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【※前職の記事】僕とOliveの付き合い方

ベンチャーで働く、と聞くと皆さんはどのようなイメージを持ちますか?
情熱あふれる仲間と目標に向かって邁進できるやりがい、日々トラブルに巻き込まれ解決を迫られる困難、一人で様々な仕事をこなさなければいけない究極のマルチタスク。

学生時代は、そもそも民間へ就職することを考えていなかった私ですが、色々と今後の身の振り方に迷っていたときに、良い出会いもあり”ベンチャー人”として社会に飛び出すことになりました。昔から、多くの人がやっていることをあえて自分がやる必要はないと考えていましたし、少しでも新しい何かを世界に生み出したいという思いを心の底に秘めていました。

勢いでこの世界に飛び込んだ私も社会人生活5年目に突入したので、今回は改めてOliveのメンバー紹介や仕事をする上で感じていることなどを紹介できればと思います。

Oliveと新人類

私が働くOliveは、生体データの解析を通して「感情の可視化と応用」を目指すベンチャーです。Oliveで仕事をしていると、これまで自分が培ってきた経験や知識に無駄なことはなかったのだな、と感じることが多々あります。医工学研究という人間を対象にした技術に関わっていたことだけではなく、IEEE TOWERSでの活動など分野横断型の志向をしていたことが、様々な価値観や状況を考慮に入れなければならないベンチャーの取り組みに上手くはまったと感じています。感情の可視化と応用という、確立された方法がない市場の創出に向き合う私たちにとって、異なる分野のノウハウが適切に交わることが非常に重要です。多様性だけあっても力が分散するだけで、そこに存在する関係性を見い出して相乗効果へと変化させてこそ、初めて価値を生み出す可能性が開けてくると考えています。そして、今のメンバーにはその可能性があると、日々お互いに学びあいながら感じています。。

私がOliveに参加するきっかけになった人がいます。竹内精治(たけうち・せいじ)さんです。以前はいわゆるバリバリの商社マン。アメリカ・シリコンバレーでの駐在経験などを通して、新規ビジネスの立ち上げを数多く経験し、「未知の可能性」を見つける直観力に優れています。ビジョンの実現に向けて人を巻き込む求心力も強く、無茶ぶりは日常茶飯事。例えば大切なピッチコンテストへの登壇を当日の朝に申し渡されたりと、事前に準備をしたい派の私は何度も肝を冷やしています。これまで出会ったことがないタイプの人です。

学生当時から変わらないこと

そんな彼の、突拍子もない思い付きに近いアイディアを形にしていくのが私の役目でもあります。竹内さんは私のことを「歩くWikipedia」と呼んでいるのですが、確かに私は大学時代から本の虫でした。高校生のときにきちんと勉強しなかったこともあり、「ここで勉強すれば何かが変わるかも」と思った私は、大学3年時は図書館に開館から閉館まで引き籠り、当時専攻していた電子工学はもちろんのこと、他学部のシラバスを参考にしてとにかく専門書を読み漁りました。当時は何をしたいとか考えず、ひたすら知識を得ることが面白かっただけでしたが、あの時蓄えた知識がOliveのビジネスや竹内さんをはじめとする他のメンバーのアイディアの種になっていると実感しています。

それから、Oliveで仕事をしていると、自分は実は頑固だったんだな、と気付かされます。頑固というか、自分の中で大切にしている価値観が割とはっきりしていたんだなと。私にとって技術は「社会の中で使われてこそ」の存在です。大学4年生から大学院まで研究した医工学(医用工学、医用生体工学)は、補助人工心臓や切れた血管を吻合するデバイスの開発など、工学技術そのものが「人のためになる」ことを目指しているので、学生時代から工学と人の関係を考えることが重要だと感じていました。また、ある技術が存在することが個人や社会にとって害になることは悪だとも考えていました。そういった意味でも、感情の可視化や応用は慎重さを伴わなければなりません。利益の裏には必ず害がありますが、そのリスクは事前に織り込んで対策を考えなければいけません。なので、竹内さんの意見であれ、たとえお客さんの意見であっても、負のインパクトを顕在化させ警笛を鳴らすのも私の役目です。

挑戦:本の虫が社会を見る

竹内さんはよく「突き詰めて考えた後の直感はけっこう正しいもんだよ」と言っています。正解が未だ存在しない仕事だからこそ、メンバーのアイディアはどれもが尊く、ダイヤモンドになる可能性を秘めています。その中から特に大きく綺麗な原石をさがし、磨くのが、私や竹内さんの任務かもしれません。とは言うものの、その選択にはきっと正解も間違いもなく、進んだ先の状況を手掛かりに、また新しい道を切り拓いていくだけなのだと思います。既存の基準や価値にそった綺麗なダイヤを見つけるのが大企業の仕事であるとすれば、「これからはこれが綺麗ということなんだ」と新たな基準を提示することがベンチャーの役割だと思います。そして、新しいことをするというのは壮大な実験であり、ベンチャーの活動とは研究そのものなんです。

私はどちらかというと、石橋を叩いて渡りたい性格ですが、今は叩く余裕もないほど日々とにかく進め、という生活です。テクノロジーの世界の進歩は非常に早く、だからこそ全力でキャッチアップしなければ、私自身が目指す「社会に役立つ技術の開発」などとうてい叶わないと自分を奮い立たせます。学生の時より格段に社会に近づくことが出来た今、アカデミックな世界からベンチャーに進むと決めた当時の自分の直感は、竹内さんの言う通り正しかったな、と考えます。Oliveで働き、Oliveに感化される、良い変化が自分に起きていると実感しています。

今後も、そんな影響力のあるOliveや他のメンバーについて、定期的にまとめていきたいと思います。


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