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成長する企業のビジネス戦略 note.1

企業が成長を続けていくために必要なビジネス戦略は、企業理念やビジネス環境の分析、過去の実績、将来のビジョン、など様々な要素から策定されています。企業や事業部を包括的に見ている方の視線からビジネス戦略語っていただきます。中長期的なキャリアを考えるために重要な情報が詰まったインタビューシリーズとなっています。

世界有数の調理器具・小型家電メーカー「ティファール」「WMF」「ラゴスティーナ」社長が語るチャレンジと楽しさ

株式会社グループセブ ジャパン 
代表取締役社長 アンドリュー・ブバラ氏

グループセブ ジャパンは、フランスに本社を置く調理器具・小型家電のメーカー「Groupe SEB(グループセブ)」の日本法人。フランスの調理器具・小型家電ブランド「ティファール」をはじめ、ドイツのキッチン&テーブルウェアブランド「WMF(ヴェーエムエフ)*コーヒーマシンを除く」、イタリアの調理器具ブランド「Lagostina(ラゴスティーナ)」の3ブランドの販売を日本全国で展開しています。
“TO MAKE CONSUMERS' EVERYDAY LIVES EASIER AND MORE ENJOYABLE AND CONTRIBUTE TO BETTER LIVING AROUND THE WORLD”
家庭生活をより快適で和やかで充実したものにする新たな製品とサービスの創造によって、「世界中の消費者の日常生活をもっと楽しく、ラクにし、豊かな暮らしに貢献する」それが私たちのミッションです。

Sonyで得た教訓「付加価値のある商品でないと長続きしない」

Q:グループセブ ジャパンに入社するまでのご経歴を教えてください。

日本で働くことにしたそもそものきっかけは、大学時代に日本語を学んだことです。漢字を覚えるのは大変でしたが、京都に1年間留学したこともあり、海外で、できれば日本で働きたいと思うようになりました。大学卒業時にはさまざまな選択肢がありましたが、ソニーからオファーをいただいたとき、二度とないチャンスかもしれないと思い、入社を決断したんです。

イエール大学卒業後の1995年、入社とともに私は日本で働き始めました。最初に配属されたのは広報部です。会社全体を見渡せる場所で、いろいろと勉強になりました。ただ、ビジネスの現場で働きたいという希望が次第に強くなっていき、そんなとき、当時立ち上がったばかりのVAIO事業のトップ、後にソニーの代表取締役社長となった安藤国威さんと知り合う機会があったんですね。安藤さんは日本のチームに、ノンジャパニーズを積極的に集めていました。それで私もVAIO事業に移るチャンスを得ました。企画管理をしながら、安藤さんを幅広くサポートする役回りです。VAIOが爆発的にヒットしたこともあって、現場はいつも慌ただしく忙しかったですが、楽しい経験でした。

ビジネスの現場にいるうちに、今度はビジネススキルをもっと深く学びたいという気持ちが強くなってきました。それでいったんソニーを辞めて、1999年に自費でバージニア大学のMBAコースに入学。2年間、ケーススタディを通してジェネラルマネジメントを徹底的に学びました。ビジネス数字の読み方やマーケティングの基礎など、経営に必要な知識を全般的に吸収し、サマーインターンでは3カ月ほどインテルで働く機会も得ました。

卒業後は、もちろん多様なチャンスがあったのですが、自分が最もインパクトを生み出せるのはどこなのかを考え抜いた結果、再びソニーに入りました。会社のことをよく知っていましたし、ネットワークもあったからです。今度はサンディエゴのソニーアメリカに籍を置きました。2001年から2012年までの11年にわたって、本当にいろんな仕事を経験させてもらいました。カスタマーサービスから始めて、情報システム部でERPを導入し、サプライチェーンの改革も手がけました。2006年には未経験でプロダクトマーケティングにチャレンジする機会をいただきました。私の担当はヘッドフォンでした。当時はちょうどデジタル音楽プレイヤーが伸びていた頃で、ヘッドフォンの需要もうなぎのぼり。ただ市場全体が上向きだったため、競合企業もどんどん増えていました。私はその中で生き残っていくために、新商品開発やパッケージ・宣伝の見直しなどを推し進めました。そこでよくわかったのは、付加価値の高い新商品を出していかない限り、中長期的な成功は望めないということ。これは今につながる教訓です。

それから、ソニーアメリカでマネジャーになりたての頃は、チームマネジメントとピープルマネジメントに苦戦しました。その結果、私は最終的に採用を重視するようになりました。付加価値の高い商品、売上(数字)も大事ですが、何よりも人が大切です。採用面接のときに、マーケターとしての分析力だけでなく、キャラクターやモチベーションをよく見るようになったんです。ポテンシャルが高ければ、その時点でのマーケティングの経験や実力がさほどなくても、1、2年後には十分活躍できるようになります。特に必要なのが、ある程度自分で考えて行動できるリーダーシップです。リーダーシップがあれば、自ら学び、道を切り開いていけるんですね。

Q:その後、グーグルに転職されたのですよね?

はい。プライベートの事情があり、日本にやってくることになりました。1年ほどソニー本社で働いた後、2013年からグーグルで働き始めました。以前お世話になった方が、グーグル内でアジアの新チームを結成したんですね。そのタイミングで声をかけていただきました。Google Play Storeのアジア&パシフィック地域のカスタマーサービス責任者を担当しました。グーグルの多くのサービスでは、カスタマーサービスをWEB対応などでおこなっているんですが、Google Play Storeでは課金する商品も多く、コールセンターが必要でした。私は、ソニーアメリカ時代のコールセンター運営経験を活かして、日本・韓国などでコールセンターを新たに立ち上げていきました。リモートで部下をマネジメントするチャレンジも経験しました。

グーグルではソニーとは違うマネジメントを学ぶ機会にも恵まれ、グーグルで働くのは楽しかったのですが、2015年にグループセブ ジャパンに移る決断をしました。それは何よりも、カントリーマネジャーを一度経験してみたかったからです。また、グループセブには、付加価値の高い「いい製品」があったためです。話しているときにティファールの名前を出すと、多くの方が「知ってます」「持ってます」「ファンです」と言いながら、明るい顔になるんですよ。いい製品がお客様の素敵な日常をつくっていく、そんなことが出来る会社だと感じました。その2つの理由からグループ セブ ジャパンに入社し、2015年に代表取締役社長となって今に至ります。

日本のティファール新製品の半数以上が「日本専用」

Q:社長就任後、取り組まれてきたことを教えてください。

Q:製品開発以外にはどのようなことに取り組まれていますか?

Q:これからのチャレンジについて教えてください。

上記質問への回答は下記からご覧ください。

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インタビューシリーズ『成長する企業のビジネス戦略』

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