていませんでした。

脅迫して国を奪った者(天照大神)よりも、脅迫を受けて争うことなく国を譲った者(大国主大神)の方が、日本人の「和」の精神を体現しており、尊い存在ではないかと思っていたからです。

仮に大国主大神の子孫がいるとしたら、今の皇室よりも、そちらの人々の方が気高く、日本人としては、敬うべき本流なのではないかと思うほどです。

ただまぁ、実際のところ、記紀が歴史を捻じ曲げているとしたら、本来の天照大神がどういう神様であったかは分からないともいえるので、最近は、あまり目くじらを立てることもないかなぁ、などとも思っていました。

すみません、前置きが長くなりました。ここからが本題です。

今、私がお世話になっている富士河口湖農園さんでは、おコメを作っています。

そのなかにイセヒカリというのがあると聞いていました。このイセヒカリ、登録品種ではないため、自由に栽培も可能です。

「ふーん、変わった名前-

それくらいにしか思っていませんでした。

ただ、このイセヒカリ、昨年は田んぼに冷たい水を引いてしまったため、出来が悪く、今年、農園では作らない予定だったらしいのです。

作らないと聞いて、ちょっと気になって調べてみたら、このおコメがすごいおコメでした。

イセヒカリは、コシヒカリの突然変異種と言われている。1989年に伊勢神宮の神田で発見された。1996年1月16日、酒井逸雄少宮司は皇大神宮御鎮座二千年を記念して「イセヒカリ」と命名。現状では、未品種登録で各県の奨励品種にはなっていないが、硬質米タイプのためその由来(皇室米)からもコメ輸出向きの品種と寿司米・神酒米に期待される。
1989年、伊勢地方を台風が二度襲った。被害を受けた神宮神田「西八号田」のコシヒカリは完全に倒伏したが中央に2株並んで直立している稲があることを神田事務所の森晋(作長・神田管理責任者)が発見し、試験栽培を試みる。

ウィキペディア「イセヒカリ」より引用

イセヒカリは、コシヒカリの突然変異種で、伊勢神宮の神田で発見されたものなのです。

しかも、そのストーリーが劇的です。台風でやられてしまった伊勢神宮の神田で、2株だけ残っていたのが、それだったのです。

コレ、どう思います!?

普段、出雲・大国主大神推しの私からすると、かつて「国譲り」を迫ってきた伊勢・天照大神から、和解の印として贈られてきたおコメにしかみえませんでした(言い過ぎかな!?)。

とにかく、農園の方には、私が強く強く説得しました。

イセヒカリ、今年絶対やりましょう!絶対やるべきです。」

・・・ということで、やることになりました(笑)。

もう他のおコメは、種まきに備えて、浸水工程に入っています。その様子は、先日記事にした通りです。

イセヒカリをやるのであれば、一日も早く「のぎとり」、「塩水選」、「温湯消毒」をして、他のおコメと同じ「種籾浸水」にまでもっていかないと、種まきに間に合わなくなります

なので、さっさとやりましょう!ということになったのです。

うるち」と書いてあるのが、イセヒカリです。この日、イセヒカリと一緒にもち米についても、準備を進めることになりました。

まずはのぎとりです。

これは、先日も使った機械で行います。

約2週間前にも行ったことなので、このあたりの作業は、生意気にも知ったような顔をしながら、ササっとお手伝いできました。

続いて塩水選ですが、ここで農業リーダー・軍曹殿が、用事があるとのことで、離脱されることになりました。

大釜に火だけつけて、「あとよろしく

・・・へ?

この大事な作業、私一人でやれと!?

軍曹殿、スパルタ過ぎますってば・・・・でも、こうなったらやるっきゃない!

まずは塩水選をするために、適当な比重に調整した食塩水を用意します。そして、そこにネットをかけます。

このあたりで、かなり不安になってくるので、私が過去に書いた自分の記事を検索して、手順を確認したりもします。

うん、間違いない・・・」

塩水選をしながら、たまに火の様子も確認します。徐々に火が弱くなってくるので、適当に薪を追加します。

「この薪だったら、このあたりに置けば、ちゃんと火が付くかな・・・?」

多少、アップアップになりながらも、それなりに順調に作業は進みます

そんなことをしていたら、そこに農園のお仲間さんが通りかかりました。

「お?いいですねぇ・・・お芋焼かせてもらっていいですか?」と言われて、サツマイモが放り込まれました。

いいですよ?もちろん、いいんです

けど、塩水選と薪の管理でいっぱいいっぱいになっている竹内には、限界です。もう芋がうまく焼けるかなんて、神経を使っている余裕はありません。半分パニック状態です。

竹内なりに調整していた火のエネルギーは、燃えてくれない芋の方に持っていかれるので、何となく火力が落ちていくような気がします。

「わぁ、火が消えちゃうぅぅぅ

実際、本当に火が消えかかってきたので、その頃には、もう芋そっちのけで、再び薪を追加し始めました。

結果、芋は真っ黒な炭と化したのでした(チャンチャン♪)。

焼き芋を楽しみにしていたお仲間さん、ごめんなさいでした。竹内、次はうまくできるように頑張ります

さておき、そんな格闘をしながら、もち米とイセヒカリの塩水選を無事終えました。

塩水選に合格したイセヒカリの種籾がこちら!!!

どうです!?

昨年、冷たい水を引いてしまって、出来が悪かったと言われていたイセヒカリなので、ほとんど塩水選で不合格になってしまうかもしれないと覚悟していましたが、かなりたくさんの種籾がとれました♪

ここで、用事を終えた軍曹殿が現場に復帰しました。

先日同様、もち米とイセヒカリを60度・10分の温湯消毒にかけます。

・・・ということで、この日、イセヒカリも無事、温湯消毒まで済ませて、他のおコメと同じように「種籾浸水」の工程に入りました。

天照大神からの贈り物であるイセヒカリ、無事、準備が整ったかたちです。

どれだけうまくいくかは分かりません。けど当初、「出来が悪いらしいし、種籾も少なそうだから、隅っこの方でちょっとだけでも」と考えていたイセヒカリ、これだけたくさんの種籾がとれたとなると、田んぼ一枚、丸ごとやってみたくなります

さて、どうしますかね。とにかく、楽しみです♪


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