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Epistemic modalityと向き合った大学院

なかなか、更新をできていなかったので、ぼちぼち再開していきたいと思います。
この4月からは公立高校教員(英語)となり、奮闘中の毎日です。
続きとして、人文学系大学院でどんな研究をして修了したかの更新をしたいと思います。



修士論文のタイトル

ズバリ!タイトルは

『Investigating the role of epistemic modality and inference development through logic games』


と言っても何が何だかわかりませんね。笑
①「epistemic modality」
②「inference development」
③「logic games」


この3つそれぞれが何を表しているかを順を追って説明します。

まず

①「epistemic modality」(法助動詞)


シンプルに言うと、「自分の感情の程度を表すために使用される表現」です。ほとんどが助動詞でもあります。
例えば、You must be tired. (あなた絶対に疲れているでしょう。)
It cannot be true. (真実なはずがない。)

「できない」「しなければならない」などの意味ではない、推量や断定を表すものです。
1人の英語学習者としてこの表現を読むことはできても、使いこなせるようにはなかなかなりませんでした。
特にCEFRレベルC1の表現にはこのようなものもあります。


これをなんとか、より効率的な形で、獲得することはできないか、これが研究の原点です。

そして

②「Inference development」

の切り口。
これは一言で言うと、情報を瞬時に多角的な視野から判断できるかということです。
これは次に挙げるlogic gamesの具体を見ることではっきりすると思いますので、一旦「へー。」と流してください。

最後に

③「Logic games」

これは論理的思考力を伴うGameを指します。
実験で使用したのは、Eidoku(Eigo/English + Sudoku)*Supervisorの素晴らしいネーミングセンスです。

EidokuとはSudokuの数字を英単語に変えただけのものです。
このパズルを素早く完成させるためには、多角的な視点(inference development)が欠かせません。
そしてパズルを遂行していくうちに、「ここにこの数字があるからこれが入るはずはない。」「ここにこれがないから・あるからここにはこれしかあり得ない」このような推量的表現がEpistemic modalityということになります。

つまり何を研究したかというと・・・


まとめると私の研究は、Eidokuを通じて多角的な視点を獲得しつつ、Epistemic modalityの習得に結びつけることができるのか、ということです。

具体的な実験プロセスは少し細かいので、簡略化すると、1週間に1回を5回行いました。そして初回と、最終回のものを録音し、意味のまとまりごとに分析をしました。
みても気持ち悪いだけですが、こんな感じです。笑

実験参加者は全部で五人。国立大学生で英語専攻です。しかし初回の発話では誰もepistemic modalityを使用してLogic gameを進めることはできませんでした。
しかし5回目では全員がmodality表現を獲得しました。(特にmust be)

教員になるということが決まっていながらも教職大学院へは進学せず、人文社会系で修士を取ったからこそディープな研究ができたと今では思います。

現在の葛藤

なかなか学校現場で、理論と実践のバランスが取れていない、研究をしたことが活かせていない、ということが自分の課題として残ります。

校務分掌業務から、就職進学個別指導、部活動・・・。静かに座って何か物思いに耽る余裕がありません。

まずは夏休みに向けて授業をして、じっくり考えることができる時間に没頭していきたいと思います。

自分の英語の力を伸ばすことと、授業に対する教材研究の両立をどのようにしたら良いでしょう??

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